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講義に巻き込むコツ

「学生たちが授業に全く前のめりでなくって…中本さんの講義に参加させていただくと気付いたら夢中になってしまったので、何かアドバイスをいただけませんか?」という相談を准教授の御方からいただくことに。ということで今回は、参加者の巻き込み方についてお伝えしたい。

 一つ目の工夫は一方通行の講義にしないこと。講義を進める際に質問を学生たちに投げても良いし、学生同士の簡易グループワークを導入しても良い。人は一方的に情報を提供されると思考が停止してしまい、積極的に関わろうとする気持ちを失ってしまうからこそ、双方向を大切に。

 例えばミカンの品種改良に関する講義なら、「世の中に出回っているミカンはどれもこれも同じに見えますが、実は品種は多数。全部でいくつあると思いますか?」といった質問から始めても良いし、5分だけ時間を取って「近い席の方々3名で品種の区別の仕方について話し合ってみてください」とミニワークにするのも大事。

 二つ目の工夫は相手にとって価値ある講義にすること。残念ながら誰もが講義に前向きではないし、単位を取るためだけに座っているだけの人もいるに違いない。だからこそ、参加することで何かポジティブなものを得られる時間だと認識してもらうことが欠かせない。

 例えばミカンの品種改良に関する講義を学生向けにするなら「バレンタインの成功はミカンの改良と同じと言えます。本日の講義に出席されたラッキーな皆様は勝ち組になるでしょう」と冒頭に宣言するも一手かもしれない。

 ちなみに自分は学生向けのワークで「バレンタインから勝ち組を無くすには?」という問いを投げ、グループでディスカッションする時間を設けたことがある。当時は2月だったこともあり大盛り上がり。今となっては冬の鉄板ネタの一つ。

 三つ目の工夫は未知を与える講義にすること。アハ体験の提供ともいえるかもしれない。Google大先生やGPT伯爵が登場し、自分たちはインターネットを介して調べられるものには関心を示すのは難しい。だからこそ、講師として自分だからこそ知っていること、相手が簡単に予期できないことを織り込んでいく。

 例えばミカンの品種改良に関する講義を学生向けにするなら「実は柑橘類の改良は古来から試行錯誤されてきたんです。例えば一本のミカンの木でミカンとレモンが同時に育てられるんです」と写真と共に紹介するのも一手かもしれない。

 ただ前に立って話すだけでは誰も熱心に聞いてくれないことが多い。それだと巻き込めるのは最前列に座っている異様な熱量を持った人ぐらい。だからこそ、一方方向ではなく双方向の講義にしていこう。相手にとって価値ある講義にしていこう。未知の気付き学びを届ける講義にしていこう。前に登壇される皆様の一助となりますように。


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