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価格の恐怖と向き合おう

 アイデアを考案し製品やサービスに落とし込んだ後、避けて通れない要素の一つが価格。そこには様々な不安が付き纏うものの、その中でも特に大きな困り事は「より高い価格設定をしようと思っても、ついつい躊躇してしまう」というもの。

 自分も過去に、無意識のうちにもっと安くしようと考えてしまい、「タクトさん、自分を安売りし過ぎですよ!」「いったい誰をお客さんにするつもりなんですか?」とツッコミをもらったことも。

 どうして自分たちは高い価格設定を避けてしまうのか。その背景を今回はメモとして残しておこうと思う。

 一つ目の背景はお客様を失う恐怖。価格を上げることで既存のお客様を全て失ってしまうと心配しがち。

 例えば、これまで10個100円でミカンを格安販売してきたミカン農家が値段を上げようと検討した際、「格安に慣れ親しんだお客様が全員、消えてしまうのではないか」と恐怖してしまう。

 二つ目の背景は価値が認められない恐怖。価格を上げると新規のお客様が登場しないのではないかと心配しがち。

 例えば、ミカン農家が10個1,000円で高級ミカンを販売しようと検討した際、「どれだけ美味しくても、見た目が良くても、誰も認めてくださらないのではないか」と恐怖してしまう。

 三つ目の背景は期待の裏切りへの恐怖。価格を上げるとお客様の期待値が上がり過ぎてしまい、トラブルを引き起こすのではないかと心配しがち。

 例えば、1個1,000円の超高級ミカンの販売後にSNS上で、「1個1,000円のミカンが酸っぱくレモンに思えた件www」といった負の評判が広がらないかと恐怖してしまう。

 自分たちは高い価格設計に恐怖を覚えてしまうもの。既存のお客様を失ってしまうのではないか、新規のお客様は現れないのではないか、期待値が上がり過ぎて後々のトラブルになるのでないか、と心配でいっぱいになりがち。

 けれどもその恐怖に負けて安い価格を設定し続けては、より良い価値の提供ができなくなるだけでなく、事業の継続も危うくなってしまうもの。だからこそ勇気を出して価格を設計していこう。アイデアをカタチにされたい皆様の一助となりますように。

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