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挑戦する前に

やることを増やすのもいいのだけど、手順としては、増やす前に減らしてからの方がうまくいくことが多かった。

「増やす前に、減らす」と意識していたわけではないが、後々から振り返るとやはり減らさずには無理なのだ。

別れてから付き合う。
解散してから組む。
辞めてから就く。
償ってから進む。

増やす前に、減らす。をしないとどこかしら無理が出てくる。

時間は有限だからだ。

新しく大切で重要な何かを始めるなら、同じくらい大切で重要なものを最初に捨てなくちゃいけない。

というよりも「実際に捨てている」ということを認めるのが大事だ。「あれは俺の中ではもう終わっている」と認めさえすれば、意識的なリソースは減らない。逆に頭の中にいつまでもそれが残っていると、新たな挑戦は失敗してしまう。
新しいものの代わりに、捨てているものがなんなのかをきちんと意識するのはそれぐらい大切だった。


捨てるには多少の勇気があるし、寂しさも伴う。

別れたあのひとも、解けて散ったバンドも、離れてしまったあの街も忘れるわけじゃない。忘れられるわけもない。

でも「捨てた」のだ。それはゆるぎない真実だ。

その捨ててきたものをちゃんと意識するからこそ、今現在がある。

「始めたい!」とか「やりたい!」とか「挑戦したい!」という声はよく聞く。若々しく、素晴らしいことだとも思う。

だけどそこに「捨てる」はちゃんと盛り込まれているだろうか。

僕にだって、夢、希望しか無かった頃があるし、そんなもんで腹一杯だった頃もある。

だけどそれはまだ何も手に入れてなかったからだ。そもそも大した捨てるものも無かったからだ。

生まれてからそれなりの時間が経つと大事なものが増えてくる。しかしそれらを捨てないと、新しいことを仕掛けられない。

年をとるとチャレンジできなくなるのはそういうところもあるのかなぁと。たまには、僕たちはもともとゼロだったことを思い出さないといけないなぁと感じるのだ。


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