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72.後々、大満足する恋人の条件

Q.自分自身が弱いので、1人になると誰からも求められてないとなり、辛いです
恋人にも、辛く当たってしまい、余計に自分が塞ぎ込んでしまいます
2020.8.26 E子さん (20歳・女性)

A.「求められていない、だが恋人がいる」という錯乱した状態なのですね。ご自愛ください。

面白いひとと面白くないひとの差は「一人の時間が好きか否か」という説があります。事実かどうか知りませんが、たしかにそういった傾向はあるように感じます。

僕の知人に「とにかく一人が好き!」という男がいます。
「もう山で暮らせよ」と言いたくなるぐらい一人の時間が好きなやつなのです。「都会で暮らしているのに仙人級の一人好き」という錯乱野郎なのですが、言葉を交わすとじつに面白いのです。

彼は基本的にいつも一人なので、頭の中が考え事でいっぱいです。
「こんな発想あるんかい」というような物言いのオンパレードで、目の玉が飛び出っぱなしで疲れます。
ずっと一人なので色々調べるのでしょうか、とにかく物知りでもあります。もはや知らないことはないんじゃないかというぐらい知識があります。
最近はナントカいう国の意味のわからん昆虫にハマっているとか言っていました。気持ち悪くて仕方ありませんでした。

それなのに口を開けば不気味なほど明るいのです。錯乱しているというか、もはや狂人の域にいます。気が狂っているぐらいなんだい!と言っていたこともあります。

こういう人間が弱いか強いかわかりませんが、彼はとにかく満足そうです。
それを見ていると「嗚呼、また会いたいなぁ」とつい誘ってしまうのです。天才なのか馬鹿なのか、いまだ区別がつきませんが、どうにも魅力的です。

彼と話していると、ふと気付かされます。

恋人や親友、親、兄弟。

こういった親しいひとたちも、「自分と違う生命体なんだなぁ」とエモったらしくなります。しかし異なる誰かであることは紛れもない事実です。この「異なる誰か」という前提を忘れると、距離感がおかしくなってきます。

前述の彼は「俺の体内には兆を超える細胞、細菌がいる。もし俺が死んだら、こいつら全員が滅びてしまうことになる。こいつらにとって俺の死は、惑星衝突のような大事件なわけだ。どうだい?クールだろ?」と言っていました。

最高にクールだと思いました。そしてこいつは頭がおかしい、と心底思いました。

「自分の体にはたくさんの細胞、細菌がいるのだ。少なくともこいつらには求められている」というアンサーには全然納得はできませんが、細胞にすら「異なる誰か」なるスタンスを用いているのは凄まじいことです。

そしていったん前向きにはなれます。
前向きすぎて、彼の目にはいったい何が見えているのか分かりません。

「おい、人間の生存本能はそれら細胞のためにあるのかもしれないな」とも言っていました。

僕もあなたも死んじまいたい日があることでしょう。

でも「とりあえず細胞のために今日も人間をやっておくかなぁ」ぐらいの呑気さも良いのかもしれません。
彼は最近夏バテ気味らしいです。何の感想も出てきませんでした。死ねばいいのに。

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