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これは肉離れ?

今回は肉離れについて詳しく解説したいと思います。自分の痛みが筋肉痛にしては強く、治りが遅いと感じていた方は今回の記事をご覧いただければ肉離れかどうかの判断ができ、放置して再受傷をするといったことも避けることができると思います、参考にしていただければ幸いです。

目次
・筋肉痛について
・受傷部位
・他の筋肉のケガとの違い
・重症度
 可動域
 収縮時痛
・まとめ

肉離れについて

欧州プロフットボールチーム(51チーム)を追いかけた研究では、すべてのケガのうち31%が肉離れに関わるケガでそのうち27%が練習や試合を離脱しています。『受傷率』、『離脱率』が高いケガと言えます。

わたしの実感としては軽い肉離れを受傷後すぐにスポーツ復帰をして再受傷を繰り返す選手が多い印象です。しっかり組織を治して段階的に復帰することが大切だと思います。

受傷部位

受傷部位の37%がハムストリングス(太もも裏)、23%が内転筋、19%が大腿四頭筋(太もも前)とほぼ大腿部の負傷が占めています。

わたしの経験では学生や20、30代では上記のような割合になりますが、年配の方ではきっかけなく下腿(ふくらはぎ)の痛みを訴えて受診する方が多いように感じています。

他の筋肉のケガとの違い

肉離れはターンした際痛みが出たなどのきっかけがあるケガで、痛みの部位は片側で局所的である、24時間後に皮下出血を認める場合がある。

他の筋肉のケガで比較的多く見られるものに『筋けいれん』があります、これは試合中足がつったというもので痛みは顕著ではあるが治りは早いです。

また〝ももかん〟と呼ばれている、いわゆる『打撲』もあります、例えばサッカーやラグビーで相手の膝が大腿部にぶつかって生じます。打撲で可動域制限が大きいものでは長期の安静が必要となります。

遅発性筋肉痛はこのとき痛めたというきっかけはない。痛みは全体的、ときには両側に生じることが多いく若い人で2、3日で治癒することが多いが年齢を重ねると痛みが数日後にあらわれ、1週間ぐらい続くことがあります。

重症度

正確な重症度の判断は医療機関を受診する必要がありますが、検査法を紹介します。自分で大まかに理解しておくと気持ちの負担が減るのでお試しくだい、今回は頻度の高いハムストリングスを例にしました。

◇可動域
・ハムストリングスのストレッチテスト
下のイラストではセルフで脚を挙上していますが誰かに頼みましょう。

Ⅰ型:受傷直後に明らかなストレッチ痛なし ストレッチ感はあり

Ⅱ型:受傷直後に明らかなストレッチ痛あり

Ⅲ型:痛みで完全に筋が伸びない

挙上角度は健側と比較することが大切です。Ⅰ度が多く、肉離れと言うより疲労の蓄積のことがあります。Ⅲ度の場合は手術適応となることもありますので整形外科を必ず受診しましょう。

◇収縮時痛
筋肉を動かしたときの痛みがどの程度か評価します、⑵が痛みなくできるようになれば段階的にスポーツ復帰のメニューに取り組むことが可能です。

⑴うつ伏せにて膝を曲げる
⑵誰かに膝を伸ばす方向に抵抗を加えてもらい逆らえるか

まとめ

肉離れはスポーツ活動時のケガではかなり多いです、さらに再受傷を繰り返します。大切なことはケガの重症度を知り段階的に復帰することが必要です、特に可動域の検査は受傷初期には必ず確認しましょう。


参考文献
・月刊スポーツメディスン88肉離れの解明
・月刊スポーツメディスン218肉離れからの競技復帰を考える

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