日本における妊婦と妊娠を希望する女性へのCOVID-19ワクチン接種の指針

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日本では、2021年2月19日から、国立病院機構の医療センター/病院の医療スタッフ(10,000人以上)を対象に、COVID-19ワクチン(BNT162b2)の先行ワクチン接種が開始されます。この先行のワクチン接種は、第4相臨床試験と見なされます。 そのため、被験者(COVID-19の予防接種を受けた人)は、毎日、体温や体調などの健康管理を記録し、医薬品医療機器総合機構(PMDA)と厚生労働省に報告する必要があります。この第4相試験では、日本人におけるCOVID-19ワクチン接種(BNT162b2)の安全性と有効性を検証します。

2021年1月27日付けの報告書では、日本産婦人科感染症学会と日本産婦人科学会は、妊婦および妊娠を希望する女性へのCOVID-19ワクチン接種について以下ポイントを推奨しています。

1 COVID-19 ワクチンは、現時点で妊婦に対する安全性、特に中・長期的な副反応、胎児および出生児への安全性は確立していない。

2 流行拡大の現状を踏まえて、妊婦をワクチン接種対象から除外することはしない。接種する場合には、長期的な副反応は不明で、胎児および出生児への安全性は確⽴していないことを接種前に十分に説明する。同意を得た上で接種し、その後30分は院内での経過観察が必要である。器官形成期(妊娠12週まで)は、ワクチン接種を避ける。母児管理のできる産婦⼈科施設等で接種を受け、なるべく接種前と後にエコー検査などで胎児心拍を確認する。

3 感染リスクが高い医療従事者、重症化リスクがある可能性がある肥満や糖尿病など基礎疾患を合併している方は、ワクチン接種を考慮する。

4 妊婦のパートナーは、家庭での感染を防ぐために、ワクチン接種を考慮する。

5 妊娠を希望される女性は、可能であれば妊娠する前に接種を受けるようにする。(生ワクチンではないので、接種後長期の避妊は必要ない。)患者さん一人一人の背景が違いますので、まずは産科婦人科の主治医と十分にご相談ください。

妊婦さんと妊娠を希望される女性は、COVID-19ワクチン接種について、産科婦人科医に相談して下さい。

がん医療専門ドクター/癌ゲノム医療/新興感染症                              JAMA Published on February 14 2021. by 京都@Takuma H

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