COVID-19に対するワクチン開発に依存する世界経済の成長

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2020年10月13日に、国際通貨基金(IMF)は、世界経済見通し(WEO)改定した。IMFは、2020年の世界経済を4.4%のマイナス成長と予測し、2020年6月時点の世界経済から0.8ポイント上方修正した。各国からの巨額の財政出動によって、世界経済の悪化幅は縮小した。しかし、2009年の金融危機時の際、世界芸剤の0.1%減と比較して、2020年の世界経済の悪化幅は大きい。IMFは、世界の経済成長の鈍化による経済損失は、今後6年間で28兆ドル(約3千兆円)と試算した。

世界の主要国は、合計で12兆ドルもの巨額の財政出動を打ち出したため、世界経済は、2020年7~9月期から回復軌道に戻っている。2021年には、COVID-19に対するワクチンの普及が進むと思われるので、世界経済は5.2%のプラス成長が予測されている。

日本では、SARS-CoV-2感染者数の拡大が比較的抑えられている。その結果、2020年の日本の経済成長率は、マイナス5.3%と予測され、2020年6月時点の日本の経済成長率の予測から0.5ポイント上方修正された。しかし、修正された経済成長率は、2009年の金融危機直後の日本の経済成長率5.4%減と同じマイナス成長である。2021年では、日本の経済成長率は、2.3%のプラス成長で、緩やかな回復軌道に戻ると考えられている。

IMFは、COVID-19に対するワクチンの普及の具合に応じて、経済成長の下方シナリオと上方シナリオを試算した。COVID-19に対するワクチンの開発が遅れてCOVID-19の終息が困難ならば、2021年の経済成長率は5%台とする基本シナリオから3ポイント減少する。COVID-19に対するワクチンが想定よりも早く普及すれば、2021年の経済成長率は0.5ポイント上昇する。

がん治療専門ドクター/癌ゲノム医療/新興感染症           JAMA published on October by Kyoto@Takuma H

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