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立地が良すぎたゲストハウスと、コンセプトのために引き算することの大切さ

倉敷の美観地区でやっていた『ゲストハウス有鄰庵』を閉業するとお知らせをした今月。

ゲストハウスをやってきて思ったことをいくつかこのnoteに書きました。

今回もその『ゲストハウス有鄰庵』を例にとって、「コンセプトから外れた要素は引き算することの大切さ」について書こうと思います。

ちなみになんで最近ゲストハウスネタが多くなるっているかと言うと、それはやはりうちの『ゲストハウス有鄰庵』を閉業したからです。

経営していて感じていたこと、考えていたことはたくさんあったのですが、その時の姿を楽しんでくれているお客さんもたくさんいる中で「ここをこうした方がいいと思うんだよな…」と思ってることを運営側が発信するのはあんまり良くないかなと思っていたんですよね。

閉業した後だったらそれを後日談的に書いてもいいかもな…、ということで、最近になってこのゲストハウス関連話をよく書いています。

そんな話、ゲストハウス界隈の方だけでなく、お店や事業をやっている方に何かしらのヒントにしてもらえたら、嬉しい限りです。

倉敷美観地区の中でとてもいい立地の『有鄰庵』

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『有鄰庵』って、自分たちのお店ながら、立地がとてもいいんですよね。

倉敷美観地区のほぼど真ん中。
倉敷駅から美観地区に向かって歩いてきて、美観地区の入り口で最初に目に触れる古民家が有鄰庵です。

そこでやっていた『ゲストハウス有鄰庵』は、「えんをひろげる古民家」をコンセプトとして、とにかく交流に振り切ったスタイルを特徴としたゲストハウスでした。

交流に振り切っているのは、もちろん今の時代にそれが意味があると思うからです。

ただ正直、「交流が特徴であること」と「立地がいいこと」って特に大きな関係はないんです。

むしろ交流を一番の特徴にするなら、美観地区の端っこでやっていた方がコンセプト自体がストレートに伝わりやすいかもしれません。

立地が良いことはほとんどのお客さんに喜んでもらえるけれど

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立地が良いことは、例えば宿にいただく口コミでもよく書いてもらえます。

宿のOTA(じゃらんや楽天トラベルなどのサイト)によっては、「接客」や「清潔さ」と並んで「立地」も口コミのポイントにしているところも多いですし。

有鄰庵も「立地がとにかく便利」と評してもらうことも多かったのですが、それが目立つことって、実は最もマッチするお客さんに来てもらうにあたってはややノイズだったりもするわけです。

もちろん立地を便利と思ってそれを活用してもらうことはとても嬉しいことなのですが、そういった事実や評価があると、「立地が良いこと」も選択理由に含めたゲストさんもいらっしゃることになるんですよね。

それは私たちのゲストハウスがハマるドンピシャのお客さんではないこともあり、好みや需給のマッチングがニッチ的になってきている世の中では、そのマッチングの細かなズレや全方位的なウケって、うちのゲストハウスの特徴を伝えきれないことにもなるわけです。

特徴を伝えきれない、そこに完全にマッチしていない方にとっては、うちの『ゲストハウス有鄰庵』での滞在自体を心からは楽しんではもらえない、という結果になることもあります。

なので、ここで言いたいことは「お店や事業をするにあたって、コンセプトから外れている要素は排除した方が場合も多い」ということです。

立地の意味や必然性に沿うことがとても大事

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弊社の「有鄰庵」、日中はカフェを営業しています。

どちらかと言うとゲストハウスよりもこのカフェの方が、立地の良さを前提にそれを最大限生かせるようなお店の設計をしています。

リアルな場所のある事業/お店の場合は、その立地の意味やそこを歩く人の感覚をもとに、そこでやることに必然性やマッチング度が高いお店をやるべきなんですよね。

それに外れることは、たとえ「立地が良い」のように多くの人にメリットになり得ることでも、そこはお店のコンセプトを伝えるには邪魔になることもある、という意識を持っておいてもいいんじゃないかなと思っています。

つまりは、「捨てる勇気」っていうことですよね。

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