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引っ越しのこと【Part2】

シェアハウス時代の窮屈さがだんだんと見えるようになってきた。
「個室があるからプライベートは確保されている」「みんな社会人だから大騒ぎはしない」とかいろいろ宣伝もされていたし、事実そうだと思っていたけれど、やはり共用である以上は本当の意味でのプライベートはない。
個室以外は、プライベートではないのだ。
賃貸でも騒音に気をつけなくちゃと人一倍する自分が、シェアハウスに耐えられるはずもなかった。

この一年半、なんとか自分に言い聞かせていたんだと思う。
そうでもしないと、現実に耐えることができないから。
今考えてみると、シェアハウスに住んでいること自体を、なにか上位のステータスだったり、他とは違うことのシンボルにしていた節がある。
一度手にしたものはなかなか手放すのは難しい。変えるというのは自分に負荷がかかる。リスクだ。
だからなかなか「自分にシェアハウスが向いていない」という現実に目を向けることができなかったんだと思う。

生活を再設計することになると、自分自身と向き合う必要がある。
本当に大事なものは何か?
なにをやってなにをやらないか。
そういうことをまとまった期間で一気に考えることになる。

僕の場合、家の湯船でゆっくりすることはかなり優先度が高い行為だった。「どうせシャワーしか浴びないし、入りたかったら銭湯に行けばいい」とずっと思っていたけれど、好きな入浴剤を使って、好きな温度のお風呂をいれて、ボーッとしたり本を読んだりニュースを見たり動画を見たり、そんなふうに過ごすのが自分の回復につながっていた。
人によってはくだらないと思うことかもしれないし、僕自身も「こんなことが自分にとって大切だったのか」と驚いた部分もある。

でも、自分にとって大切なことって結構シンプルで、ゆっくりじっくり考える時間を持たないと日々の忙しさに流されて気がつけないことなのかもしれない。

他にも、コーヒーを自分で淹れたり、料理をあれこれ考えて3食きっちり自炊したものを食べることとか、部屋を清潔に保つこととか、モノを持たないこととか、毎日の生活を豊かにするために大切な要素をたくさん見つけることができた。
こういうことは、生活が不安定な引っ越し前後の時期にしか考えられない。生活が軌道に乗り出したら、また惰性でどんどん進んでしまうからだ。だから最初にこういうことを考えて、生活の中にデフォルトとして組み込む必要がある。

余談だけれど、僕のお気に入りの入浴剤シリーズはこれだ。

またこれはこれで、他にも種類があって記事にもしてみようかなと思っている。

誰かを楽にして、自分も楽になれる文章。いつか誰かが呼んでくれるその日のために、書き続けています。 サポートするのは簡単なことではありませんが、共感していただけましたら幸いです。