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【ウォール街のランダム・ウォーカー】株で利益をあげるならインデックス投資一択だ

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆

45年以上個人投資家に読み続けられ、時代ごとに12回も改訂を重ねられている株式投資の名著。
内容としては、以前読んだ「敗者のゲーム」とよく似ていたが、むしろ、「敗者のゲーム」がこの本に影響を受けているとも思える。
その内容はかなり重厚で読むのにかなりの時間を要したが、得られるものは多かった。


〜インデックス投資が最も効率の良い資産運用だ〜

さて、本書はかなり分厚い本であるが、著者の言いたいことはただ1点である。
それは
「インデックス投資が最も利益を生むことが出来る投資方法だ」
ということである。

株式投資を行う人は、誰しも一晩で資産を何倍にも増やす、という夢を見る。
しかし、一攫千金を目指して高いリターンを得ようとすると、高いリスクも伴う。
そして、長い期間のデータの中でいろんな投資方法を研究した結果、市場平均を上回るリターンを上げたのはインデックス投資しかない、というのだ。

そして、著者はインデックス投資以外の投資を長いページ数をかけて否定し、インデックス投資の実用性を説いていく。


〜学者ならではの視点と解説〜

著者である、バートン・マルキール氏はファンドマネージャー等ではなく、金融・経済を専門とする学者である。
本書の中で、ファンダメンタル分析、テクニカル分析、金投資、デイトレードなどさまざまな投資手法に対して懐疑的に解説をするのだが、その解説は膨大なデータに基づいており、かなりの説得力がある。
インデックス投資以外の手法を信じている個人投資家によっては、自分の投資手法を否定されてしまう気持ちになるかもしれないが、一度立ち止まって自分の投資手法に疑いを持つきっかけになるかもしれない。


〜個人投資家のための資産運用指南書〜

さて、本書は株式投資を職業としている人を対象にしているものではない。
対象は、一般的な人々である。そして、その人たちが株式投資で蓄財するための指南が主な内容となっている。

そのために、まずは貯蓄を勧め、リスクの高い資産運用を避け、つまらないが確実なインデックス投資を推奨している。

何のために、資産運用行うのか。
そんな考えを改めて考え直すことができるだろう。


リスクの高い株式投資は、身を滅ぼす。そうなれば普通の人生を送ることすら危うくなるのだ。
本業の傍ら株式投資をやる人にとっては、正直なところこれ一冊で充分だろう。

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