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【女の子は8歳になったら育て方を変えなさい】子育てに悩むならこの本じゃなくてもいい

オススメ度(最大☆5つ)

※本書について、かなり酷評しています。
この本を好きな人などは、不快な気分にならないよう、自己責任で読んでください。

〜エビデンスの無い育児書〜

著者は教育コンサルタントという肩書きで活躍している方らしいが、本書は参考文献やエビデンスは何もなく著者の考えがつらつらと書き綴られている一冊。

全体を通して、内容が「著者の思う事」の域から出ていないような印象だ。

正直、子育てに悩むなら他の本を買った方がためになるし参考になると思う


〜語り口が不快〜

本書を読み進めていくうちに、非常に不快になってしまった事がある。
どの章も語り口がなんだか信用出来ない感じなのである。

例えば、

おとなしすぎる女の子はクラスで自分の意見を言えなかったり気の強い友人にいいように利用されたりします。
大人になれば強引なセールスに高価なものを買わされたり、悪質な占い師に洗脳されることもあります
→そんな事態にならないように、自己主張が出来る様に特技を持たせましょう。例えばピアノなんてオススメです。

とか、

親にとっては「わがまますらかわいい」と言いますが、そのわがままぶりを外に向ける事が許されるでしょうか?
仲間はずれにされたり、陰口をたたかれたり。社会に出れば風当たりは一層強くなり、まれに見る才能の持ち主か世紀の美女でない限り、わがままを受け入れる世界などありません。
→そんなわがままを直すためには、甘やかすのをやめて植物や動物の世話をさせましょう。

など、

なんというか、「○○は嫌でしょう?困るでしょう?私の言う通りにすれば上手くいきますよ!」というような、自分の主張に正当性を持たせるためにわざわざ不安な状況を例示してくる感じ。
あえて言葉を選ばずに表現するなら、詐欺師めいてる感じ、がする。

その解決策が何か科学的にエビデンスのあるものや裏付けがあるならまだいいのだが、見たところそういうわけでもなく「私が沢山の家庭を見てきた経験からすると…」というような、自分の体験からの話しか無いのである。

僕は、とてもこの本を参考にする事は出来ないなぁと感じた。


〜著者の中にある「女の子観」〜

あともう一つ不快だったのが、著者の「女の子観」がどうしても気になったところだ。

もちろん、「女性は男性から3歩引いて…」なんて、さすがにそんな時代錯誤的な事こそ言ってはいないものの「女の子ってこう考えますよね!」という、著者なりの「女の子観」がある事に違和感が拭えなかった。

ちなみに僕は姉が1人いるのだが、

男性より女性の方が物事を楽しむ能力が高い

と、著者は言うものの、姉は特段これといった趣味があるわけではなく、何かに対して面白さを見つけ出す能力は弟の僕の方があったと思うし、

女の子の方が習慣化しやすい
女の子の方が国語力が高い
女の子の方が一年くらい先の近未来をイメージすることに敏感

という点についても、姉より僕の方がよく出来ていた自負がある。
逆に、姉は僕より男っぽいものの考え方をしていたと思うし、強烈な反抗期があったのも僕より姉であった。

何が言いたいかというと、そもそも子育てを「男の子」「女の子」に分ける事自体がナンセンスなのではないか、と思ったのだ。
他の育児書を見ても、(科学的にこういう違いがある、という話はあっても)男の子と女の子をそう明確に分けているものはあまり無かった。

子どもは一人ひとり違うのだから、我が子はどんな個性があるのか、どんな子なのか、というのをしっかり観察して子どもに合わせて育てる、というのがやっぱり基本なのだろうと思う。
本書を読んでそんな原点を改めて考えるようになった。

本書のようにガチガチに固めて育ててしまう事の方がなんだか危険なような気がするのだ。

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