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【投資の大原則[第2版]】2つの名書をいいとこ取りした名書

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜いいとこ取りで読みやすい〜

「敗者のゲーム」の著者、チャールズ・エリス氏と「ウォール街のランダムウォーカー」の著者、バートン・マルキール氏の共書となる本書。
上記の2つはいずれも株式投資の指南書として古典的名書として、数多くの投資家に読まれているが、いずれも分厚く読むのに時間がかかる。

本書はそんな2つの名書のいいところだけをピックアップして、かつ、非常にコンパクトにまとめられた一冊となっている。
なので、上記の2冊を読むことを躊躇っている人は、まず手軽に読める本書を読んでエッセンスを掴み、その後に2冊を読んでもいいと思う。

これから株式投資を始めようという人は、これを読んでみれば、株式投資の心得として得るものは多いだろう。もちろん、株式投資をこれまでやってきた人にとっても有益な一冊だ。


〜欲張らず、堅実に続ける〜

さて、本書における投資の大原則は以下の通りだ。

・まず貯蓄をする
・インデックスファンドを活用する
・分散投資
・頻繁な売り買いはしない
・市場の動きは気にせず、自分で決めたルールで投資をやり続ける


<まず貯蓄をする>
資産を作る1番の近道はなによりも貯蓄をすることである。蓄えた資金がなければ、利回り○%だのを気にしたところで意味はない。
支出が収入を超えないように、倹約に努めること。出来れば若いうちから貯蓄を始め、それを続ける事が重要だ。

<インデックスファンドを活用する>
インデックスファンドとは、市場の全てを銘柄を選ばずに買うものだ。市場とほぼ同じ値動きをするインデックスファンドは地味な投資としてあまり人気はないが、個別株を買ったりアクティブファンドが市場以上に成果を挙げる事は統計的に少ない。インデックスファンドは、銘柄を選択して買うアクティブファンドよりも長期的に見ればリターンは高い。また、インデックスファンドの方が手数料が安い。

<分散投資>
出来るだけ資産は分散していた方が良い。企業だけでなく、国や株と債券など様々な形で持っておくこと。世界規模の経済危機に対してはどうしようも無いが、分散していればあらゆるリスクに対して持ち堪える事が可能である。

<頻繁な売り買いはしない>
株の売買には手数料がかかる。売買を繰り返すほど手数料を取られてしまう。また、利益確定をすればその度に税金を取られてしまう。長期投資が基本である。頻繁な売り買いは、資産を減らしてしまう。

<市場の動きは気にせず、自分で決めたルールで投資をやり続ける>
長期投資において1番の障害は、価格の上下にメンタルが左右されてしまう事だ。長く同じ株または債券を持ち続ける事は、価格の変動に左右されない精神力が必要だ。
資産の見直しは年一回ぐらいにして、価格が高騰していても下落していても常に決まったルールで売買する事が成功への近道だ。


〜なんのために資産運用するのか〜

本書の内容は、短期間で億万長者になるような株式投資の指南書ではない。老後の人生を豊かなものにするための資産形成の指南書である。
なので、株式投資で一発逆転を狙いたい、という人には向いていない

そもそも、投資で資産を増やす目的は何なのか。今一度考え直す事も必要だろう。
早期リタイアして自由に生きる生き方「FIRE」なども話題ではあるが、一発逆転を狙って資産を全て失ってしまえば、自由どころか生活も危ぶまれてしまう。

堅実に、失敗を避け、地道に資産を増やす。そういう考え方も必要だ。特に、平凡な人ほど堅実な生き方をすべきだと僕は思う。
日本でもiDeCoやNISAなど、税制面で優遇される制度がある。そういったものを利用して、賢く地道に資産運用していく事で、人生を豊かにしていく事が可能になるだろう。

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