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【嫌われる勇気】あまりにも難解な自己啓発の源流

オススメ度(最大☆5つ)

☆☆☆

自己啓発ものの本としては非常に有名な一冊。

「嫌われる勇気」とは、また思い切ったタイトルだなぁ、と思う。

まるで、自分勝手に傍若無人に振る舞うことを許すかのような表題にかなり惹きつけられる。

しかし、いざ読んでみると、かなり複雑で難解な一冊である。

一度読んだだけではこの本の言いたいことを理解する事はほぼ出来ないだろうと思う。

〜アドラー心理学とは?〜

まず、この本のメインテーマとなっている"アドラー心理学"について。

アルフレッド・アドラーはオーストリア出身の精神科医であり、彼が20世紀初頭に創設した全く新しい心理学は「アドラー心理学」と呼ばれている。

フロイトやユングと並ぶ三代巨頭の一人として言及されるが、フロイトやユングの提唱する心理学と大きく違うのは、アドラーは自身の提唱する心理学を「個人心理学」と名付け、独自の理論を展開した。

心理学、と名付けられているものの、本書の著者は哲学者であり、このアドラー心理学を、ギリシア哲学と同一線上にある思想であり、哲学である、と書いてある。

アドラー心理学は、学問ではなく、人間理解の心理である、というアプローチで本書は書かれているのである。

〜(僕なりの)アドラー心理学の公理〜

さて、ではアドラー心理学の基本的な考え方とは何か。

正直なところ、僕はこの本のほとんどを理解していないと自覚しているが、

僕の中でのアドラー心理学の公理は以下の3つである。

・人間の全ての悩みは、人間関係上のものである。
・人間は"目的"に向かって行動しており、そこで生まれる感情等は後付けのものである。
・人生とは"現在"という刹那の連続である。

僕がかろうじて読み取れたのはこんなところである。

ハッキリ言って、この本はかなり難しい。
何度も反芻して読み解いていかなければ、半分も理解できないだろう。

〜実践には長い時間が必要〜

自己啓発ものの本には
「いや、書いてることはわかってるんだけど、それを実現するのが難しいんだよー!」
と思う事が多々あるが、残念ながらこの本はその最たるものと言っても過言では無い。

後書きにも、この心理学を実践するには20代からなら10年、30代からなら15年、40代からなら20年かかる、とまで書かれている。
アドラー心理学に出会うのであれば、早い方がいいだろう。

このアドラー心理学という哲学を、ただの理想論と切り捨ててしまう人もいるだろう。
「幸福」に対する一つの答えとして、光が見える人もいるだろう。

しかし、このアドラー心理学に出会う事は、決して自分の人生にとってマイナスにはならないと僕は思う。
気になる人はぜひ一読してもらいたい。

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