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【13歳からのアート思考】世の中を新しい捉え方で見る

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆

〜「アート思考」を体験する〜

本書は、芸術や美術の知識を得るための本ではなく、「アート思考」というものを解説する本だ。
では、本書のキーワードとなっている「アート思考」とはいったい何か。

「常識」や「正解」にとらわれず、「自分の内側にある興味」をもとに、「自分のものの見方」で世界をとらえ、「自分なりの探求」をし続けること

そして、本書は「アート思考とはこういうものです」という事が文章で延々と書かれているわけではなく、実際の絵画や作品を通してアートの歴史をたどりながら「アート思考」を体験する、という構成になっている。

メンタルや思考法の本だと、メソッドは書かれているものの、それを実践するのはやや難しい。
本書は「アート思考」を体験して、言葉ではなく感覚として「アート思考」が理解出来る、非常に面白い構成の本となっている。


〜興味を持ち探求する思考〜

本書では、主に6つのアート作品を軸に「アート思考」についての解説がなされる。
それぞれの作品に関するエピソードも面白いのだが、著者が徹底して述べているのは「作品に関する解説だけで理解したような気になってはいけない」という事だ。

著者は、アートというものを植物に例えている。
出来上がった作品を「表現の花」と呼び、その下には興味や好奇心、疑問が詰まった「興味のタネ」があり、さらにその下に複雑に絡み合う「探求の根」が広がっている。
「アート思考」とはこの「興味のタネ」と「探求の根」の部分を指す

作品そのものや解説文は、表面的に見えている「表現の花」に過ぎない。
一枚の絵画から「自分にはどのように見えるか」「そこから何を感じとれるか」という事を考えることが「アート思考」なのである。

ここまで書いて思ったが、この「アート思考」というものは、言葉で表現する事はかなり難しい。言葉で表現してしまうと「あーあー、常識にとらわれずに自分の中の答えを探せ、ってやつでしょ」とも思われかねない。
やはり直感的に「アート思考」というものを知るためには、実際の絵画や作品を目の前にしながらこの本を読む事が望ましい。自分の中での新しい「世の中の見方や考え方」が生まれてくるだろう。



〜僕の作品にも活かせるか…?笑〜

さて、非常に興味深く面白く読ませていただいた本書。

実は僕自身、音楽活動をしており、自分で作曲したりもしている。
数々のアート作品に関するエピソードや解説を読んで、僕の中にも「枠にとらわれない曲作り」の可能性が生まれた。

楽器を持ってるからって、それを音を鳴らす必要はないんだ。
日本人だからといって、日本語で作る必要はないんだ。
演奏技術を上げることばかりが、「上手くなること」ではないんだ。
(↑誤った解釈をしている可能性アリ笑)

誰もがアーティストになれる時代。アーティストでいなきゃもったいない、と思う。

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