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日経ビジネスのインタビュー バックナンバー 016
日経ビジネスのインタビュー バックナンバー 016
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ここに掲載しているのは、管理人・藤巻隆が携帯サイトで運営していた時のコンテンツです。
2007年1月8日号からスタートしています。1カ月分毎にまとめてあります。
● 2008.04.07 (No.1)<66>
原石には磨き方がある
田中 耕一(たなか・こういち)氏[島津製作所フェロー]
若い世代を切り捨てようと威張れるほど私たちは立派な成果を出してきたでしょうか。
今の子供たちだって脇目も振らずに勉強する人やスポーツに打ち込む人はいます。
私は互いを無視しない、おとしめない姿勢が大切だと感じます。
これは世代間でも一緒。
リスペクト(尊敬)する意識を持てば、「諦める」などという、可能性を無視する発想には至らないはずです。
● 2008.04.07 特別編
“液晶1本足”と決別
片山 幹雄(かたやま・みきお)氏[シャープ社長]
白物家電は、やりません。
今後シャープが手がけるのは「健康・環境家電」です。
我々は強い武器を持っています。
蒸気で加熱するオーブン「ヘルシオ」とか、ウイルスを退治するプラズマクラスターイオン発生装置付きの空気清浄機・エアコンとか。
こうした応用商品を作っている会社はほかになく、世界で通用する技術だと判断しています。
例えば、プラズマクラスターイオン発生装置付きの空気清浄機・エアコンは、2007年で360万台販売しています。
このうち、350万台が日本です。
人口を考えれば、世界で展開すればあっという間に3000万台、バリエーションを持たせていけば、1億台市場になると見ています。
代替技術もほとんど出てこないでしょう。
鳥インフルエンザウイルスへの懸念に代表されるように、世界中で健康・環境志向が高まっています。
そこでシャープは今、プラズマクラスターイオンの性能を高め、ウイルスに本当に効果があるという臨床データを蓄えています。
世間ではまだ認知されていないでしょうが、シャープの健康に関する技術はすごいものがあります。
このまま地球環境が悪化していくと、我々の強さが際立つでしょう。
● 2008.04.14 (No.2)<67>
孤高を貫く覚悟と勝算
鈴木 弘治(すずき・こうじ)氏[高島屋社長]
統合効果というものはあるでしょう。
別々にやるよりも潜在力が発揮され、競争力が高まり、統合という道を選ばない会社の脅威になるというものもある。
けれども、一方で「ブランド力」は統合することで弱まります。
ウチみたいに、(統合せずに)一本でいこうというところは、お客様から見ても高島屋は高島屋。
一方で、三越に行ったら、「伊勢丹の人がやっている」と見るお客様がいるかもしれない。
ノウハウを取り入れて“伊勢丹化”が進めば進むほど「三越」ブランドは弱くなる。
強い会社が(弱い会社を)吸収してしまう、というのなら話は分かるのです。
しかし互いのブランドを残したまま、(持ち株会社方式で)統合することにどんな意味があるのか。
ここ一連の再編からは見えてきません。
経営戦略の違いですね。
統合を選ぶ他社にも選ばないウチにも必然がある。
ただ、こんな状況下だからこそ、高島屋は高島屋です、ということを積極的に打ち出すことで、ブランド力を高められる可能性があります。
この状況はチャンスだと捉えています。
● 2008.04.21 (No.3)<68>
「世界10年不況」に活路
中前 忠(なかまえ・ただし)氏[中前国際経済研究所代表]
私が今考えているのは、「強い政府」の時代に入るということです。
ビッグとかスモールではなく、ストロングガバメント。
規制の強化をやり切る政府です。
例えば、米政府が環境と省エネルギー基準を非常に強化する施策を推進する。
自動車で言えば、燃費が2倍になる自動車について、業界が10年かかるというものを、「5年で実現せよ」と強制するわけです。
従わざるを得ない自動車産業は設備投資を増やし、それが進めば買い替え需要も起きる。
政府としてはお金を使わない一番いいやり方ですね。
他方、日本車メーカーにとっては、これは技術的に最も得意とするところです。
● 2008.04.28-05.05 (No.4)<69>
なるか、変化作る金融
渡部 賢一(わたなべ・けんいち)氏[野村ホールディングス社長]
金融業者というのは、特に目に見えないもので、さらに投資家や発行企業や流通市場で売り買いする人がいるので、常に鏡は磨かなきゃいけない。
だから時々、不心得者が出るんですけれども、私自身、好きなことを志さなきゃいけないと思います。
きっと復活しているモノ作りの会社はいいものを作りたい、喜んでいただきたい、という気持ちで、それはものすごいと思うんですよ。
金融機関だってそれを持たないと。
ちょっと古いとか時々言われるんですけれども。
🔷 編集後記
この元記事をアメブロに投稿したのは、9年前のことです(2013-12-30 19:35:27)。
読み直してみますと、「こんなことも書いていたのだな」「この個所に関心があったのだな」ということが思い出され、当時の自分の心境に思いを馳せています。
それだけ歳をとったのだと実感しています。
編集長インタビューの記事を読み返してみると、当時の経営者の心意気・信念・余裕・揺るぎない自信といったものが伝わってきます。
月日が経ち、自分だけでなく身の回りにも、環境にも変化があります。
しかし、経営に限らず、物事の本質は変わらないものです。
今回のインタビューの中から興味深い言葉を拾い出してみます。
田中 耕一(たなか・こういち)氏[島津製作所フェロー]
の言葉から。
若い世代を切り捨てようと威張れるほど私たちは立派な成果を出してきたでしょうか。
(中略)
リスペクト(尊敬)する意識を持てば、「諦める」などという、可能性を無視する発想には至らないはずです。
🔴 2002年にノーベル化学賞を受賞された田中耕一氏の言葉だけに心に響きますし、とても説得力があります。
田中さんと私は同年代であるので、私たちの年代を含め、私たち以上の年代の人たちには驕りがあったと思います。
威張れるほど私たちは立派な成果は出してきていません。
年齢や地位の上下、男女の差は関係なく、尊敬する意識を持たなくてはいけないと思います。
老若男女を問わず、簡単に諦めないことが大切です。
日本電産の創業者の永守重信氏[代表取締役会長兼最高経営責任者]は、
「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」と言っています。
諦めるな!ということです。
この他に「情熱、熱意、執念」「知的ハードワーキング」の2つを含め、3つを経営哲学としているそうです。
★ノーベル化学賞をわかりやすく: 田中耕一
1回の投稿ごとに1カ月分にまとめたインタビューの概要を掲載します。
2007年1月8日号からスタートし、2013年7月までの6年7カ月分のバックナンバーだけで79件あります。
途中、数件記事が抜けている個所があります。
データを消失してしまったため現時点では再生できませんが、日経ビジネスの電子版では「2011年10月から最新号まで」のバックナンバーが閲覧できるようですので、抜けている個所に該当する部分が見つかれば、追記します。
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