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【読書感想】桜庭一樹『赤 × ピンク』

2020/04/09 読了。

桜庭一樹『赤 × ピンク』

非合法のガールファイトで働く、まゆとミーコと皐月、3人の人間の物語。3人の"女性"と書くことに抵抗があるので"人間"と書く。

廃校の校庭で夜毎開かれる非合法のガールファイト。そこは正直、現実感がないんだけど、女の子たちの心情は生々しい程のリアル。同性愛的な空気が仄かに漂っていのも現実感がある。語り手は、まゆミーコ皐月なんだけど、書き手が男性的な目線でガールファイトを捉えているからなのか、性別が溶け合って無くなっているのにエロスだけは残ってる感じが混沌としてて好ましかった。

ミーコが女王様をやってるSMクラブのオーナーに言われた言葉が深くて好き。 

「いつか愛あるSMをね。妥協して、愛あるセックスでも許すわ。あんたのそのに体、いつかあんたの彷徨う魂が追いつくといいんだけどねぇ」

まゆミーコ皐月、3人の人間がこれからどんな未来を歩むんだろう。決して健やかで穏やかな人生にはならないだろうなぁ、とほくほくしながら読み終わったこの気持ちが、ずっと胸に残っていたらいいのにな。

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