ビジョンデザインの現場から | 【vol.5】 未来における存在意義①
—— ビジョンをどう定義するか。
vol.3、vol.4では、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、オンラインでビジョンをつくっていくという選択をしたこと、またそのプロセスについてお話ししてきました。
デジタル・アド・サービスでの「オンラインでビジョンを構築する」その実践について、具体的なワークの様子等についても触れていきたいのですが、ここでは少し、そもそもの話しをしたいと思います。
ビジョンとはなんでしょう? 突如、大きなお話しになりました。
ビジョン自体は、ごく一般的な言葉です。例えば、大辞林によると「①将来のあるべき姿を描いたもの。将来の見通し。構想。未来図。未来像。②幻想。幻影。まぼろし。③視覚。視力。視野。④見えるもの。光景。ありさま。」となっています。
もう少し、使われ方の範囲を狭めると。個人やその集合体の将来的なあり方や意志を表明する言葉、マネジメント周辺の言葉の1つです。この範囲内にも、いくつもの言葉があります。例えば、理念、ミッション、ビジョン、コンセプト、フィロソフィー、行動指針、パーパスなどなど。
今回は、ビジョンデザインという領域において、私自身が、また、Vision Managementというサービスフレームにおいて、定義している、もしくは、思考しているビジョンについてお伝えしたいと思います。
ここでは、ビジョン=「未来における存在意義」と定義しています。
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—— 他者との関係性のなかに、自らをどう存在させられるか。
個人のがんばり、企業の成長、経済の拡大。これらが、量的に、直線的につながっていた時代は終わって久しいといえます。他者との共生をさしおき、一人勝ちすればいいという時代でもありません。これは個人でも、組織でも、地域などあらゆる対象に共通して言えることではないでしょうか。またこのとき、他者というのは、対・人、対・企業などだけでなく、環境や自然といった存在も含んでいると考えています。
生活者のマインドも変わってきています。少し、データを見てみたいと思います。
『「人々の生活や社会に対してポジティブなパーパスを掲げる企業で働くならば、給与が下がってもいい」という回答がほぼ半数を占めている』(2016年/LinkedInによるビジネスマン3,000人を対象に行った調査)
『日本人の6割が「自分がビリーフ・ドリブン(※1)な購買者である」と回答している』(2017年/エデルマン・ジャパンが、世界14カ国1万4000人を対象に実施した消費者意識調査の日本における調査結果)
※1:ブランドの社会的・政治的問題に対するスタンスに意識的で、共感できることを重要視し、行動決定すること。
こうした結果から、私たちは、個人やその集合体のこれからの存在意義をどのように見通すことができるでしょうか?
他者(対・人、対・企業などだけでなく、環境や自然といった存在も含む)を制するのではなく、尊重する。共生、共創するというかたちを模索し、実現する。他者とのそうした関係性のなかに存在できないと意味がない。また、関係性において、自身がポジティブな因子として存在できることが、選択、判断、行動の根拠となる。存在意義、それは、他者とのポジティブな関係性のなかに自らを介入、作用させうること。そうシフトしてきているのではないでしょうか。
この記事の前半で、ビジョン=「未来における存在意義」と定義しているとお伝えしましたが、「未来における存在意義」として言語化、可視化されたビジョンは、他者とのポジティブな関係性のなかに自らを介入、作用させうるための共通基盤、共通言語になるものだと考えます。
今回は「未来における存在意義」の主に存在意義のお話しでした。Vol.6の「未来における存在意義②」では、「未来」についてお伝えしていきたいと思います。
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竹内 悠(Takeuchi Haruka):https://www.dascorp.co.jp/blog/4598/
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