見出し画像

デジマやウェブマーケというキャリアの今後

この記事の意図

デジタルやウェブのマーケティングには現在のところ高い需要がある。
職人仕事のような高い専門性を必要とする職業である。
が、AIの発達や広告そのものへの不信感の高まりにより今後必ずしもずっと安泰という仕事ではないと筆者は考えている。

せっかくマーケを志すなら顧客創造、顧客へのベネフィットの提供のためにどのように動けばよいか考えることを止めてはいけない。

デジタルマーケティングやウェブマーケティングとは

そもそもデジマ(デジタルマーケティング)やウェブマーケはどんなことを指すのだろうか。
実務においては「ウェブやアプリなどへの広告出稿を通じて見込み顧客を集める仕事」を指すことが多い。
色々な解釈があるのだが、筆者の周辺ではこれまでそのような意味で用いられることが多かった。

スマホの普及により広告出稿の可能性は飛躍的に広がった。
手軽に、色々な媒体に広告を出稿できる時代だ。

デジマやウェブマーケと呼ばれる部署、担当についている人々は基本的に集客を担っていることが多い。
未来のお客さんを連れてくる仕事である。

その次にリードナーチャリングであったり営業が出てきて未来のお客さんを顧客にするために動くのだ。

デジマへの期待値の高さと現実のギャップ

2000年代〜2010年代前半とデジタル広告は新たな産業として非常に期待されていた分野であった。
もちろん現在においてもテックジャイアントと呼ばれる企業はほとんどが広告事業を行っている。
GAFAMと呼ばれる巨大IT企業たちは広告で莫大な利益を出し続けている。
Amazonは長年IT小売であったが、最近では驚くくらい広告ビジネスを伸ばしている。
ざっと調べたところ1兆円単位の売上を出している。

広告産業は今後も最強のビジネスの一つであると思う。
実際期待されていた広告産業がこうした巨大商圏を生み出している現在であるが、働く労働者のキャリアとしてデジマを捉えたらどうかを考えたい。

デジマを取り巻く2つの課題

言うまでもなく一つはAIの発達である。
もう一つはゾーニングの効かないウェブ広告への不信感の高まりである。

デジタル広告に関するテクノロジーの発達は凄まじいスピードであった。
それらはアドテクと呼ばれこれまで成果を上げてきた。

Facebookがここまで巨大なプラットフォームになったのはパーソナライズの精度の高さが尋常でなかったからである。
Facebookの性質上、ユーザーは細かくプロフィールを入力することを厭わなかった。
それらのデータを元に興味のある広告をAIが推測し、掲出する。
Instagramも同社(今はMETA社)が運用しているので同様であるが、かなりのコンバージョン率の高さを叩き出していた。

費用対効果(CPA)が高いのである。
最低限の広告費でその広告に興味がある人だけにリーチする仕組み。

一方でAIが今後更に発達し「猛威を振るう」ようになるとウェブマーケ担当にはさほど専門性が求められなくなるのではないか。
誰でもできる仕事、と社会から思われてしまうとその仕事の対価は低くなる。
クリエイティブの制作からターゲティング、予算調整までAIがしてくれるようになれば人間が行わなければならないのはもはや「意思決定」のクリックのみである。
そんな社会の何が面白いのか。

また、広告への不信感の高まりも見逃せない論点である。
クッキー許諾の(うざい)ポップアップが昨今のウェブサイトには兵十ン装備されるようになった。
欧米ではGoogleやFacebookなどの巨大広告プラットフォーム業者はもはや目の敵にされている。
極論だが、クッキーだけでなくいずれパーソナライズ広告そのものも規制されるかもしれない。

またプラットフォームが当局に規制されるか否かとは関係なく、一般ユーザー側が一切広告を信頼しなくなってきている。
広告はうざいもの、怪しいもの、信頼できないものである。

最近では著名YouTuberとタイアップで商品を宣伝する企業も増えてきたが、時代が変われば広告のあり方も変わるということである。

昔ほどアドテクに期待される世の中にはもうならないかもしれない。

マーケティングとは顧客創造でありベネフィットの提供である

その原点に立ち返ったときにデジタル広告の担当者はどんな顧客を創造できるのだろうか。
また、どんな顧客にどんなベネフィットを届けられるのだろうか。

デジタル広告担当者は今後もなくてはならない職業かもしれないが、花形ではなくなるだろう。

マーケターとしてビジネス/仕事を作り出す側に常にいるような立ち回りが求められるのではないか。

会社の仕事の下請けになってはいけない。

この記事が参加している募集

マーケティングの仕事

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?