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『西浦和也選集 獄ノ墓』西浦和也ー伝説の怪談の後日談含む加筆完全版、最新書き下ろしも収録したベストオブベスト!

「あのまま家にいたら、巻き込まれちゃうよ」
累々と絡み合う実話の恐怖――「執着」(書き下ろし)より

内容・あらすじ

希代の怪談蒐集家・西浦和也の代表作を大幅に加筆し、本書だけの書き下ろし実話怪談を多数収録した、記念すべき初のベスト版!
・一本のホラービデオが原因で巻き起こる惨劇、そして恐怖は連鎖して…「黄色いゴムボール」
・繰り返し見る気味の悪い夢に潜む戦慄の正体…「夢の話」
・キャンプ場で遭遇した怪異と身も凍る恐ろしい顛末…「闇で叫ぶ声」
・土地に滲みついた禁忌、その真実に辿り着いた者に訪れる絶望の記録と、忌まわしき後日談を纏めた連作…「獄の墓」
——ほか収録。日常の脇に口を開けた忌み地、絶対に其処を探ってはならない…。

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著者自薦試し読み1話

なじょすっぺ

十年前の東日本大震災で、K子さんの住んでいた気仙沼は津波によって、ほとんどすべての家が流されてしまった。

職場で被災した彼女は難を逃れたが、実家は流され両親の行方もわからなくなってしまった。そのため職場の仮眠室に寝泊りしながら、時間が許す限り自宅跡や避難所を回っては、両親を探していたが、行方はようとしてわからなかった。

そしてひと月が経ち、四月に入った頃のことだった。

――バタバタバタ……バタバタバタ

夜、仮眠室で寝ていると、布団の周りを誰かが走り回っている。

初めは店長が様子を見に来たのかと、足音がするたびに起き上がっていたのだが、なぜか起きると足音は途切れてしまう。灯りをつけて辺りを見回しても、当然誰かがいるはずもない。

そんなことが何回も続くので、気になったK子さんは店長や仲間のスタッフに尋ねてみたが、誰も仮眠室には入っていないし、今までそんな音を聞いたこともないという。

何の音だろうと思いながらも、震災以来、毎日が慌ただしく疲れていたこともあり、それ以上気にすることはなかった。

➡続きは竹書房怪談文庫公式・怪談NEWSにて読めます📖

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