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▶「県民祈りの日」に寄せて ◀(2024年8月9日)

8月9日は長崎県の「県民祈りの日」です。1945年の8月9日の午前11時2分、原子爆弾が長崎県に投下されました。

今日は「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」が午前10時45分から開催されます。原爆犠牲者のご冥福をお祈りし、恒久平和への誓いを新たにするために、この日の式典は行われるわけですが、先日から気になるニュースが流れていました。

それはイスラエルの招待見送りに関連して、アメリカとイギリスの大使らは式典に出席しない考えを示したというものです。

長崎市は先月末の7月31日に、パレスチナ自治区のガザでの戦闘に関与しているイスラエルを式典に招待しないことを発表しました。その理由として、式典に際し抗議活動などの「不測の事態」が起きることをあげています。

平和に関わる式典ということで平穏に行うことを望むのは分かります。ただ今回の出来事は、現在における様々な思惑によって、過去と現在をつなぐ平和の思いや誓いが振り回されてしまっているのはとても悲しいことです。

「過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目となります」
これは1985年当時、西ドイツの大統領であったヴァイツゼッカーが、1985年5月8日のドイツ敗戦40周年記念日において行った演説の一節です。

今回の出来事は、過去について積極的に目を閉ざしたものだとは思いません。しかし、現在の状況に重心を置きすぎたばかりに、結果として「過去に目を閉ざす」形になってしまっている気がしてなりません。

平和は現在だけのものではなく、過去・現在・未来という全ての時間と繋がっているものだと思います。今回の出来事は残念ですが、これによって過去と繋がる平和が蔑ろにされたり、未来と繋がる平和が揺るがされたりしてしまわないことを願っています。

「歴史から教訓を学ばぬ者は、過ちを繰り返して滅びる。」
これはイギリスの首相だったチャーチルの言葉です。この言葉が予言ではなく、教訓としていかねばなりませんね。夏休み明けの授業でも、その点を意識して授業を組み立てようと思います。

ちなみに添付している現在準備中の授業スライドです。

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