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★我楽多だらけの製哲書(51)★~「同僚・同志」なのだが「教え子」にも思える不思議な感覚と岡本太郎~

2月末日をもって業務委託契約していた企業との契約は終了となった。
お手伝いさせていただいていた探究学習の教材も無事完成し、また再び海外で働くことになり3月はその準備があるため、契約終了を前倒しさせていただいた。
探究学習のワークブックが無事にリリースされたことは昨日も投稿した通りである。

最終出勤日に、教材開発をご一緒させていただいた探究チームのメンバーから素敵なプレゼントをいただいた。

「魚の形をしたネクタイピン」である。それも二つである。

これまで会議のために出社しているとき、私がいつも魚のネクタイピンをつけているのが印象的で、それがこのプレゼントにした理由らしい。以前に東京海洋大学の生協に何度か足を運ぶことがあって、そのときに少しずつ購入して、気づけばサケ、ハゼ、サンマ、フグ、タイ、クジラ(魚ではないが)など結構な数になっていた。

今回いただいたネクタイピンの一つは「アユ(たくさんネクタイピンを持っているが、魚に詳しいというわけではないので、おそらくアユという自信のなさ)」で、種類がかぶっていないのは奇跡のようで驚いた。さらに驚かされたのはもう一つの方で「骨になった魚」であった。

探究チームのメンバーによると、私が提出する教材の素案に対して、メンバーが会議で様々な角度からコメントしたり、話が二転三転したりして、かなり気苦労をかけてしまい「アユ→骨」のようにエネルギーを吸い取ってしまったというメッセージらしい。

しかし、これまで独りよがりで探究について考えてきた私からすると、この会議によって、今まで気づかなかったこと、当たり前と考え流していたことなどについて、多角的・多面的に考える機会となり、大変勉強になったので、「骨→アユ」のように足りなかった部分や欠けていた部分を補っていただき、とても感謝している。

「座学至上主義」の身としては、ディスカッション・ブレインストーミング・ワークショップなど、双方向的な活動を避けがちで、探究教材について考える場合もそうしてきたため、この1年間の学びは非常に重要な自己研鑽の機会となった。

探究チームのメンバーは、私より一回り以上も年齢が離れているが、それぞれ「自分自身のポリシー」を持っていて、会議では毅然と発言していた。そして、「良い教材を作り上げたい」という強い意志もあって、会議は予定調和のようなものではなかった。その中で、私が提示した素案はまさに「たたき台」として大いに叩かれたし、素案はある意味で自分の分身と捉えている私からすると「千本ノック」を受けているような気分でもあった。そうした試行錯誤を経て教材は完成したので、探究メンバーには「同僚」を超えて「同志」という感覚を持たせていただいた。

「チームを作ったり、コンビで何かやるときは、遠慮したり、内にこもらず、面白くぶつかりあうことが大事だね。ぶつかりあうことが面白いと思ってお互いをぶつけあう。そうすれば、逆に生きてくる。」
これは日本の芸術家である岡本太郎の言葉である。彼の言葉の通り、探究チームの会議はお互いのポリシーというか、信念というか、こだわりというか、とにかく強い意志をぶつけ合ったことで、アイデアは洗練されていったと思う。その結果、素敵な探究教材が一つの形になった。

それから年齢から考えると、彼らは私がクラス担任となって初めて送り出した卒業生と同じくらいである。そんな人たちから、私がいつも魚のネクタイピンをつけていたので、贈り物も魚のネクタイピンにしましたと伝えられると、3月という季節の空気も混ざり合い、何となく卒業式で卒業生たちから贈り物をされた担任の気分になった。だから、「教え子」みたいな感覚もあってとても不思議である。

これまで常夏のシンガポールであっても、教壇に立つときはネクタイを欠かさずしていたので、次の勤め先でもネクタイはするだろう。

新天地でも「骨→アユ」という形で多くの気づき・学びを大切にしていこうと思う。ワクワクした気持ちが乗り移り、ネクタイピンが今にも箱から飛び出しそうである。

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