【小説】 笑顔の携帯ショップ 【ショートショート】
日曜で多忙を極める携帯ショップのカウンター。勤務二ヶ月目にして高岡真奈美は、椅子にふんぞり返る老人相手に今にも泣き出したい気持ちになっていた。
口を「への字」に曲げた如何にも偏屈そうな顔をしつつ、実際に偏屈な性格の老人の名は日ノ出昭二、御年八十歳。
前日に暇潰しにモールに所在するこの携帯ショップへ訪れ、スマホを眺めていた所、高岡に「お探しですか?」と声を掛けられた。
日ノ出は二つ折りの「ガラケー」しか持った試しがなかったものの、「カンタンに操作できる」と高岡に唆され、