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ショートショート広場

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一話完結〜数話完結の短編集を載せています。 あなたの息抜きのひとつに添えて頂けたら嬉しいです。
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2024年3月の記事一覧

【小説】 インストール 【ショートショート】

「お父さん早く起きてよー。動物園行くんでしょお!」 「んー……今起きるよぉ……」  貴重…

大枝 岳志
2か月前
8

【小説】 空気「正常」機 【ショートショート】

『冷め切った家庭内、ギスギスした部署内、腐敗し切った上層部の空気にも!』  そんな謳い文…

大枝 岳志
2か月前
19

【小説】 笑顔の来訪者 【ショートショート】

 日曜。午後二時四十分。  そろそろ確実に、僕の部屋のインターホンが鳴らされる。  テレビ…

大枝 岳志
2か月前
14

【小説】 ぼくは、最後の人間 【ショートショート】

 長い長い戦争の果て、AIアンドロイド達はこの世界から憎々しい人間共を駆除することに成功…

大枝 岳志
2か月前
14

【小説】 神対応 【ショートショート】

 仕事帰りの駅中で普通のスーパーよりちょっとランクの高い「スーパーイチジョー」へ寄って、…

大枝 岳志
2か月前
16

【小説】 六の目が出たら 【ショートショート】

 今、僕は人生でぶっちぎりに最悪な日を過ごしている。  間違いなく、昨日まではバラ色だっ…

大枝 岳志
2か月前
9

【小説】 遭難の街 【ショートショート】

 噂には常々聞いていたが、湧き上がる好奇心に私はとうとう抗うことが出来なかった。  休憩中にその話になると、なんと部下の山内がそこへ行ったことがあるというので、火が点いてしまったのだ。 「垣沢さん、遭難者のギネス記録って何処だか知ってます?」 「遭難者か。さぁ……エベレストとか?」 「違うんです。今野町ですよ」 「あぁ……あそこはヤバイらしいな」 「実は先週行ったんすよ。幸い、何事もなかったんですけど」 「おまえ、本当に行ったのか?」  今野町の噂は小さな頃から大人達から

【小説】 ゾンビの日常 【ショートショート】

「きゃあああああ! ゾ、ゾンビ!」  うう~、うううううう! うう、ううううううううう!…

大枝 岳志
2か月前
8

【小説】 閻魔様の話し声 【ショートショート】

 死んだらすべてがチャラになると思っていた。  獄中でのたれ死んだ俺は、薄れて行く意識の…

大枝 岳志
3か月前
8

【小説】 無職遊戯 【ショートショート】

 私は、無職である。  失業給付金を元出に暮らしてはいるが、働く気持ちは今の所、持ち合わ…

大枝 岳志
3か月前
10

【小説】 新説・花咲かじいさん 【ショートショート】

 ろくに働きもせず「水で動くエンジン」を開発しているとかいう隣家のジジイが飼い犬の「ポチ…

大枝 岳志
3か月前
8

アイツの字 【作文用紙一枚の小説】

 婚姻届けの保証人になったアイツの字を見ながら、妻になる君と笑い合っていた。 「めっちゃ…

大枝 岳志
3か月前
10

【小説】 爆弾目覚まし 【ショートショート】

 酒井商店とかいう、最近近所に出来た怪しげなリサイクル店で目覚まし時計を買った。  買っ…

大枝 岳志
3か月前
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【小説】 低空飛行の神様 【ショートショート】

 母親に算数のテストの点が悪かったことを叱られている間、リビングテーブルに座るトオルには浴びせられる罵倒の数々がまったく耳に入っていなかった。  耳に入れば心に届いてしまうため、目の前にある透明花瓶の湾曲部分に見える光や水がなぜ曲がって見えるのだろう? ということだけを考えていた。 「トオル、さっきから聞いているの?」 「うん、聞いてるよ」 「じゃあ、なんでこんなに点数が一気に落ちたのかさっさと答えて頂戴」 「だから! 最初に言ったけど先生がテストの出題を間違えたんだって