【小説】 ゾンビの日常 【ショートショート】
「きゃあああああ! ゾ、ゾンビ!」
うう~、うううううう! うう、ううううううううう!
うううううう~……うう! うう! うう!
「え……お花? これ、私にくれるの……?」
うう! うう! うう~……。
「ありがとう……ゾンビさん、やさしいのね」
ううっ! ううっ! うううう~、うう! うう!
「ゾンビさん、またね! お花、大事にするわね!」
ううううううううう! ううううううううううう!
うううううううううううううううううううううううう!!
「ぎゃあ! ぞっ、ゾンビが出たぞー!!」
ううううう! ううううう! うううううううううう!
「やめてよ! オイラまだ子供なんだ! うっ、うわぁー!!」
うううううう! ううっ! ううっ!!
「えっ……あれ? え!! アレックス! 何処にいたんだ、おまえ! あはは! くすぐったいよアレックス!」
ううううう! うううううううう!
「まさか……ゾンビ、おまえがアレックスを見つけて来てくれたのかい?」
ううっ! ううっ!
「なんだ! そうだったのか! おまえ、良いゾンビだったんだな! ほら、アレックス! ゾンビにお礼を言うんだ」
ううっ!? うううううううう!
「アレックス! 噛んじゃダメだって! ゾンビは食べ物じゃないんだ!」
うううう! うううううう! ううううう~!!
「ゾンビ、ありがとな! 今度ママが作った美味いもん食わせてやるからさ!」
うううううう! ううっ! ううっ!
「アレックスとも遊んでやってくれよな! ゾンビ、またな!」
ううううううう! うううううう! うううううう!
うう~……ううううう~……ううっ~……。
「おう? なんだテメェ、ゾンビか? あはは! ゾンビが出やがった!」
ううううううう……うう、うううううう!
「俺はよぉ、ゾンビなんかちーっとも怖くねぇんだ。酔ってるから強気で言ってるんじゃあねぇよ? その気になればよ、この腰に下げたマグナムでおまえの頭なんかたちまち吹き飛ばすことが出来るんだからよ。ぜーんぜんっ! ゾンビなんか俺ぁ怖くねーんだよ!」
うううううう~! うううううううう!!
「はぁ? 何言ってるか、ちっとも分からねぇぜ!」
うううっ!! ううううっ!!
「ん? なんだ、俺に何かくれるってのか?」
うううううっ! ううっ! ううっ!
「おいおい、ずいぶん気前の良いゾンビ野郎じゃねぇか! 俺はおまえを気に入ったぜ! じゃあ、気兼ねなく頂くとするぜぇ」
ううっ! ううっ! ううううううううううううう!!
「おっ、おい! 離せ! てめぇっ、この!」
うううううううう!! うあううあうあうあうううううう!!
「ぎゃっ、ぎゃあああああああ!!」
うぐうううううぐあうあうあうううあうあううううううううう!!
「ぎゃあああああああああああああああ」
うううううううっ! ううううぐぐぐううううう。
「……………………」
ううっ! ううっ! ううっ!
「……………………」
ううううう……ううっ、ううううう。げふっ。うううう。
ううううううっ……ううう……うううううっ……ううっ……。
「やぁ! ゾンビ! この前はアレックスを見つけてくれてありがとうな!」
うううううっ! うううううっ!
「実はさ、昨日の夜から父ちゃんが帰って来ないんだ」
うううう……ううっ。
「だからさ、この前のアレックスの時みたいに父ちゃんを見つけて来てくれないかな?」
ううううううっ……うううううううううう。
「お礼はたっぷりはずむからさぁ~。なぁ、ゾンビ頼むよぉ。いいだろう?」
ううううううう……うぐぐぐううううううう……。
「腹でも減ってんのか? じゃあ、父ちゃん見つけて来たら美味いもん食わせてやるからさ! 俺とゾンビの約束な! 絶対に父ちゃん、見つけて来てくれよな!」
うううううっ! ううううううっ!
「ははは! 俺に任せとけってか? さっすがゾンビ! 頼もしいぜぇ!」
ううううう! うううううううううううううう!
「えっ? おい、えっ?」
ううううううあああああぐああああああ!
ううううううううううっ!!
「ゾンビ! ちょっと、おい! ゾンッ」
うううううがああああああああ!!
がああああああうううううううあううう!!
「ぎゃああああああああああ!!」
ううううううううう! ううっ! ううっ!
「……………………」
ううっ! ううっ! ううっ!
「……………………」
ううううう……ううっ、ううううう。げふっ。うううう。
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