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ショートショート広場

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一話完結〜数話完結の短編集を載せています。 あなたの息抜きのひとつに添えて頂けたら嬉しいです。
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2024年2月の記事一覧

【小説】 祖父の作った天使 【ショートショート】

 私がまだ幼い頃、世間は止まることを知らない好景気に浮かれ切っていた。  使い慣れない金…

大枝 岳志
3か月前
9

【小説】 猫、担々麺を食べに行く 【ショートショート】

七時間のうたた寝から目覚めた猫はグーッと背伸びをして、自身のとある妙な異変に気が付いた。…

大枝 岳志
3か月前
14

【小説】 単発工場派遣にて 【ショートショート】

「えー、君と君。それから、君。あっちのグループに行って」  今日は食品工場の単発アルバイ…

大枝 岳志
3か月前
12

【小説】 ヒーロー、交代

 あまりに突然のクビ宣告に、俺は声を出すことさえ忘れてしまった。  今朝、司令官からの電…

大枝 岳志
3か月前
10

【小説】 早川のアプリ 【ショートショート】

 今日も一日、眠いだけで退屈な授業が終わった。  部活をやっていない僕はさっさと家に帰っ…

大枝 岳志
3か月前
11

【小説】 街づくりゲーム 【ショートショート】

 有休消化のために二週間、会社を休むことになった。どれだけ忙しくても従業員には有給を消化…

大枝 岳志
4か月前
9

【小説】 特殊雨予報 【ショートショート】

 三月すらまだやって来ていないというのに、日中の気温は二十度を上回っていた。  蒸し暑いとさえ感じる部屋で昼頃に起き、カーテンの隙間から見た曇り空。  その重たさに、私はふと違和感を覚えた。なんというか、雲に粘り気があるように思えたのだ。  これはもしや、と思いテレビを点けてみる。  やはり、予想通りだった。 『本日夕方頃から関東を中心に雨予報となっておりますが、今回の雨は実に九年ぶりの特殊雨予報となっております』  あぁ、やはり滑り雨になってしまうのか。すると、しばら

【小説】 クレームオヤジ 【ショートショート】

 休みの日にたび、僕はリサイクルショップ巡りをして暇を潰している。  正体不明のハンディ…

大枝 岳志
4か月前
15

【小説】 組員、全員老人 【ショートショート】

 かつて三百人を誇る組員を有しており、その街を仕切っていた「大隈組」は暴対法の時代と共に…

大枝 岳志
4か月前
9

【小説】 空ははいいろ 【ショートショート】

 これは負け戦だと、先の大戦で戦ったという大爺様が言っておりました。 「配給もままならん…

大枝 岳志
4か月前
7

【小説】 平穏な爆弾 

 先ほど、爆発物を仕掛けた。  それも駅前ロータリーのタクシー乗り場の脇に堂々と、誰の目…

大枝 岳志
4か月前
7

【小説】 MOTHER 【ショートショート】

 僕たち兄弟の部屋の天井が拡張工事のおかげで高くなった。その分、照明も高くなったから手元…

大枝 岳志
4か月前
9

【小説】 風が壊れたら

 時々介護ベッドの柵に掴まりながら、一昨日からじい様が苦しそうに咳き込んでいる。  今も…

大枝 岳志
4か月前
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