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あのページには「200万年分の衝撃」があった

今まで読んできた全ての本の中で、
めくった全てのページの中で、
わたしにとって、
もっとも衝撃的なページがある。


子供の時、
まだ小学校に上がる前。
近所に、よく遊びに行く、
幼馴染みの家があった。

その家の主人は勉強家で、
家にオモチャはなかったけれど、
その代わり、
本がたくさんあった。

5歳のわたしは、
遊びに行く度に、
片っ端から本棚の本を選び、
ページをめくっていた。

決して、
読んでいたわけじゃない。
ただただ、ページをめくっていた。
兎に角、片っ端からめくっていた。


今思えば、
それは読書ではない。

ただ、
「何かを探していた」

のかも知れない。



そんなある日、
たまたま図鑑を手に取った。
大きかったので、
窓際のソファーに座り、
小さな膝の上に乗せて開げた。

いつものように、
特に読むわけでもなく、
どんどんページをめくって行くと、
突然、目の前に、
衝撃的な見開きページ現れた。


大きなカラーイラストは、
左から右へ、
海から魚が陸に上がり、両生類へ、
猿から類人猿、
そしてヒトへの過程が一望できた、
世界地図のように。

「ダーウィン」のアレです。

子供にもわかるように、
直感的に進化論が一望できる、
見開きのページ。

あっ…つ……、

そ〜なんだ〜〜〜。


その瞬間、何というか…、

わたし自身も、
進化してしまったのです
⁉️

突然やってきた、
大きな地震みたいに。

まあ、変化したのかな。
知識を得たとか、
理解したとか、
偉くなったとか、
そういう意味ではないんです。

ただ、
確かに何か変化が起きたんです。
わたしの小さな脳は、
100ccぐらいは増えたかも。

それまでは単に「子供」で、
朝、目が覚めてから、
夜、眠りにつくまで、
とにかく一日中、
動いているだけの存在。

子供というと可愛いけれど、
実態としては、

ただただ漠然と、
世界に圧倒され、
流されていただけの存在。

人の形をした、
ほぼ動物ですね(笑)


子供が見ていた世界は、
あのページを開いた瞬間、

世界が200万年分、
変わってしまったのです。

良いも悪いも、
喜びも悲しみも無く、
もっともらしい
感動もありませんでした。

本当の変化って、
そういうものかも知れない。


ただただ、
突然、世界が変わったのです。

地震の後、
地盤にズレが生じる様に、

何か、自分の立つ位置が、
微妙に変化したのです。



遠い、遠い昔、
私たちの祖先も、
同じような事が、
何ども、何ども、
起きたんじゃないかぁ〜。

意図せず、
歴史のページを、
開いたんじゃないのかなぁ〜。


それは、
明日また突然起きるのかも、
知れませんよね。




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