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センスが良いって、なんだろう。

“センスが良い。”
自分自身、ついついこの言葉を何の気なしに使ってしまうんです。それは相手方の提案の内容であったりだとか、評価する作品やファッション、聴いている音楽、そして言葉の言い回しについてなどなど、様々な場面で用いています。

しかし、センスってそもそもなんでしょうか?さらにその善し悪しとなると、話はより複雑になるでしょう。
今回は“センスが良い”という表現について改めて考えてみたいと思います。例のごとく持論をつらつらと書き連ねていきますから、ぜひ皆さんの意見も教えてください。

2つの用法とその問題点

完全に主観的な意見なのですが、多くの場合この表現は
「相手が自分自身の意見、感覚と合致したものを評価しているとき」

「相手が芸術的、及び政治的主張を含んでいるような、高尚であるように自分が感じる作品を評価しているとき」
の2つの場面において使用されているように感じています。そして、この2つ共に問題がそれぞれあると考えています。

まず前者は、完全に主観的な発言になっていますよね。自分の好きなものがさもセンスが良いかのような物言いは、傲慢としか言えません。まあ確かに自分の行動、振る舞い、趣味嗜好を肯定したくなる気持ちは分かります。もちろんそれは私も、自分自身はセンスが良いと信じています。しかしそれと、他人のセンスを批評するのとは話が変わります。おめえの物差しで測られても、、となるだけでしょう。

そして後者。これは現代美術全体にも言えることの気がするんですけども、“それっぽい”だけでセンスが良いとか、これが芸術なんだとか、少し苦しくないでしょうか?
現代アート、本当に理解して評価していますか?現代音楽、どうですか?聴きますか?表層的な政治的主張に踊らされていませんか?
つまり言いたいのは、ここでの“センスが良い”の用い方には主観性どころか客観性も無いところが問題なんです。難解なものを、高尚に見えるものを機械的にセンスの加点ポイントにしているだけに見えます。私には。
現代芸術が本当に好きな皆さんには、先に謝罪しておきます。すんません。しかし、ほとんどがファッションに見えるんですね。お互いにセンスを認め合うための道具に芸術を堕落させているように感じます。

持論

じゃあ、お前はどういう時に使うのがいいと思うのか。そう思われたでしょう。今から書きます。

私は“センスが良い”というのは、様々な知識を持っている結果としてその人自身の物差しがあり、それを用いて解釈をし、その結果が表出している場合に使うのが適切であると考えています。

少しややこしい言い方になりましたけれど、要は自分の物差しを持っている人が、世間の評価などを気にせず自分なりに理由を持ってその物事を行ったり評価しているならば、もうそれは全てセンスが良いんです。

センス

〘名〙 (sense) 人それぞれの内面にある感覚的なもので、感じ方、理解の仕方、あるいは表現の仕方に現われ出るもの。特に、ちょっとした行為や微妙な事柄についていう。「センスのある服装」「音楽的センス」など。
精選版 日本国語大辞典

辞書からセンスの意味を調べて見てもわかるように、特に微妙な事柄の差を感じ取れること、これこそがセンスなんです。そのためにはその分野に関する深い知識が必要とされます。取ってつけたようなものは、センス以前の問題、というわけです。

しかしこれは裏を返せば、様々な知識を持っていないと人に対して“センスが良い”なんて言葉を無責任に投げてはいけない、ということにもなります。これが、難しい。正直完璧にそんなことできる人はいないでしょう。
ですから安易に使っている自分に対する戒めです、今回のnoteは。センスを語れるようになる道のりは、まだまだ険しい。

私はそういう視点で“センスが良い”と感じて貰えるように、日々これからも知識を蓄え続けていきたいと思います。現状好きと感じるものだけを愛しているだけでは、物差しは作れないでしょうから。


雑談 五月病発症中

ここ最近特に文章が上手く書けません。昨日も今日も、しなければならない用事以外はほとんど何もせず寝て過ごしていました。4月1日から日記を書いていますが、翌日に繰り越して書く日も増えてしまっています。この無気力症候群を人は五月病と呼んでいるのでしょう。

私はこういう時は映画を観て過ごしています。読書は精神力が必要なんですよ、能動的に摂取する姿勢が。それに対して映画を始めとする映像作品は、受動的に楽しむことができますから、非常にありがたい。まあ、批評や考察をするとなると勿論能動的に摂取する必要があるんですけどね。

とにかく来週noteを書いている頃には治っていることを願います。
大型連休の代償、重いわ。じゃあまた来週!

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