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詩20230626-

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詩 20230626-
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#現代詩

詩:私の嫌いな言葉たち

詩:私の嫌いな言葉たち

言ってはいけない
書いてはいけない
死んではいけない

私の嫌いな言葉たち

いけないいけないと君は言うが

どうしていけないのか

ちゃんと考えたか?

詩:レクイエム

あきらめるな
努力しろ
負けるな
頑張れ

軽々しく使われたこの言葉たちによって

疲れ死んでいった者たちがどれほどいるか

詩:どっち?

詩:どっち?

書いているから進める。

進んでいるから書ける。

君はどっち?

私は、

書き進んでいる。

(ズルい!)

……ウソです。

私は書いているから進める方。

詩:雪化粧の富士山 #シロクマ文芸部

詩:雪化粧の富士山 #シロクマ文芸部

雪化粧の富士山を見る。
何回目だろう。
31回目かな。
ぼくはあと何回雪化粧の富士山を見れるのだろう。
あと70回くらいだろうか。
今のところ綺麗な富士山にウンザリしている。
見飽きた。
いつか雪化粧の富士山が恋しいと思う時が来るのだろうか。
その時ぼくはどこにいるのだろう。
#雪化粧 #シロクマ文芸部

詩:煙草に震えながら

詩:煙草に震えながら

寒さに震えながら

メンソールを吸い

落ち着くと同時に

口がスーッとなる

歯がカタカタ震える

ライターの火にあたろうか

でも

ライターの火は小さく

寒さはとても紛れない

詩:電車で詩を書く時

詩:電車で詩を書く時

詩を考えて

スマホを打つ

猥雑なことも書く

電車でも書く

ふいにとなりの人の目線が気になる

気になるともう恥ずかしくて

詩が書けない

詩: 傷

詩: 傷

傷つけてしまった君を思う

ぼくはぼくの世界があって

君には君の世界があって

しかしぼくはあろうことか

君の世界に土足で踏み入ってしまった

君の世界を「違う」と否定してしまった

君は傷つき

ぼくがそれに遅くも気づいた時

ぼくも傷ついた

この傷は癒えるのか

たぶん

癒えないだろう

君はもうぼくの前に

いないのだから

だけど

土足承知で踏み入らなければいけない時もある

もっとみる
詩:悪夢を見た

詩:悪夢を見た

時々こういう夢を見るんだ

夢の内容自体は悪くない

頭の中で音楽たちが流れている

頭の中で煙草を吸っている

でも体の部分部分がビクッと震えて

目がなかなか開かないんだ

金縛りってやつ?

やっと起きたら

不安でいっぱい

ドキドキしちゃう

ほんといやんなっちゃうね

詩:朝が来た

詩:朝が来た

寒い朝

眠い中

ゆっくり起きて

また寝る

また起きると

起きるべき時間は

とうに過ぎ

慌てて身支度する

いつも

そんな感じの

馬鹿な朝

詩:手紙に書いたこと1 物書きのお爺さんへ

詩:手紙に書いたこと1 物書きのお爺さんへ

手紙にはこう書いた。

あなたが、あなたのお母さまと再会する話を書いてください。

送り先は物語を書いているお爺さん。

お爺さんはお父さまの話ばかり。
それと、
お爺さんは自分の話ばかり。

そういう話はもういいんです。
あなたのお母さまの話を聞かせてほしいんです。
お爺さん、どうか前向きにご検討ください。

詩:瞬間についての考察

詩:瞬間についての考察

瞬間を撮る

映画も写真も

というか

芸術というものは皆

瞬間を切りとったものである

ところで

瞬間を「切る」ってなんだろう

どうやって切るの

瞬間は本当に切りとれるものなの

瞬間を取らせてもらう

これでいい気がする

詩:手紙を書こう

詩:手紙を書こう

口で言う言葉は

どんなに君を愛する言葉でも

どんなにあらがっても

記憶の彼方に行ってしまう

だから手紙を書こう

手紙なら燃やさない限り

永遠に形として残るから

詩:求めていると

詩:求めていると

求めていると逃げていく

求めていると逆の方を向く

いつもそんな感じ

求めないでいると

やってくる

いつもそんな感じ

いつも何かを求めている

でも

求めない生き方をしたい

優雅に求めない

求めない方が私にはなぜか幸せがくる