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「アートはできあがった答えを出しているものではない」李禹煥と安藤忠雄の対話より

兵庫県立美術館で李禹煥と安藤忠雄の対談を聞いてきた。すごく面白かったし、たくさんの学びがあった。

ダイジェストはこちら。


「現代アートはわからない」という意見に対してのおふたりの共通する意見として、現代アートを見ることでむしろその「わからない」にぶつかって、そのうえで自分の考えを持つことが大切なのだとおっしゃっていた。そして、「知的体力をきたえること」が重要だと。

おふたりの対話では、このことの重要性を何度もくりかえし語られていた。「知的体力」、すばらしい言葉だと思う。そしてこの内容はぜひ、学びについて語る「みんなの自習室」で共有したいと思った。

おふたりの対話の重要なところはほとんど書き写したが、せっせと手書きでノートに書きうつすうえで、どちらが話されていた内容だったのか曖昧になってしまった部分もある。ただ、お二人のおっしゃりたいことは共通していて、その向かうベクトルはひとつなのだと感じたので、全体として感じ取っていただけたらと思う。

途中、ほかのアーティストや芸術集団(もの派、具体、河原温、村上隆、イサム・ノグチなど)についての会話があるが、できるかぎり注釈を入れている。

それでは当日の対話のようすを、後日撮影した李禹煥の作品画像(平日のみ撮影可能)とともにどうぞ。

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2022年12月25日 李禹煥×安藤忠雄の対話より

安藤忠雄(以下、安藤):まず、「もの派」の現代美術家の李さんとのつながりを話したいと思います。

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