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離れていても想いあうためのロボットは手を上げる機能しかない。

国際ロボット展、終わりましたねー。関係者の皆様、お疲れさまでした!来場者の皆様、ありがとうございました!!一応、全体の実行委員の1人でもあるので、リアル開催できて、また多くの方々に参加頂き、嬉しく思っています。オンライン展示会は引き続き18日金曜日まで開催してますので、もし宜しければ是非!!
パナソニックはというと、サービスロボットゾーンに展示をさせて頂きました!

いくつか新ロボットや新機能、新発売などがあったのですが、その一つが"cocoropa"というロボット

紹介パネルはこちら

出典:パナソニック リリース

パネルだけではなかなか伝わりにくいプロジェクトなのですが、『離れている人との想いを繋げるロボット』とも言われ、離れて住む家族とのゆる〜い繋がりを支援します。一緒にいなくても『共在感覚』の生み出すことを目指しています。

ロボットの機能をざっくり言うと、離れた家など別々の場所にロボットが置かれていて、片方の家でロボットに触ると両方のロボットが片腕を上げ、もう片方の家で片腕上げられたロボットに触れると2台とも下りたままになっているもう片方の腕を上げて、両腕を上げた状態になります。両腕が上がったロボットは、まるでOK~、マルとも見えるポーズを取ります。

動画で見てみると、こんな感じです。

自分がおはよ~とロボットに触れると、その情報が相手に伝わり、相手もおはよ~とロボットに触れて、自分に返ってくる感じです。自分の発信した情報が相手が伝わったことを伝える機能としては、LINEの「既読」表示に似ているかも知れません。ただし、ロボットの腕を上げるだけで、LINEのように具体的なメッセージは伝えられないので、伝えたいということを伝えるくらいしかできません。我々風に表現すると、「伝達感」を通信しています。

毎日電話するのも気が引けるけど、相手のことは気になるなぁという関係性の方には、連絡すると言う負荷を感じずに、ロボットを介すことで思っているよーという想いを伝達できます。

機能という意味では、「最小限」になっているこのロボットは、筑波大学 鈴木健嗣先生の人工知能研究室との共同研究

これまでに10組20人以上の方々に1週間の評価をして頂いているのですが、思ったより一緒にいるように感じる効果がありました。詳細は、きっとそのうち論文がアクセプトされると信じていますので、開示はしませんが、代表的な2つの結果はこんな感じです。

正直、実験する前は、本当にここまでシンプルなロボットで、相手と一緒いるいるような感覚に変化があるのかというのは、ちょっと心配でした。

思っていたよりも、「同じモノを持っていること」、「そのモノが同じ状態になっていること」、そして、「そのモノが日常生活の視界の中で存在していること」の効果が大きかったような気がします。

2019年に作ったAug Labで拘っているのが「共在感覚」

人の感覚・感性に拘り、何気ない日常を豊かにすることを目指してAug Labというバーチャル組織を作りました。その中でも特に拘った感覚が、京都大学の人類学者の木村大治先生が作り上げてきた概念でもある「共在感覚」。まさに他の人と共に在る感覚のことで、木村先生の場合には、主にアフリカの方々を対象とした研究をされていましたが、Aug Labの場合には、物理的には同じ空間にいない人がどのようにしたら、共に在ると感じるのかということをプロダクトドリブンで知見を溜めてきました。

今回のロボット”cocoropa”以外だと、幼児と親との繋がりを支援する"babypapa"なんかも、人と人の関係性の良化や共に在る感覚を作り出すことを狙ったものです。

そんな中で、今回「共在感覚」に関するデータを出すというところまでいけたことは本当に良かった。(まだ論文化はできていませんが)、少なくともIRBなどの承認を頂いた実験プロトコルの中で、客観的にデータ化できたことは「共在感覚」の理解と活用の一歩になったような気がします。

”cocoropa”は既に長期の実証実験にフェーズは移行しています。

これからも様々な「共在感覚」を生み出す取り組みに挑戦していければと思います。

では、また来週〜
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安藤健(@takecando)

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