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静寂の使徒

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日々の生活を綴る。物静かな小話。 オールジャンル、たまに提起したり、ブチ込んだりしますが、僕の話。世間より静かな、ここの話。
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2019年12月の記事一覧

僕らはみな殉教出来なかったのか

僕らはみな殉教出来なかったのか

「君は"誰かの為に行動する"という事を始めから分かっていた学生だった。だからこそ、今僕は、君自身が幸せになっていない事が、悔しく感じる」

深夜のタクシーの車内で、かつての僕の指導教員は、そう溢した。
それに対して僕は
「今でもまぁまぁ、幸せなんで、大丈夫です」
そんな、見え透いた嘘をついた。
先生、それはねえよ。
"社会に貢献する事が、人として生きる事の最高の幸せである"なんて、言ってたじゃない

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黒衣無縫#素敵な日本語で言葉遊び「その色で世界を唄う」

黒衣無縫#素敵な日本語で言葉遊び「その色で世界を唄う」

黒檀の太刀に集めし千夜の星
掲げる我は天衣纏いて

【解説】

『夜を切り払う』meets#素敵な日本語で言葉遊び
黒檀の木刀(最高級素材)を携え、数千とも言える暗夜を過ごしてきた天狗のような男。
過ごしてきた暗夜の中には、煌めく天の星々も、地上で煌々と輝く営みの明かり、繁華街のネオンもすべて詰め込まれている。

そのうち、木刀と同じ色をしていた黒檀の大きな羽根は、暗夜の光を集め、夜空のように朧げ

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ちょい悪親父の食卓指南

30過ぎた今更になって実感している。
料理の趣味ってのはなぜか実家の家庭の味に依存する。どんな料理を作りたがるか、ノープランで考え始めた時、自分の深層から出てくるものというのは大体家庭の味だ。

でもって私の思う家庭の味とは一体なんだ?

紛れもなくそれは父の料理であった。さてさて本日はそこら辺を語っていこうと思う。家族自慢は出来るだけしといたほうがいい。

おすすめに上がった外国籍かもしれない父

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少年Aだったかもしれない私達からの決別行

少年Aだったかもしれない私達からの決別行

正直な話、どうでも良かったので適当に決めた。
その気持ちが現れていたのか、いつまで経っても引越しのダンボールは片付かないし、夜は適当にパスタを茹でて掛けるだけだとか、適当に切り身を焼いて食べたりだとか、生活を作れる気が全くしなかった。

少しだけ、時間が欲しかった。
誰にも後ろ指を指されることもなく、横たわって天井の木目を見ているだけの甘えた時間が必要だった。

大学から徒歩15分、近道を通れば本

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書く事で、書かなかった未来を追い詰める

書く事で、書かなかった未来を追い詰める

ひっさしぶりのエッセイを書く。
とはいえ今日は趣が違う。
ここからはステートメントだ。note街に対しての、そして、これからの読者、今までの読者に対してだ。

1.エッセイストとしての自分これまでの全記事の中でやっぱり自分のnoteはどう見たってエッセイが多い。悪くない、全然悪くない。
ただ何のために書いているか、と言われれば疑問がいつも残る。
『唯我論』がきっと正解なのだけど、これに全幅の信頼を

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