正しい心を維持するために-その1(884)
[今回から2週おきに、7回にわたって「心を訓練する」を連載します]
私たちは、生かし生かされている存在です。食するために農業の力を借り、移動や作業のために工業の力を借りる、などのさまざまな人たちのおかげで生きているのです。
いわば、すべての生きとし生けるものは、私たちの母親のような存在と言っていいのではないでしょうか。そのように考えると、すべての生きとし生けるものに感謝し、大きな愛とやさしさを向けることの大切さを感じざるをえません。
もしも、生きとし生けるものを感じたことがないならば、自分の心を生きとし生けるものに振り向けてはいかがですか。そうすれば、逆に生きとし生けるものたちがあなたに対して優しい眼差しで見てくれていることを感じることができるでしょう。
・赤ちゃんを見てニコッとすると、赤ちゃんも微笑んでくれます。
・会社に出社して同僚に「お早う」と言うと、同僚も返事してくれます。
・営業先のお客様に挨拶すると、相手も挨拶を返してくれます。
・集会で会った人に会釈すると、相手も会釈を返してくれます。
・道端の花に向かってきれいだねと思うと、花も輝きを見せてくれます。
・今日も頑張ろうと自分に言い聞かせると、頑張ろうと思います。
生かし生かされていることを感じて、周りの人たちを大事にすれば、現生または後世(後ほど、または来世)にお返しが返ってくるのです。
周りの人たちを大事にする出発が、何らかの目的を達成するという思いであってもかまわないのです。瞬間瞬間を誠意をもって周りの人たちを大事にしていれば(あるいは慈しめば)、自分も気持ちがいいし、相手も気持ち良くなるのです。周りの人たちを大切にすることで、自分にとっても、他者にとっても優しい気持ちを得る(すなわち、利益<りやく>)を得ることができるのです。
ポイント:
・大切な人だけに親切であるだけでなく、周りの人に親切であること。
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