私とバイオリン🎻『楽器を習うには先生がすべて』
こんにちは。高月香里です。
アイコンを見てのとおり、私はバイオリンを弾きます。でも、2021年の夏から左手の人差し指を痛めてしまい、腱鞘炎から骨萎縮になり、ずっとレッスンを休んでいます。
自己紹介で少し触れましたが、私はバイオリンをかなり遅くから始めたのですよね。2015年7月でした。
自分がこれまで生きてきた人生よりも、これからの人生のほうが短いということが明白であったため、私は早く弾けるようになりたくて、上手く弾けるようになりたくて、与えられた宿題はいつも十分に練習してレッスンに臨んでいました。
(詳しくは私の著書『楽器を習うには先生がすべて』をお読みいただければと思います)
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習い始めて1年半が経ち、先生が変わりました。初めて新しい先生にお会いして言われたことが衝撃でした。
「(音が)キレイすぎる。典型的な日本人ね。大事に箱に入れてキレイな包装紙に包んでる。今まではそれで良かった。でも、これからは僕が教えるだから、もうワンステップ上へいきましょう。…箱から出して!僕に見せて!」
先生は外国人でした。
何度目かのレッスンのとき、「Very good!Bravo!」と言ってくださったのですが、「いえ、ここのところを間違えました」と言ったのですよね。間違えたのに先生気が付かなかったか忘れたのか?と思ったもので。
そうしましたら、「はっ!?」と言って後ろを向いてしまわれました。そして向き直って、こうおっしゃったのです。
「人間だから間違えるは当たり前!もっと間違えてくれていい!そのほうが人間らしい!…ねぇ、僕はそんなこと言ってるんじゃあない。音楽的に素晴らしかった、そう言ってるんだよ」
最初の先生も素晴らしかったですが、2人目の先生も本当に素晴らしい先生であり演奏家でした。
でも、ついていくのもそれなりにたいへんでした。
「いつまで経っても音がとれない生徒には、別の理由を言ってやめてもらっている」
「練習もして来ないで音楽に関係ない話ばかりする人に僕は用はない。友達にそう言うと「おまえは馬鹿か。それでレッスン料貰えるんならいいじゃないか」と言われるけれど、僕はそれは我慢できない」、
と言われてまして。
しかし私は幸いなことに、「Best student だよ」と言われるようになりました。「こんなに練習するひとを他に僕は知らない」と。
バイオリンを習い始めて5年が経ち、ヴィヴァルディのRV522をすすめられました。そして半年くらい練習した後、とても嬉しい言葉をいただきました。
「めちゃ嬉しいよ。よく頑張ったねこの何年の間、3年とか。Very good!Bravo!…全体的に雰囲気も音楽も、弓の使い方とか音もvery good!おめでとう、ほんとにvery good!Very happy!I'm very happy with you!Great!」
ただ褒めてもらっただけでなく、一緒に喜んでくださったのでした。「嬉しい」「おめでとう」「ありがとう」と。
その後も続けて、「自分でもワクワクする。こういうレッスンのときは。…苦しいレッスンもあるんだよ」とも。
私は決して先生に褒めてもらいたくて練習を頑張ったわけではありませんでした。しかし、こんなに褒めてもらえると、素直に自分も嬉しくなりました。先生にとって私は特別な生徒かもしれないという自負も芽生えていたかもしれません。
それで余計に頑張り過ぎてしまったことは否めないかと思います。
今では後悔しています。あのとき、「痛いな」と感じたときに、練習を休む少しの勇気があればこんなことにはならなかったはずなのにと。
何でも、過ぎたるは及ばざるがごとしです。
でも諦めたわけではありません。骨萎縮が治ることはありませんが、少しずつでもバイオリンをまた弾きたいと思っているのです。弾き続けていたいのです。
いつかまた、必ず。
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