不妊治療(抗精子抗体)について
この記事は命の誕生に影響する事なので投稿していいのか1ヶ月悩みました。でも、この情報を必要としている人がいて投稿しないでいいのか?批判されるのが怖いという理由で何もしない事が最善なのか?考えました。誠実な思いで綴れば必要な人に届くと信じています。
今から20年も前の話です、不妊治療中の方で少しでも参考になればと思います。
私の症状は軽度の子宮内膜症と子宮筋腫はありましたが、場所と大きさから特に妊娠に影響する物ではなかったのでこの2つは治療を勧められませんでした。その後卵管造影検査、夫の方の検査をしても異常はなく、何度かタイミング法を実施しましたが何ヶ月も妊娠には至らなかったので、「もしかしたら…」で提案されたのが「抗精子抗体検査(精子を外敵とみなし動きを止めてしまう抗体)」でした。今はわかりませんが当時は先生に「まあこの抗体持ってる人は、1人/1000人の割合なので婦人科医になって数十年まだお目にかかった事はないですよ」と言われました。又検査費用が保険適用外(2万くらいだったと記憶してます)で躊躇しましたが、不安を取り除きたかったので受けてみる事にしました。
後日、先生は言いにくそうに、申し訳なさそうに、目を合わせずに、少し手を震わせながら検査結果を差し出し「実はね、陽性でした、そしてね少し抗体量が強いんだよ、、、、。」と仰いました。
「抗精子抗体陽性=妊娠できない=子供のいない人生を歩まなくてはいけない=小さい頃から夢見た平凡でいいから暖かい家庭を作る事が叶わない」と単純に思ってしまい絶句したのを覚えています。診察室を出るまで私は一言も何も発しませんでした。
その日は主人と一緒に来院していて良かったと思います。冷静に先生に「じゃあ、こういう場合は他にどのような事をすれば妊娠する可能性がありますか?」と質問して、思考が停止した私の隣で今後の不妊治療の方向性を話ていました。
一切私を責める事なく努めて普通に接してくれた事、「妊娠する可能性がこんなにもあるんだよ」と示してくれた事、不妊治療中に私が不安を口にしても「大丈夫、きっとできるから、大丈夫だから」といつも前向きな言葉をくれた事、姑の圧から守るために自分の問題で妊娠できていないのだと嘘をつき再度私にプレッシャーをかけたら縁を切ると言ってくれた事、感謝しかありません。
その後、※人口受精(2回)→体外受精(1回)→顕微授精(1回)と進んでいき妊娠には至らず疲れ切って諦めました。やれる事はやって駄目だったんだからと自分なりに納得し、後悔はなかったです。
※抗精子抗体のある人でも、その時期によって抗体の質や量に強弱があり、抗体のない人よりは妊娠の可能性は低いけれども抗体量が弱い時は可能性は全くの0ではないとの説明を受け、最初は人口受精からトライしました。
不妊治療中は「こんなにお金と時間を使ったのに、、、」「大好きな仕事も辞めたのに、、、(生理周期に合わせて病院に行かなくてはいけなくて、周りに迷惑をかけてしまうのを懸念して辞めました)」「これ以上どうしたらいいの、、」が頭の中で回ってました。
6年間の不妊治療中に同じく不妊治療していた高校時代の友達が妊娠した際、「おめでとう!!」を心の底から言えませんでした(勿論ちゃんとお祝いしましたよ)、嫉妬している自分が嫌で嫌でしょうがありませんでした、今振り返るとこの当時は、溺れてる自分に自分で藁を投げていた感じです。
そして焦りの中、「このままでは自分が腐る」と思い、今見たくない部分に焦点をあててしまうと気が滅入るので目を反らす事にしました、頭の中を「妊娠」以外にするために以前落ちた資格を取りなおしたり、仕事も再開しました。
完全に不妊治療を止めて1年後、子宮に違和感を感じ検査薬で調べたら妊娠していました。
病院で知り合った女性で、やっと妊娠したのに途中で育たなくなってしまった小学校の先生をしていた方が「何年も出来なかったから、途中で駄目にはなってしまったけど妊娠できただけでも嬉しかった。」と涙を浮かべて言っていたのが印象的でした。短いからと言って愛情が詰まっていない訳ではありあません、少しの時間だったとしても親になれた事は幸せな事だと思います。
欲しくても授からなかった方も諦めた決断をした方も同じだと思います、その残念で悲しい気持ちはもう痛い程分かります、何を選ぶのが正しいのか?私もいつも分かりません、自分が決めた事が良かったのだと後の自分に繋がるように考えていけたらきっと全部正解だと思います。
今振り返って後悔している事が一つだけあるとしたら、不妊治療のために仕事を辞めた事です。今はハラスメントの影響で辞めなくてもいい環境が昔より緩和されているのかもしれませんが、当時はまだまだだったと思います。その時は市の政府機関に勤めていました、サポート体制のような物はあったように思いますが、そのような公の場所でも実際の所はお飾り的な物でした。
又私以外全員男性の職員しかいなかったため、今は面の皮が厚くなり色々話せますが、アラサーの私は同年代の男性達に生理周期の事など恥ずかしさもあって説明できませんでした。
専門的な仕事だったため就職先が乏しいのと、ずっと前から学びたかった新しいスキルの習得を依頼されていたので正直辞めたくはありませんでした。でも、それよりもどうしてもお母さんという物になってみたかったのです。今でもたまにあの時続けてあのスキルを持てていたら、たらればですが選択肢は増えていたなあと思います。
時を経て、サプリメントの情報を閲覧する機会が増え、更年期症状で子宮の事について調べる中で妊活の一つとしてサプリメントを取り入れている人が多い事に気づきました。当時の私にこの情報があったなら不妊治療と並行してサプリを取り入れていたと思います。仕事を辞める前に、体外受精の前に、一つの手段として挑戦してみたかったです。もうアラフィフなのでこれまでの記事のように実際に私が摂取して試す事ができないので迂闊な事は書いてはいけないのですが、同じように悩んでいる方で時間とお金の問題で断念せざる負えない方は病院での治療と並行して、対策の可能性の一つとして考えてみてはいかがでしょうか?
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