大きな問題の根源
人は小さなことは気にするなと言う。
確かに小さなことばかり気にしても仕方がない時もあるし、その小さなことは誰かにとっては関心の範疇に入らなかっりするものだ。
だから、大きなことから対応するようにする。
けれど、大きなことというのは
大抵、小さなものが積み重なったものであるということだ。
問題の根源を探ってみると
日常の”ちょっとした違和感”から発生したものだったということはあまり知られていない。
さらに、小さな問題に対応していたら、結果的に大きな問題が解決したということがあるのだ。
時は1990年代初頭のニューヨーク
この時代のニューヨークは恐ろしく治安が悪く、治安を取り締まる司法当局はひどく頭を悩ませていた。
事件が発生してから対応するのではなく、犯罪が起きないような環境を作るにはどうしたら良いのかというのを考えた。
そこで対策としてまずおこなったことが、地下鉄の落書きの清掃だった。
次に無賃乗車の取り締まるようにした。
結果、落書きと無賃乗車の軽犯罪が激減したのは言うまでもないが、同時に地下鉄内での暴行や殺人などの重犯罪が激減したのである。
この例を参考にした司法当局は
ニューヨーク市全体の清掃に取り組むようにし、結果的に街全体の治安改善に繋がったのである。
この理屈はアメリカの犯罪学者のジェームズ・ウィルソンとジョージ・ケリングが発案した【割れ窓理論】というもの。
人は建物の窓が壊れているのをそのまま放置すると、この場所は防犯意識に配慮してないと感じ、犯罪を起こしても許されるのではないかと思って結果的に犯罪の発生率があがってしまうということだ。
なにが言いたいのかというと、
日常に感じる小さな違和感ほど迅速に対応していた方が問題の発生する可能性は激減するということだ。
犯罪に限らず、同じように日常の大きな問題は小さな問題の積み重ねが発端だったりするのだ。
その問題を放置していたら
やがてどのような問題に肥大化していくのかを考えれば、問題の芽は摘んでおいたほうが良いだろう。
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