【正月】実はサイコパス神の子供!?歳神様をおもてなしする日本の国民的年始行事【歳神様】
どーも、たかしーのです。
あけましておめでとうございます!
今回は、新年一発目なので『正月』について、書いていきたいと思います!
そもそも正月とは?
正月は「歳神様」をお迎えする行事のこと
正月とは、一般的には暦の年始め、つまり1月のことを言いますが、新年を祝う行事のことも指します。
具体的には、1年の初めに新しい年を無事に迎えられたことを祝い、その年の豊作と家族の健康を約束してくれる「歳神様」をお迎えする行事を言います。
「歳神様」はあのサイコパス神の子ども
「 歳神様」とは、神道における日本の神様で『古事記』には、スサノオとカムオオイチヒメの間に生まれたオオトシノカミ(大年神)として登場します。
↓ かの有名なスサノオのヤマタノオロチ退治の話はこちらから。
オオトシノカミは、毎年正月に各家にやってくる来訪神とされており、地方によっては「 歳徳神」や「正月様」と呼ばれることもあります。※鹿児島県には「トシドン」という怪獣のような呼ばれ方も。
また、オオトシノカミには、五穀豊穣や子孫繁栄の御利益があり、全国にはオオトシノカミを祀る神社もあります。
そんなありがたいオオトシノカミが、正月になると各家にやってくるということで、昔からこの神様を家族そろってお迎えして祝うというのが風習となり、これが正月の由来となっています。
なお、この「歳神様」は、オオトシノカミではなく、先祖の霊の集合体(ご先祖様)であり、正月にご先祖様を家族そろってお迎えして祝うという地方もあるそうです。
あれもこれもすべては「歳神様」のために…
こうした背景から、正月には「歳神様」をお迎えし、おもてなしをして見送るための伝統行事が数多くあり、今も正月の風習として行われています。
例えば、年末になると、門松を建ててしめ縄を張ったり、神棚や床の間に鏡餅を飾ったりしますが、これらは正月に「歳神様」を迎えるための準備をしていることになります。
それぞれの風習には、以下のような意味合いがあります。
・門松を家の戸口に立てる
→「歳神様」が宿る 依代(神霊が依り憑く媒体)となり、「歳神様」が家を訪れる際の目印となる。※ちなみに、材料に松や竹を使うのは、昔から常緑樹には神様が宿ると信じられていたからだそう。
・しめ縄を神棚や玄関に張る
→魔除けとなり、「歳神様」をお迎えする神聖な場所であることを伝える。
・鏡餅を神棚や床の間に飾る
→大小2つの丸い餅を重ねて置くことで、魂を示す神器である鏡の形を模して、「歳神様」を宿す。
なお、元旦に顔を合わせた人に「明けましておめでとうございます」とご挨拶をしますが、このご挨拶も、もともとは「歳神様」を迎えるためのご挨拶であると言われています。
主な正月の食事スケジュール
正月には、正月ならではの食事があり、また食べるタイミングも決まっているので、まとめて紹介していきます。
1月1日~3日は、お節料理やお雑煮を食べる
1月1日~3日(正月三が日)は、お節料理やお雑煮を食べるのが、古くからのならわしとなっており、各家庭でもこのような食事をされる方は多いかと思います。(私の実家もそうです)
お雑煮を食べるという風習は、もともと「歳神様」にお供えしていた食べ物を煮て食べたことが始まりとされています。昔から、神様に供えたものを食べると、神様から力を授かり元気がでると信じられていました。なお、鏡餅は、また別の日に食します。
※お節料理については、後ほど。
1月7日は、七草がゆを食べる
1月7日になると、七草がゆを食べるという方もいるかと思います。
七草がゆを食べるという風習も、古くからあり、七草は早春にいち早く芽吹くことから邪気を払うと信じられていたため、1年の無病息災を祈って、食べられていました。
ただ、七草がゆは、邪気を払う以外にも、正月の祝膳や祝酒で負担がかかり弱った胃を休めるために食べられたとも言われています。
ちなみに、七草とは、セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ、のことを言います。
1月11日は、鏡餅を割って食べる
年末に鏡餅をお供えしている家庭では、1月11日を「鏡開き」の日として、鏡餅を割って食べるといった風習があります。
鏡開きでは、お供え物に刃物を向けるのは縁起が悪いため、包丁は使わず、木槌で叩いて割るのが慣例のようです。また、「割る」という言葉も縁起が悪いので「開く」という言葉が使われます。
お餅は、お雑煮やおしるこにして食します。
鏡餅も「歳神様」にお供えしていた食べ物であるため、この餅を食べることで、力を授けられると言われています。
なぜなんだ!?正月の風習
他にも、なぜなのかがイマイチよくわからない正月の風習をまとめてみました。
なぜ年賀状を送るようになったのか?
正月の風習として、前年にお世話になった人や知人などに年賀状を送るというものがあります。この風習は平安時代ごろに始まったとされています。
平安時代より前、奈良時代。
新年になると年上の方やお世話になった方の家を訪ねて挨拶する「新年の年始回り」という行事が行われるようになりました。
そして、平安時代になると、貴族たちにもこの風習が広まりますが、挨拶が直接行えないような遠方などの人への年始回りに代わるものとして、文書を送り、年始の挨拶としていました。これが年賀状の起源となります。
そこから、だんだんと直接お世話になった方へ年始の挨拶に出向くという習慣が簡素化され、いつしか文書による年始挨拶が一般化するようになりました。(年始ぐらいはウチでゆっくりしたいよね~)
つまり、年賀状を送るという風習は、わざわざ直接出向かず、さらには大勢の方にもいっせいに行えるようにした超シンプル版「新年の年始回り」だったのです。
ですが、本当にお世話になった方には、直接出向いて挨拶に行った方が喜ばれるかもしれません。(ただし、相手のご都合は事前に聞いておきましょう)
なぜお年玉をあげるようになったのか?
新年のお祝いにぽち袋に入ったお金をあげる「お年玉」といった、子供にとってはボーナスイベントとなる正月の風習があります。
実は、もともとはお金ではなく、お餅をあげる風習が由来となっています。
そもそも「お年玉」とは、歳神様にお供えしたお餅を家長が家族に分け与える「 御歳魂」という風習がありました。これは、歳神様へのお供えしたもののお下がりをもらうことによって、その年の無事を願うためのものでした。
この風習は、昭和初期まで続いておりましたが、昭和30年代(1955年)以降、つまり高度経済成長期ごろから、都市部を中心にお金をあげる「お年玉」が主流となっていきました。理由は、経済成長によって農村社会が解体され都市生活者となり、これによって、お餅を作る人が減少したからだと考えられています。
かといって、現代ではお餅をカンタンにつくれる家電も売っていますし、昔よりも作るハードルは低くなりましたが、お餅を「お年玉」だと言ってあげてしまうと、子供から大ブーイングをされてしまうので、注意しましょう。
なぜおせち料理を食べるようになったのか?
正月の風習であり、日本の伝統的な食文化のひとつとして「おせち料理」があります。
「おせち料理」と呼ぶようになったのは、現代になってからであり、神様に食べ物をお供えし、これを下げて食べる食事のことを「 御節供」といい、これが略され「 御節」となり、今の呼び方となりました。なので、現代ではあまり馴染みがないですが、神様にお供えしたおさがりをいただく料理のことを「おせち料理」と、本来は呼びます。
「 御節供」の起源を辿ると、なんと弥生時代にまでさかのぼることができます。
弥生時代、渡来人によって、お米を作る技術が伝えられ、日本はたちまち狩猟採集社会から農耕社会へと変革を遂げます。また、この同時期に「 節」を季節の変わり目とする「暦」の風習も伝えられ、これらにより、節ごとに神様に収穫を感謝してお供えをする「節供《せちく》」という風習が広まるようになりました。
そこから時は経ち、奈良・平安時代になると、節供は宮中行事として執り行われるようになります。そして、宮廷において、節供は唐の暦法にもとづいた節目の日(節日)に邪気を祓い、不老長寿を願う儀式「 節会」となり、饗宴も催されるようになりました。この節会で振る舞われた料理のことを「 御節供」と呼ぶようになり、これが「おせち料理」の由来となりました。
「おせち料理」には、1年の幸せを祈るための縁起物が、これでもかと詰められています。
あくまで一部ですが、料理に込められている縁起には、以下のようなものがあります。
黒豆:まめ(まじめ)に働き、まめ(健康)に暮らせるように。
昆布巻き:よろ”こぶ”。漢字を当てると"子生"となり、子孫繁栄。巻物の形にすることで、学業成就。
田作り:別名ごまめといい、漢字で「五万米」と書くことから、五穀豊穣。
こうした縁起を知った上で、おせち料理をいただくと、また違った味わいで楽しめるかもしれません。
おわりに
今回は、『正月』について、書いていきました。
実は、年末にこの記事を書きあげ、元旦は実家でおせち料理をいただきながら、過ごしていましたが、いつもとは違った正月を過ごせたなと感じました。
あと、「歳神様」がスサノオの子であったのは、正直、驚きでした。
しかもオオトシノカミについては、スサノオの記事ですでに書いていたので、まさかここがリンクするとは…!という思いにもなりました。
※サイコパス神とか言うてますが、スサノオ自体は好きなのですよ。
このようにリンクすることが、たびたび起こるのですが、これは歴史を深堀りする楽しさであり、ここまで読んでくれる皆様にも感じてほしいポイントであると思っております。
今年も、この歴史上の人物や神話などをベースに、このような記事を書いていく予定ですので、是非フォローなどしてもらえるとありがたいです!
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。
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