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【オオクニヌシ】最大のピンチ!天つ神最強の刺客を送られとうとう国を譲ってしまった話【日本神話】

どーも、たかしーのです。

今回も、前回に引き続き、日本の神話に登場する『オオクニヌシ』について、書いていきたいと思います!

前回までのお話

今回は、今までやってきた神様をはるかに超える天つ神最強の刺客が登場します!


大国主の国譲り 後編

※今回も「古事記」をベースに書いていきます。

前回、高天原(天上界)に君臨する天つ神アマテラスが、オオクニヌシから葦原中国(地上界)を譲ってもらうべく、その刺客として、アメノホヒアメノワカヒコといった神様を向かわせましたが、いずれも失敗。

この事態にあせったアマテラス率いる高天原は、ついにトンデモナイ神様を派遣することとなります。

最強の刺客 タケミカヅチ

いったい、どの神を向かわせばよいか….。
2度の失敗により困ったアマテラスは、また会議を開き、高天原に住む八百万の神々に、今度はどの神を派遣すべきかを尋ねます。

2度の失敗に困るアマテラス(wikipedia)

すると、高天原のブレインであるオモヒカネを始め、八百万の神々は、こう答えます。

オモヒカネほか「イツノオハバリ(伊都尾羽張)か、その子どものタケミカヅチ(建御雷之男神)がええんちゃう?」

そうと決まったので、許可をもらうべく、早速使者を向かわせますが、その頃、イツノオハバリはというと、高天原にある天安河(あめのやすのかわ)という川の水を塞(せ)き上げて道を塞(ふさ)ぐという謎の行動をとっていました。

この川の水で塞がれた道を渡れるのは、アメノカク(天迦久神)という神しかいなかったので(足が長かったのかな?)、この神がイツノオハバリのもとへと向かい、推薦されたことを伝えると…

イツノオハバリ「いやーおおきに。もちろんええで。ただ行くのは、ワイやなく、ワイの子供のタケミカヅチのほうがええで!」

と答えたので、これにより、次なる刺客として、タケミカヅチが向かうこととなりました。

タケミカヅチ(wikipedia)

しかしながら、このタケミカヅチ。
あとのエピソードでわかると思いますが、高天原から送られた最強の刺客だったのです…!

完全にビビるオオクニヌシ

最高神アマテラスから命を受けたタケミカヅチは、アメノトリフネ(天鳥船神)という船の神様とともに、葦原中国に降臨。
出雲国の伊那佐の浜(現在の稲佐の浜)という場所に降り立ちました。

現在の伊那佐の浜(稲佐の浜)島根県出雲市大社町にある砂浜にある
by Qurren(wikipedia

そして、オオクニヌシを前にすると、自身が持つ十拳剣(とつかのつるぎ)を抜いては、逆さまに立て、その刃先にあぐらをかいて座ってから、こう告げました。(どういうこと?)
※十拳剣・・・握り拳10個分の長さの剣という意味をもつ剣のこと

タケミカヅチ「我が名は天つ神タケミカヅチ。アマテラス様の命をうけてここに来た…。アマテラス様は、お前が我が物としている葦原中国を我が子が治めるべきだとおっしゃってるんだが、お前はどう思う?」

そうサイコパスな格好で脅されたオオクニヌシは、国を譲るのはイヤだが、たいそうビビってしまい、タケミカヅチにこう答えます。

タケミカヅチに完全にビビっってしまったオオクニヌシ

オオクニヌシ「あ....(汗)。じゃあ…。ワイだけじゃ決められないから、ワイの息子のヤヘコトシロヌシ(八重言代主神)に聞いてもらえまへんか?」

と、息子に返事を任せることにしました。(おい逃げたぞ、オオクニヌシ…)

たらい回されるタケミカヅチ

一方その頃、国譲りの命運を託されたヤヘコトシロヌシは、かつてオオクニヌシがスクナビコナと出会った美保崎で漁をしていました

そこにタケミカヅチが訪ねて、オオクニヌシと同じようにヤヘコトシロヌシへ国を譲らないか、と問います。

すると、ヤヘコトシロヌシは、ひとこと。

ヤヘコトシロヌシ「ええで」

と、あっさり承諾してしまいました。(えええええええええ)

そして、そう伝えてすぐ、ヤヘコトシロヌシは、乗っていた船を逆さにして、その中へと隠れてしまいました。(おい隠れたぞ、ヤヘコトシロヌシ…)

これを聞いたタケミカヅチは、すぐさまオオクニヌシのもとへと戻り、再度、国を譲らないかと問いかけます。

すると、今度は…

オオクニヌシ「あっ.…あ….(汗)。じゃあ…。ワイのもう一人の息子タケミナカタ(建御名方)に聞いてもらえまへんか?」

タケミナカタは、速攻で隠れたヤヘコトシロヌシの弟にあたる神様。
オオクニヌシは、違う息子に決めてもらおうとしたのです。(卑怯だぞ、オオクニヌシ…)

タケミカヅチ VS タケミナカタ

すると、ちょうどいいタイミングでタケミナカタが千引石(ちびきのいわ)を持ち上げながら、2柱のもとへとやってきました。
千引石とは、千人もの大勢の力を必要とするような巨大な岩のこと。
つまり、パワー系の神様であることが、この描写からわかります。

千引石を持ち上げるタケミナカタ(wikipedia)

で、この国譲りの話を聞いたタケミナカタは…

タケミナカタ「やいやい、お前がこの国に言いがかりをつけてきた天つ神か!この俺と腕っぷしで勝負や!

と言い放ち、タケミカヅチと力比べをすることとなりました。

しかしながら、タケミカヅチは残念なことにチート系の神様であったので、タケミナカタがタケミカヅチの手をつかむと、タケミカヅチはたちまち手をつららに変え、さらには剣に変化させてしまいます。

また、このチート能力を恐れて下がったタケミナカタの手を、今度はタケミカヅチがつかみ、若い葦(あし)を摘むかのように握りつぶして、タケミナカタを放り投げてしまったのです。(これはチートすぎる…)

これにヤバイと思ったタケミナカタは、逃亡。
しかしながら、逃がすまいと『逃走中』のハンターのごとく、タケミカヅチは後を追いかけ、結果、科野国(しなののくに/現在の長野県と岐阜県中津川市の一部信濃国とも書く)の州羽海(すわのうみ/現在の諏訪湖)まで追い詰め、タケミナカタの息の根を止めようとしました。

州羽海(現在の諏訪湖)by abe(wikipedia

これでさすがに力比べで負けを認めたタケミナカタは、

タケミナカタ「すまん、ワイが悪かった…。頼むから、殺さんといてくれ!ワイはこの地から一歩も出ないし、ワイの父(オオクニヌシ)や兄(ヤヘコトシロヌシ)の言葉にも従う…!この国を天つ神に献上します!!!

と、タケミカヅチに降参することとなりました。

オオクニヌシ「国を譲りましょう。その代わり…」

タケミナカタを降伏させたタケミカヅチは、再び意見を聞くため、オオクニヌシのもとを3度訪ねて、問います。

すると、オオクニヌシも…

オオクニヌシ「二人の息子が天つ神に従うというなら、ワイもこの国を天つ神に差し上げます。」

と、ついに国譲りを承諾します。(決断を先延ばししていただけなんだよなぁ…)

しかしながら、続けて…

オオクニヌシ「ただし、ひとつだけ条件があります。ワイの住む所として、天つ神の方々には、天つ神の御子が住むのと同じくらい大きな宮殿を建ててくれまへんか?

と、条件として大きな宮殿を建てるよう、交換条件を出しました。

ちなみに、なぜここまで大きな宮殿が必要かというと、オオクニヌシはモテ神様であるため、婚姻関係を結んだ女神の数は6柱もうけた子供の数は180柱以上であることから、これら家族が住む場所として要求したものと考えられます。

また、以前のエピソードで、義理の父であるスサノオからスセリビメと根の国を去る際に「立派な宮殿を建てて住め!」とも告げられているので、スサノオの言いつけを守ったという説もあります。

↓そのエピソードがこちら。

理由はいずれにせよ、この条件をのんだ天つ神は、出雲国にある多芸志(たぎし)の浜に、要件どおりの大きな宮殿「天之御舎(あめのみあらか)」を造ってあげました。

ちなみに、このとき建てられた宮殿が…

出雲大社 本殿

あの出雲大社の起源であると伝えられています。

ですが、当時に建てられた宮殿は、今の出雲大社のような社屋ではなく…

古代の出雲大社本殿を復元したイメージ(季刊大林

こんな感じだったとか。(デカイ…)
出雲大社の社伝によれば、本殿の高さは現在の4倍(約96m)もあったそうで、これは高層ビルで例えると30階建てに相当するそうです。

相関図にしてみた

今回で「古事記」のオオクニヌシ編が終了となるので、これまで登場した神様との相関図を描いてみました。

これまでのオオクニヌシが登場する話を、相関図を見ながら読んでいただけるとわかりやすいかもしれません。

おわりに

出雲大社 神楽殿

今回も「古事記」上巻に記述されている『オオクニヌシ』の話の中から、「大国主の国譲り」について書いていきました。

これでオオクニヌシの話は終わりますが…

因幡の白兎の石像
オオクニヌシが幸魂奇魂(=オオモノヌシ)を授かるシーンを再現した銅像

出雲大社に行けば、オオクニヌシにゆかりのある神様やシーンにも出会うことができるので、もし興味が出てきたという方は、是非足を運んで、日本神話の世界を自身の目で肌で感じとってみてはいかがでしょうか。
※私は2度ほどお参りに行ってきたことがありますが、この話を読んで、改めてまた訪れたいなと思いました!

他にも、歴史上の人物神話などをベースに、記事を書いていく予定ですので、是非フォローなどしてもらえるとありがたいです!

それでは!


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