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マーケティングのベネフィットとは?

当たり前なのに見逃しがちな【ベネフィット】

ベネフィット、日本語にすると「利益」。マーケティングで最も大切な一つがこの「ベネフィット」です。
マーケターはもちろん、建築士でも営業でもMRでもSEでも、【仕事】をするということは、ターゲット、クライアントにとっての【ベネフィット】を提供するということです。

ここまでまとめると、
仕事=ターゲット・クライアントにとってのベネフィットの提供


そんなの当たり前やんって思うかもしれませんが、このベネフィットをちゃんと理解してマーケティングや仕事を進めるのって難しいんです。
仕事をしていると、少しずつ少しずつ大切な相手が見えなくなって、
いつの間にか「自分ができること」「自分が作りたいもの」を提供してしまうという現象が生まれるのです。
それは最悪の場合、「ベネフィットがない状態」で仕事をしていることになります。

これをわかりやすく説明しているのが次の本です。
僕は難しい本があまり好きではないので、マーケティングの勉強を始めた時色々な難しい本を読んでは「何言うてんのかわからへん」と途中で読むのをやめていましたが、この本はすんなり読むことができました。

マーケティングの勉強をしたい!という友達や職場の後輩に最初にお勧めしているのが下記の本です。(マーケの仕事をしている人はほとんどの人が知っているかもしれません)

ドリルを売るには穴を売れ | 佐藤 義典, 佐藤 義典 |本 | 通販 | Amazon

この本ではタイトルに「ベネフィット」にとって大切なことが記されています。このタイトルで言いたいのは、
例えばホームセンターでドリルを買う人がいるとします。
その人って「ドリルが欲しいから、ドリルを買っているのか?」」という問いです。
正解は、×
ここまで来たらわかると思うのですが、
正解は「穴をあけたい」ということです。
穴を簡単にあける=ベネフィット となり、それを容易にするため(達成できるようにするため)に「ドリル」というものを誰かが最初に考えたのでしょう。それにお金を払っているという構図です。
ではドリルはどういう定義ができるのかというと、「手段」となります。
ドリル=穴をあけるための手段
ということは、ドリルよりももっと簡単に、便利に穴をあけることができる手段があれば、クライアント・ターゲットはそっちにお金を払うでしょう。

【ベネフィット】は見失いがち

僕の経験上、業務を進める中で【ベネフィット】は見失いがち、もしくは最初から規定されていない、というパターンが多いです。

ドリルの例だとわかりにくいので、自動お掃除ロボット(ルンバとか)の例を見てみます。
先ほど話した通り、ドリルは穴を空ける手段であり、決してベネフィットではないんです(ここが重要!)
同様に、自動お掃除ロボットはその名の通り、【人間がやらずに部屋がきれいになる】ことがベネフィットです。

ルンバがおそらく現在もシェアがトップで、それはおそらく世の中に最初に出した(もしくは、世の中に最初に認知された)からだと思います。
それを見て家電各社は「うちも作らんかい!!!」と意気込んで追従したのでしょう。

ここでだいたい問題が発生します。

各家電メーカーは【差別化】を考えます。そうでないと、ルンバには勝てないからです。その差別化のやり方に問題が出てきます。
各競合メーカーは極端にいうと(そうでない場合もあるのでそこは容赦ください!)、【それっぽい謎の機能をつけることで差別化】を図ることが多いんです。

A社・・・・・カメラが搭載されていて外出先から見守れます
B社・・・・・360センサーがついている
C社・・・・・吸引力強め
などなど。

悪くはないんですが、これが問題なんです。

そもそもベネフィットは【人間がやらずに部屋がきれいになる】だったはずです。
それ以外のことをターゲット・クライアントが求めていたわけではないんです。
でも無理矢理差別化を図るために、各メーカーが自分たちの得意なアイテムを無理矢理付加させて、それっぽくしている。
そう、ベネフィットは無視して、手段をどんどん変更しているだけなんです。その手段がベネフィットには直結していないことが問題なんです。

こうやっているうちに、「え?いる??」みたいな機能が追加され、値段もあがり、結局売れない。

僕が様々なマーケティングの経験上、もしくは建築設計の経験上、見てきたことです。
こういったことを踏まえても、様々な人がマーケティングのことを学ぶ意味は大きいのではないかと思います。

今日はここまでです。

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