人の心は「懐かしさ」と「喜び」で出来ている
『数学する人生』(岡潔、森田真生編)から「懐かしさと喜び」という話を紹介します。
数学の教員として教壇に立っていた岡さんは講義の最後に学生に作文を依頼していたそうです。「来る日も来る日も生き甲斐が感じられない」と、学生はみな口々に声を揃えていた。痛烈な問題意識が芽生えた岡さんはその問題の根源が唯物主義、個人主義であり、それらが心の濁りをもたらしていることを見出します。魚が水の中に住むように人は心の中に住んでいるからこそ、心が濁れば人は生きることが辛くなってしまう。そのように