【大人の童話】木守り(きまもり)
ボクはカラスという生き物らしい。良くは知らないが、人間がそう呼んでいる。大雑把には、あまり好ましい生き物だとは思われていないようだ。自分としては、まんまるいオツムの、利発で可愛らしい生き物だと思うのだが――。
先だっても、公園を通りかかった人間の親子づれが、木の上で遊んでいるボクたちを見つけて、子供に向かってこう言ってたっけ。
「おっかないから、カラスがいない所で遊ばうね」
ボクらのことが嫌いなのは、大人だって同じだろ。
「カラスと目が合っちゃった!朝っぱらからなんて縁起が