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ダンサーがつまずく盆踊りの意外なポイント3選

こんにちは!
高尾山に登るの大好きな
ダンサーの高尾可奈子です!


今回は、私が盆踊りを始めて1ヶ月の間に、
ここ難しい!!できない!!!!と
壁にぶつかったところを、3つ公開します!

①足について
②手について
③精神について


まるで心・技・体みたいですが、
クラシック系のダンサーとしての視点で
盆踊りの難しさについて、
お話ししようと思います。


それでは、早速いきましょう!




新宿中央公園盆踊り会場







【盆踊りつまずきポイント1】

内股?これが続かない!


浴衣や着物などの和服を着た舞踊の場合、
美しくみせるため、また着崩れしないために
女性は内股での動きが基本です。
膝を合わせることによって、
真っ直ぐな身体のシルエットも、女性らしい曲線的なシルエットに変わるんです。


しかし、クラシック系ダンスの代表バレエは
ひたすら、ただひたすらに外股!!



5歳からジャズを踊り始めて
一時期は、週に5日クラシックバレエの基礎訓練を受けていた私にとって、
内股の姿勢で踊るという概念はなかった。

そのため、意識していても気づくとつい
脚がターンアウトしている!!
ではないですか、、
(ターンアウトとは、バレエの基本姿勢。
股関節を大きく外旋させて、それに従って、
太もも、膝、足先も外に向けることです。)


調べたところ、どうやら歌舞伎の女形の方は内股に見えつつも、膝は外を向いていて、
筋肉を絞り上げて股関節は外旋している??
という記事を見かけ、さらに謎は深まる。



ターンアウトによって、ふらつかずに踊りを安定させていたのが、使えないとなると
もうふらふらになります(笑)


日本舞踊では、姿勢こそが最も基本で、
そして究極のところなようで、、


踊り手の方を見ていても、足先が外に向いている人はいない!
バレエが染み付いた人にとっては、足先の向きが内側を向くことは厳禁ですから、
盆踊りも踊らないのか?
もしくは幼少期から舞踊を習っていて、
他のダンスと使い分けができるのか?


さらには、膝の使い方も真逆!
バレエでは膝を曲げるのは厳禁!
あくまでも伸ばして張って身体を天に近づけるために曲げる準備をするためだけに使います。
盆踊りは、基本膝を曲げてくっつけておくのが、美しい。正反対の考え方、動作なんです。


どうやら研究が必要ですね!



ちなみに、私は一時期劇団の研究生で、
身体訓練法という歌舞伎の動きをベースにした芝居の訓練を行っていました。
稽古内容のひとつに、足袋を履いて
すり足の練習があったので、
たまに出ちゃいます、、
盆踊りは、すり足ではないので、注意が必要ですね。




下篠崎町盆踊り会場



【盆踊りつまずきポイント2】

なんだ?この手の形は!


一通り振り付けを覚えて、
さあブラッシュアップしよう!
と意気込んだ頃、壁にぶつかりました。


そう。手の形が不思議で馴染みなく、
なかなか読み取れないのです。


ジャズやバレエには、基本の手の形があります。それは、脇を卵ひとつ分開けた状態で、肘を張りつつ両腕で大きな円をつくる。そして手のひらと指先は、丸い水晶玉を下から優しく包むような形にします。5本指はそれぞれ別の向きにバラバラに伸ばします。
ミュージカルでは、手を指先までパアッと広げるポーズが定番です。
文章で書くと分かりにくいので、是非検索してみてくださいね。


一方、盆踊りの手の形は、
指をぴたりと揃えて離さない!
そして、ポーズの最後には手首を反らせる動作をするんです!

この指先の形が、日本的な舞踊の美学なのでしょうか。かなり特徴的です。

考えてみると、フラメンコなどは手首を90度くらい倒してポーズを取るような動作のイメージが勝手にですがあります。


慣れるまで、こちらも時間がかかりそう、、



そしてもうひとつ。
盆踊りの手の全体の動作は、キレがなくてずっと流動的なのに、美しいのです。


ジャズダンスは、動きのメリハリ、
動作の緩急で躍動感を感じさせることが
ダンスを魅せる大きなポイントです。
私も、何年もいかにキレを出せるかに
全力を注いできました(笑)

けれども、盆踊りにはキレは必要不可欠ではない!体幹の強さは必要でも、たとえ身体の内側はがっつり筋肉を使っていても、水に浮く白鳥のように、余裕感や優雅さのみを見せるようにする。
なんとも奥が深いのです。

YouTubeではキレキレで踊る踊りの先生?の動画が人気だったりもしていますし、
色んな人から人へ伝わって自然淘汰され洗練されてきた踊りの歴史を考えても、
グローバル化した身体の日本人が、
盆踊りに求めたり表現するものも変わっていくかもしれませんね!


まずは、基本の動作を覚えて、慣れない動きも楽しみたいと思います。



巣鴨駅前特設会場にて



【盆踊りつまずきポイント3】

アドリブ一切なし!細やかすぎる振り付け!


これは、
教えてもらうまで気づかなかったポイント。

盆踊りは、手の平から先の形だけで
何種類もあって全て名前がついていること!

思っているより何倍も細かく
動作の形に意味や決まりがついていること!



じっくり観察していても、なかなか分からなかった事実です。


これを言い換えるならば、
遊びなしの真剣勝負ダンス!

自由参加歓迎の開かれたイメージがあるので、とても意外に思いました。


細かい決まりがついているということは、
芸術性が高くなる一方で、
厳密で自由な動きが少ないということ。
アドリブはなし、なのです。


確かに、色んな盆踊りサイトでも、
盆踊りではお手本通りに真似をして動くので
基本的には違う動きをすることはない。
と説明されています。


そもそも、盆踊りのはじめの目的は、帰ってきたご先祖さまの霊を、踊りのエネルギーで沈めること。
バラバラではなく、より皆が同じ方向を向いて踊ることで、エネルギーは強力になりますから、あくまで私なりの考えですが少し納得です。


ジャズダンスでは、もちろんダンス大会など、集団がいかに揃ったダンスができるかを求められるシーンもありますが、いかに伸び伸びと表現できるかというのも重要視されます。

曲の振り付けをもらうときにも、
「曲のここの○カウントは自由ね!」
と言われることが多いんです!

自由に振りをつくることもあれば、
本番のその瞬間にアドリブしたり、
各自バラバラのキメポーズをとったり、
多様なスタイルや形が合わさるのが
かっこ良さや楽しみのひとつです。


だから、盆踊りを踊ると
どうしても癖が出てしまう!(笑)



正しい動作を身に付けた上で、溢れでてしまう素敵なものがある踊り。
そんなところを目指していきたいですね。



入船の路上特設会場





最後まで読んでくれて、
ありがとうございます!


西洋のクラシック系ダンスを20年近く続けている私だからこその目線で、かなり偏りのある盆踊りの難しいポイントを伝えていきましたが、いかがでしたでしょうか?


是非、次に踊りに行ったときに、
見つけてもらえると嬉しいです。



それでは、これからの記事もお楽しみに、、

高尾可奈子でした!


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