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コロナの影響で半数の学生が留学をキャンセル:ケンブリッジ留学 開始前04

これまでの記事では、留学先で履修予定のコース概要と、そのコースが提供される背景にある2つの留学生ギャップ:英語力と研究力に関わる学習スタイルについてそれぞれ紹介しました。

シリーズ内容の紹介
2020年10月からケンブリッジ大学へ留学することになりました。将来留学したい人や今まさに留学を考えている人に向けて、情報共有のために留学関連のエピソードを記録しておこうと思います。こちらのマガジン上で集約予定です。何か知りたいことなどがあれば気軽にリクエストして下さい。

今回の記事では、実際にどんなコースを履修しているかについて簡単な紹介と、イギリスに到着して数日後にわかった「コロナの影響」について簡単に紹介したいと思います。

9ヶ月のコース:研究力と英語力の向上が目的

僕が履修するコース「International Pre-Master's Programme」では、これまでの記事で紹介した留学生が抱えるギャップ解消を目的としているため、主に英語力と研究スキルを高めるためのクラスで構成されています。

具体的には、1年間のうち3分の2(80単位)は研究手法を学ぶクラス、残りの3分の1(40単位)は英語のクラスとなっています。研究2:英語1の割合ですね。ちなみに、ほぼネイティブ・レベルを目指して英語クラスが展開されるため、既にIELTS7.5以上 / TOEFL110以上の学生はこのコースは履修しないようにと注意書きがあります。

このコースにはビジネス・マネジメント専攻とエンジニアリング専攻の2つが用意されています。僕はビジネス・マネジメント専攻所属となります。

事前の案内では、「各専攻ごとに15-20人ぐらい、合計30-40人ぐらいの学生が参加予定だ」と聞いていたので、どんなメンバーと一緒に研究や勉強ができるのかとても楽しみにしていました。

が、コロナの影響で約半分の学生が留学をキャンセル

羽田空港からイギリスのヒースロー空港に到着したのは2020年9月28日の夕方4時頃でした。大学の学生寮に着いたのは夜8時前ぐらいでしたが、予想通り時差ボケが激しく、部屋に入るなりすぐに眠りにつきました。

数日ほどはオンラインでの学生情報の登録や荷物の整理、生活用品の買い物などをしていましたが、9月30日にコースの運営責任者から、一斉送信でメールが来ました。

そこにはこんなことが書いてありました。

世界的な移動制限とCovid-19に対する不安のために、多くの学生がイギリスまで来るのは難しいと感じています。 人数不足によって上質な学習経験の確保が難しくなったため、エンジニアリング専攻トラックは開講されないこととなりました。

本来であれば、ビジネス・マネジメント専攻とエンジニアリング専攻で計22人が参加予定でしたが、コロナの影響でフタを開ければ残ったのは10人。中国出身が8人、オランダが1人、日本人の僕が1人という構成です。

中国人が多いのは、国としての成長が大きいのだろうなと思いました。戦後しばらくして、多くの日本人が海外のトップスクールへ留学したのと同じような感じでしょうかね。

ちなみに、授業が始まってからさらに2人の学生(モロッコと中国出身)が遅れてコースに参加し、現在12人でコースの授業を受けているところです。

人数が少ないことによるメリットとデメリット

人数が大幅に減ると聞いたとき、コースを履修する側としては「密度の高いコミュニケーションが期待できる」と感じました。これは同じコースに所属している学生も同じ感覚だったようで「より細やかなサポートを受けられる。私たちはラッキーだ!」と冗談交じりに言ってました。

一方、運営側の立場に立つと、予定よりも半分ほどのコース費用しか入らないことになり、コースの収支を合わせるのが難しいだろうなとも思いました。

以前、コロナとビジネス・スクール運営の関係について書いた以下の記事でも触れましたが、コロナを理由に留学を延期したりキャンセルする学生は少なくありません。

授業は対面:オンライン=9:1

コースによっては履修人数が100人規模の場合もあり、そういったコースはすべてオンライン授業となっています。幸い、僕のコースは12人と少人数のため、授業時間のうち9は対面、1はオンラインと基本対面授業になってます。

ただ、2mのソーシャル・ディスタンスを確保するため、シアター形式なら100人は座って入れるようなスペースに、お互い話しかけるのがちょっと不自然なくらいの距離を開けて12人が席に座っています。

講師も学生も最初はお互い「変な感じだね」と言い合ってましたが、慣れてしまえばそれが当たり前となり、今や普通に授業が進んでいます。

長くなってきたので、授業の具体的な内容などは次回以降の記事でお伝えできればと思います。

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柏野尊徳(Twitter @takanorikashino

*Eyecatch photo: @Cambridge_ICE

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