石井 孝法

大学の教員を辞めて,「和」のまちづくりを目指す.この「和」は孔子のいう「和」のこと.日…

石井 孝法

大学の教員を辞めて,「和」のまちづくりを目指す.この「和」は孔子のいう「和」のこと.日本の身体教育とインテリジェンス活動を長期的な視点でを改革してやろうと企んでいるニートおじさん.

マガジン

  • 青年修養訓を読む

    「広義の道徳上から今日の青年に特に必要なる教訓」を嘉納治五郎がまとめた「青年修養訓」を現代人向けに通訳したものです.「青年処世訓」は刊行されなかったので,すべてを網羅できているかはわかりません.自身の勉強のために,頑張ります.

  • サルでもわかる「柔道の長期育成指針」

    全柔連が策定した「長期育成指針」をできる限りわかりやすく説明する.

  • JFAの「Japan's Way」を批判する

    JFAの作成した「ナショナル・フットボール・フィロソフィーとしてのJapan's Way」を批判します.批判的思考のトレーニングです.

最近の記事

第八 身体の強健

この章は,健康で強壮な身体の重要性について述べられている.先にまとめる. 第八の嘉納の主張まとめ 身体は自分のものであるけれども,父母からいただいたものだから,大切にしよう. 大切にすることはもちろんだが,さらに強健にすることが大事である. 強健にすること(健康・強壮であること)は,強い子孫を残すこと,重要で価値が非常に高い事業を成し遂げること,国家にも良い影響を与えること(科学や工芸の発展に寄与し他国をリードすること.自衛力を増進することなど)から,尊重に値する.

    • 石井の頭の中の「革新的」な目的地

      前書き先日,全柔連に新しく設置された革新的パスウェイ特別委員会の第一回の会議が行われた.僕にとって初の委員長であり,委員長としての初仕事である.現在(記載時点),強化委員会,総務委員会,指導者養成委員会,ブランディング戦略推進特別委員会(2023年末で発展的解消)などの委員なので,「もうできないよ」と思ってたが,すべての委員を石井が決められるという条件を聞いて引き受けた.なので,選任された委員の皆さんは,このようなチャンスが来るまで僕の中で温存していた最終兵器*である.これで

      有料
      3,000〜
      割引あり
      • 理論知と実践知の統合に思うこと

        ある先輩が,少し前にSNSで「コーチング学会の理事がエッセイを書いてるので読んで」というような投稿をあげていたので,ざっと読んでみました. コーチング学会理事のエッセイ 理事の先生方はさすがで,学会の狙いやテーマを抑えつつ,自分の伝えたいことを記載してます. 主な狙いやテーマは ・研究と現場の架け橋 ・理論知と実践知の統合 でしょう. パッとみると同じように見えますが私は似て非なるものと捉えてます. 個人的には架け橋はできても統合はできないと思ってます.というより統

        • 本物は消し忘れのタバコをそっと消す

          昨日,「長期育成指針作成の裏話と感謝」という形で記録を残した. ただ,2年間の長期育成指針の作成のすべてに携わって,さらに僕を支え続けた方の名前を書かなかった.それは,その方の哲学があるかもしれないと思ったから.でも,やっぱり書く. 本物は人知れず「何もない」を生み出している火事の中,取り残された子どもを助けた人. 蓋があいていたマンホールに落ちた人を救出した人. 線路に飛び込んだ人を救出した人. 彼らは「ヒーローだ!」と称賛される. 危機が起こってしまった(クライシス|

        第八 身体の強健

        マガジン

        • 青年修養訓を読む
          9本
        • サルでもわかる「柔道の長期育成指針」
          0本
        • JFAの「Japan's Way」を批判する
          3本

        記事

          長期育成指針作成の裏話と感謝

          「怒りたくなるのもよくわかる」と言ってほしい笑2021年9月16日にブランディング戦略推進特別委員会が設置されました. その後,「石井キレまくってるやん」と思った方もいると思いますが,「怒りたくなるのもよくわかる」と言ってほしいです. まずはキレている(ふりをしている)投稿を. そもそも2020東京オリンピックに向けてどんな想いでやってきたのか.どれだけのものを犠牲にしてきたのか.これを知ってもらわないといけないです.正直,精神を擦り削りすぎて疲れ果てていました. 切腹す

          長期育成指針作成の裏話と感謝

          2022年1月17日の気持ち|facebookから転載

          僕は,全柔連強化委員会に設置されている科学研究部で16年以上活動をしてきた(もちろん,所属の仕事をしながら).重複するが,科学研究部は強化委員会に設置されているので,オリンピックで世界一の成果を上げるという目的を持っている.世界をリードするため,国際情報の収集(海外チームの強化計画とかパフォーマンス研究とか)はもちろん,オープンソースにない情報も収集したし,自分たちで情報を生み出すこともやってきた.パフォーマンス・スポーツでは,「目的=勝利」が大原則なので,それを追求しなけれ

          2022年1月17日の気持ち|facebookから転載

          2022年2月3日の気持ち|facebookから転載

          透明性の時代ですね.これがアンサーになるかはわかりませんが,個人的な見解を書きたいと思います.現時点で,肩書きを外すことはできませんので,どの立場で言っているんだと思われる方もいるかもしれませんが,石井孝法として記します.冷静に読んでいただきたいです. 私のことをよく知っている方々は,私の信念を知ってますので,「これまで,散々こき使われてきて,足蹴にされて,まだ,連盟に搾取されてるのか」と思われている方もいますし,「石井の信念のままやってほしいから,連盟の仕事を辞めてほしい

          2022年2月3日の気持ち|facebookから転載

          2021年8月8日の気持ち|facebookから転載

          私のオリンピックが終わりました. 新型コロナウイルス感染症が収束していない中,このようにオリンピックを開催していただけたことに感謝します. 選手は勝っても負けても,これまで積み重ねてきたことを表現する場があって本当によかったと思います. 人生で一番輝ける場でしたので. さて,私自身は,評価される側の人間なので,ここで評価をすることはありません.評論家でもないので. 先に,空手道に関して,このような結果になり本当に申し訳ありませんでした.意思決定に関わる部分では,まったく力が

          2021年8月8日の気持ち|facebookから転載

          一度愛した女をなぜ二度愛せないのか

          昨日,頭をフル回転させて考えたことである. 「石井,頭がおかしくなったか」と思うかもしれないが,これが僕の思考の整理法である.といっても理解されないので,僕の頭はいつもおかしい. 説明を書くと,野暮ったいが,説明しないと理解されないので,少し書く. 僕は,選手とコーチが化学反応を起こすような媒介者でなければならない.僕の考えている僕の仕事は,世界をみても当てはまる役職名がない.科学者でもないしマネジャーでもないしパフォーマンスディレクターでもない.でも,やろうとしていること

          一度愛した女をなぜ二度愛せないのか

          スローガンみたいなもの

          チームスローガンと言われるものは,ミッション・ビジョン・バリューのうち,バリューと一致していると現実的によいことが多い. このスローガンが,チームの行動指針として機能し,監督・コーチ・スタッフが自身を省察する際の軸にもなる.日本柔道は,男子が「明るく楽しく生き生きと」,女子が「準備力」である. この「準備力」は,世界一であり続けることを考えると一般の方にも理解できるだろう.増地監督がよくいう「人事を尽くして天命を待つ」.これは偶発的要素に悶々とするんじゃなく,自身のコントロー

          スローガンみたいなもの

          第七 偉人

          この章は,青年の修養にとって「偉人から学ぶ」ことが非常に重要であることが述べられている.また,その際の注意点も記載されている. で,まとめに入る前に,この章は嘉納治五郎大系でいうと8ページ程度であるが,情報量が多く,前提となる知識と経験がないと,正確に理解することはできない.咀嚼するのが大変だけど,頑張る. 第七の嘉納の主張まとめ 私たちがいる現在の文明は,偉人を離れて解釈することはできないし,彼らが人類に及ぼした影響は不滅不朽である. 古来の偉人が青少年の時にどのよう

          第七 偉人

          部活動の地域移行を考える

          (所属ブログからの転載です) 2016年くらいだったでしょうか. 「ブラック部活」という言葉が使われ出したのは… 2017年-2018年には大きく問題視され始めたと思います. で,政府も動き出して学校の働き方改革を踏まえた部活動の改革ということで部活動の地域移行が決まりました. 来年度(令和5年度)から3年間かけて段階的に移行していきます.ビジネスチャンスもあればいろんな人のいろんな目論見により,すでに,動き出している地域もあります.で,これが本当に様々な問題を解決するの

          部活動の地域移行を考える

          第六 成功の要道

          リオ五輪後に日本柔道の裏方にも光があたり,私は2017年から100を超える講演・講習の機会を得た.その講演の中で「私の考える世界をリードするために必要なこと」として,「批判的思考」×「対話」×「ホーリズム」×「敬意と信用」をあげて,なぜ必要なのかを説明している.これらは,どれか一つでも欠けると,うまくいかなくなってしまう.これらを機能させることで,世界をリードするためのマッピング(国際情勢の把握)と戦略のデザインができる.この章では,上記した「敬意と信用」の必要性が記載されて

          第六 成功の要道

          第五 遠大にして着実なる目的

          この章は「目的の立て方」についてである. さっそくまとめてみる. 第五の嘉納の主張まとめ 希望をエネルギーとする青年にとって目的の立て方はとても重要な問題である. 夢ばかり語って,雲をつかむような話をするものの欠点は,一歩一歩着実に進むような仕事を煩わしく思い,急いで慌てて行って仕損じることがある. 目先のことを志すものの欠点は,古い習慣に固執して,その場かぎりの行動をしてしまったり,小さなことに時間を掛けすぎることがある. 大切なことは,遠大にして着実な目的を立て

          第五 遠大にして着実なる目的

          「ナショナル・フットボール・フィロソフィーとしてのJapan's Way」を批判する(3)

          ここまで,読み手の足並みを揃えることを目的として,Japan's Wayとは何か?なぜJapan's Wayなのか?を批判してきた.プロローグの言葉の「曖昧さ(読み手の解釈の広さ)」と論理の流れの悪さで前提を揃えることができなかった.しかしながら,私は何を批判するにしても,壊すことを目的としない.改修型や修理型の批判として,土台から建て直すところ,もしくは壊れているところを修理するところまでをきちんと行いたいと思う(日本サッカー協会ではなく読み手の思考の建て直し).で,前回も

          「ナショナル・フットボール・フィロソフィーとしてのJapan's Way」を批判する(3)

          「ナショナル・フットボール・フィロソフィーとしてのJapan's Way」を批判する(2)

          前回の批判はウォーミングアップ…のつもりが心が折れてしまった(笑) 今回は,プロローグの「なぜJapan's Wayなのか?」と「フットボール・カルチャーの創造」を概観し,批判する.モデルの批判になるので,ここは重要だと思う.ここでは,前提となる情報を知っている方と知らない方で,私の批判の捉え方が変わってしまう.そうならないように,できるだけ丁寧に批判したい. と思っていたが,今回もそこまでたどり着かなかった.次回は,確実にモデルに触れるが,モデル批判を期待していた方の期待に

          「ナショナル・フットボール・フィロソフィーとしてのJapan's Way」を批判する(2)