石井 孝法

某大学の教員です.教員としてのキーワードは,柔道,コーチング,バイオメカニクスです. 日本柔道ナショナルチームをサポートして17年になります.現在のナショナルチームの役職はメンターです.メンターですが「参謀・軍師」をイメージしながら仕事をしております.

石井 孝法

某大学の教員です.教員としてのキーワードは,柔道,コーチング,バイオメカニクスです. 日本柔道ナショナルチームをサポートして17年になります.現在のナショナルチームの役職はメンターです.メンターですが「参謀・軍師」をイメージしながら仕事をしております.

    マガジン

    • 青年修養訓を読む

      「広義の道徳上から今日の青年に特に必要なる教訓」を嘉納治五郎がまとめた「青年修養訓」を現代人向けに通訳したものです.「青年処世訓」は刊行されなかったので,すべてを網羅できているかはわかりません.自身の勉強のために,頑張ります.

    • JFAの「Japan's Way」を批判する

      JFAの作成した「ナショナル・フットボール・フィロソフィーとしてのJapan's Way」を批判します.批判的思考のトレーニングです.

    最近の記事

    スローガンみたいなもの

    チームスローガンと言われるものは,ミッション・ビジョン・バリューのうち,バリューと一致していると現実的によいことが多い. このスローガンが,チームの行動指針として機能し,監督・コーチ・スタッフが自身を省察する際の軸にもなる.日本柔道は,男子が「明るく楽しく生き生きと」,女子が「準備力」である. この「準備力」は,世界一であり続けることを考えると一般の方にも理解できるだろう.増地監督がよくいう「人事を尽くして天命を待つ」.これは偶発的要素に悶々とするんじゃなく,自身のコントロー

      • 第七 偉人

        この章は,青年の修養にとって「偉人から学ぶ」ことが非常に重要であることが述べられている.また,その際の注意点も記載されている. で,まとめに入る前に,この章は嘉納治五郎大系でいうと8ページ程度であるが,情報量が多く,前提となる知識と経験がないと,正確に理解することはできない.咀嚼するのが大変だけど,頑張る. 第七の嘉納の主張まとめ 私たちがいる現在の文明は,偉人を離れて解釈することはできないし,彼らが人類に及ぼした影響は不滅不朽である. 古来の偉人が青少年の時にどのよう

        • 部活動の地域移行を考える

          (所属ブログからの転載です) 2016年くらいだったでしょうか. 「ブラック部活」という言葉が使われ出したのは… 2017年-2018年には大きく問題視され始めたと思います. で,政府も動き出して学校の働き方改革を踏まえた部活動の改革ということで部活動の地域移行が決まりました. 来年度(令和5年度)から3年間かけて段階的に移行していきます.ビジネスチャンスもあればいろんな人のいろんな目論見により,すでに,動き出している地域もあります.で,これが本当に様々な問題を解決するの

          • 第六 成功の要道

            リオ五輪後に日本柔道の裏方にも光があたり,私は2017年から100を超える講演・講習の機会を得た.その講演の中で「私の考える世界をリードするために必要なこと」として,「批判的思考」×「対話」×「ホーリズム」×「敬意と信用」をあげて,なぜ必要なのかを説明している.これらは,どれか一つでも欠けると,うまくいかなくなってしまう.これらを機能させることで,世界をリードするためのマッピング(国際情勢の把握)と戦略のデザインができる.この章では,上記した「敬意と信用」の必要性が記載されて

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          • 青年修養訓を読む
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            第五 遠大にして着実なる目的

            この章は「目的の立て方」についてである. さっそくまとめてみる. 第五の嘉納の主張まとめ 希望をエネルギーとする青年にとって目的の立て方はとても重要な問題である. 夢ばかり語って,雲をつかむような話をするものの欠点は,一歩一歩着実に進むような仕事を煩わしく思い,急いで慌てて行って仕損じることがある. 目先のことを志すものの欠点は,古い習慣に固執して,その場かぎりの行動をしてしまったり,小さなことに時間を掛けすぎることがある. 大切なことは,遠大にして着実な目的を立て

            「ナショナル・フットボール・フィロソフィーとしてのJapan's Way」を批判する(3)

            ここまで,読み手の足並みを揃えることを目的として,Japan's Wayとは何か?なぜJapan's Wayなのか?を批判してきた.プロローグの言葉の「曖昧さ(読み手の解釈の広さ)」と論理の流れの悪さで前提を揃えることができなかった.しかしながら,私は何を批判するにしても,壊すことを目的としない.改修型や修理型の批判として,土台から建て直すところ,もしくは壊れているところを修理するところまでをきちんと行いたいと思う(日本サッカー協会ではなく読み手の思考の建て直し).で,前回も

            「ナショナル・フットボール・フィロソフィーとしてのJapan's Way」を批判する(2)

            前回の批判はウォーミングアップ…のつもりが心が折れてしまった(笑) 今回は,プロローグの「なぜJapan's Wayなのか?」と「フットボール・カルチャーの創造」を概観し,批判する.モデルの批判になるので,ここは重要だと思う.ここでは,前提となる情報を知っている方と知らない方で,私の批判の捉え方が変わってしまう.そうならないように,できるだけ丁寧に批判したい. と思っていたが,今回もそこまでたどり着かなかった.次回は,確実にモデルに触れるが,モデル批判を期待していた方の期待に

            「ナショナル・フットボール・フィロソフィーとしてのJapan's Way」を批判する(1)

            ここでは,日本サッカー協会の策定した「ナショナル・フットボール・フィロソフィーとしてのJapan's Way」を勝手に批判し,考えるきっかけを勝手に作っていきたい.情報を読み解く力を高めるためにも,批判的思考(クリティカルシンキング)は非常に重要である. 批判とは,議論(結論,前提,推論)を明確にし妥当であるかを確認すること,ある意味を鵜呑みにせずによく吟味することをいう.否定とは違うので間違えないように. 「なぜJapan's Wayなのか?」を批判する まず,プロロー

            第四 精力の善養利用

            この章は,精力の「善養」についてである. 柔道家の多くは,「精力善用」は聞いたことがあると思う.「精力善用」を一言で説明すると"柔道の定義"である.嘉納治五郎の遺訓の冒頭部分 「柔道は心身の力を最も有効に使用する道である」 の標語化されたものをいう. さっそく,精力の善養利用をまとめてみる. 第四の嘉納の主張まとめ 生きている時間が同じでも成し遂げられるものに大きな差が生じるのは,生きている間に持っている精力(心身の活動力)の発揮運用に莫大な差があるからである. 精力の

            第三 立志 択道 竭力

            この章は,嘉納の言葉の中でも有名なものである.講道館のサイトでも文章を一部確認できる. 第三は,第二の「生れ甲斐のある人」になるために心を尽くすことは何かを説明している. 第三の嘉納の主張まとめ 立志・択道・竭力の三者が備ってはじめて,人生の目的を達成できる. 立志とは,「志を立てる」ことである(そのまま読んでよい).人生の各方面に各種の目的を立て,修養を積み,これらの部分的な目的を統合し,最高の目的を見出すことである.それぞれの目的が矛盾してはならない. 択道とは,

            第二 生れ甲斐ある人となれ(後編)

            なぜ,嘉納はセネカ(ストア哲学)を引用したのだろうか. この文章に似た文章は,他にもあっただろうに. 私は,そう考えてしまう.だから,勝手に読み解いてみる. ストア哲学は,ヘレニズム時代(BC500年くらいからBC27年)に隆盛を極めた4大学派の哲学の一つである.アカデメイア,リュケイオン,エピクロス派,そしてストア派である. エピクロスの快楽主義とストアの禁欲主義は聞いたことがあるかもしれない.ここでいう快楽は,美味しい飯や酒に心が奪われ,恋人に夢中になることではない.「

            第二 生れ甲斐ある人となれ(前編)

            第二はしっかり哲学する.だから難しい.引用される言葉の解釈が難しく,完璧に理解できていない.けど,頑張る. 第二の嘉納の主張まとめ 人として生まれたなら禽獣草木とは異なる「人」として生きよ 人として生きるというのは,天賦の能力を修養し運用すること 天賦の能力とは,天賦の本能とは違い,自己の取るべき目的を定め,工夫して手段を講じ,障壁を乗り越えて,目的を実現すること 人は社会から多大な恩恵を受けているので,報いるのは当たり前で,一層進んで社会の益になることを図るべきで

            第一 我が国の青年に告ぐ

            浅学非才の私にとって,青年修養訓は「第一」から文章が難しい.しかしながら,言いたいことは明確で,解釈が難しいわけではない.じっくり辞書を開きながら読めば,内容を理解することができる.嘉納が伝えたかったことを私が勝手にわかりやすく伝えてみたいと思う. 「第一 我が国の青年に告ぐ」の嘉納の主張は,現代の言葉でいうと,たぶん... 青年よ!気合いだ!気合いだ!気合いだ!気合いだ! これがわかりやすいと思う. 嘉納は,青年に対して「奮起」という言葉を何度も使っている. これが

            「柔道離れ」の原因を探る

            インテリジェンスはとっても高い(๑˙❥˙๑)言うと野暮ったい けど,言わないと誰もわからない.「認知できていないこと(自身の能力)を認知できない」というのが,ダニング・クルーガー効果の主の問題である.孔子はこれをいち早く認識し,「知っていることを知っていることとし,知らないことを知らないこととする.これを知るという」とダイナミクスで捉えている(安富,2012).知らないことを知りなさい(お前気付けよ)というのは酷な話であることを科学(KRUGERとDUNNING)が証明した

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