見出し画像

箱根駅伝真のグローバル化へ

私がGM(ゼネラルマネージャー)として在籍している関東学院大学陸上競技部では、今年度から、韓国籍の金泳勲選手をお迎えすることになりました。箱根駅伝においては、2006年に制定されたルール上、留学生枠の適用(エントリーは2人以内で、実際に走ることができるのは1人だけというルール)を受ける選手となります。

箱根駅伝に初めて留学生選手が登場したのは、第65回大会(1989年)で、山梨学院大学のメンバーとしてエントリーされたのが、ケニア出身のJ・オツオリ選手とK・イセナ選手でした。

その後、多くの留学生ランナーが箱根路を駆け抜け、数々の驚異的な記録を樹立してきたわけですが、その殆どが、ケニア・エチオピアを始めとする東アフリカ諸国の選手たちになります。

中でもケニア人選手が全体の大多数を占めていますが、その背景には、「エージェント」の存在がありますね。
※ここでご紹介するエージェントに関しては、世界陸連の公認エージェントとは、趣が異なりますので、ご承知おき下さい。

その草分け的存在が、ケニア在住の小林氏。
衝撃的な見出しですが、ケニアと日本の架け橋として、多くの留学生ランナーに夢と希望、豊かな生活をもたらしたことは間違いありません。

こうした留学生ランナーの起用に関しては、賛否両論ありますが、個人的には、以下の理由から、留学生ランナーの起用に関しては、賛成意見です。

・予選会の順位アップのため
昨年、仮に留学生ランナーを起用した場合、少なく見積もっても、総合タイムで5分、順位で3つの短縮が、可能になります。きれいごとを言っていても、結果が全ての世界。監督・コーチ・私は、一年一年の成績が問われる立場でもありますから、使える戦力があるのであれば、起用したいと思うのは当然の思いです。

・大学のグローバル化
社会のグローバル化が進む中、大学のグローバル化も加速の一途をたどっています。人材、物、情報に、国境は存在せず、世界を舞台に活躍できるグローバルリーダーが求められる時代です。そういった観点から、トップレベルの競技者と競えることは、日本人の競技者にとって、プラスになると思います。

・指導者として目指す目標から
私自身、もう一度、世界の舞台で戦いたいというマインドがあるので、トップクラスの選手のトレーニング、マネジメントに、日常的に触れて、自分自身のスキルを高めたいという思いがあります。

しかしながら、こうした競技力の高い留学生獲得は、いかんせん、獲得資金がないのが実情です・・・

いっぽう、留学生選手の起用に反対する意見も、10年前から、根強く残っていますね。

他競技においても

様々な問題があるのが現状です。

関東学院大学の場合、留学生に関しては、基本的に、日本語能力検定のN2に合格しないと、受験資格がないと伺っています。従って、陸上競技部の強化のために、留学生に入学して頂くためには、日本での学習意欲があり、日本語能力検定のN2に合格し、かつ足が速い選手を探さなければなりません。

これだけを聞いてしまうと、机上の空論のように聞こえてしまいますが、競技能力が高く、特定の国から留学生が来る=勝利至上主義だけではなく、競技力は低くても、日本で学びたいという意欲のある学生を、世界中の国々から受け入れることも、今後の箱根駅伝の発展には必要な要素ではないかと思うのです。

個人的に考えている施策、構想、妄想??を以下に纏めてみましたので、さらっとお読み頂けましたら幸いです。

①ベトナム視察
関東学院大学はベトナムとの間で積極的に国際交流を進めています
大学の動きに連動した形で、私も2018年にベトナムを訪問し、ベトナム陸連の副会長様にご挨拶させて頂きました。
現地では、競技会の視察も行い、じっくり選手の方の走りを拝見しました。
副会長様曰く、「今後、日本で学びたい選手が出てきた時は、受け入れ体制も含めて話し合いを持ちましょう」とのこと。次回の訪問が、今から待ち遠しいです。

副会長

ベトナム

②ヨス・ヘルメンス氏の視点から
お世話になっている世界有数の世界陸連公認エージェントであるヨス・ヘルメンス氏は、2013年のインタビューで、「私は高地であるインドに8000万人が住んでいることを知っている。きっと中長距離の分野で優れた才能を持つ選手がいるに違いありません。」 と述べられています。

インドは、13億人市場を誇るアジアの大国。学力面においても、非常に優秀な人材がたくさんいます。学力×競技力⇒日本の大学で箱根駅伝というストーリーもあるかもしれませんね。

エレン

ヘルメンス氏の拠点・オランダの事務所にて、バルセロナ五輪800m金メダリストのEllen van Langen女史と。滞在中は、大変お世話になりました。

③フィリピン・バギオへの語学留学
関東学院大学では世界各国の大学と交流をはかっています。 長期・短期の留学プログラムのほか語学研修を実施し、在学生の海外での学びを積極的に支援しています。 
在学生の海外での学び⇒留学生を受け入れるだけではなく、陸上競技部の学生を海外で学ばせることも、箱根駅伝真のグローバル化に寄与できるのではないかと思います。

いくつか場所を検討していましたが、以前からアジアの高地トレーニングの新たな拠点として調査していたフィリピン・バギオで、トレーニングと語学研修を兼ねた合宿構想を持っています。

歴史上、バギオと日本人の関りは深いものがあり、治安も良く、優秀な語学学校が多数存在しています。トレーニングもでき、英語も学べる。例えば、このようなプログラムを、大学や、高校、実業団チームにパッケージとして提案し、共に、グローバル人材の育成を行っていくというのはどうですかね?大学の単位にも組み込んで頂けたら、希望者が殺到するかもしれません(^^)/

④外国人指導者の招聘
グローバル化を考えると、箱根駅伝の指導者に、外国人指導者を招聘することも、一つの選択肢かと思います。

私が、尊敬している、コロラド大学の名将・マーク・ウェットモア氏は、数々の名選手を輩出され、全米クロスカントリー選手権での実績もありますから、マーク氏が、日本の大学生を指導したら…と考えるとワクワクします。

運営管理車からの叱咤激励も、「Be a man!」という時代も、そう遠くはないのかもしれませんね(^_-)-☆

マーク

尊敬するマーク氏と。またお会いできる機会を心待ちにしております。

いかがでしたか?拙いnoteですが、たくさんの方々にフォロー頂けて嬉しく思います。これからも宜しくお願い致しますm(__)m

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?