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MGC女子展望

いよいよMGC開催

いよいよパリ五輪マラソン日本代表選手選考競技会のマラソングランドチャピオンシップ(MGC)が、10/15㈰に開催されます。

パリ五輪に向けて、結び前の大一番。
今回のnoteでは、女子の展望について纏めてみました。
ご一読頂けましたら幸いです。

カギは休養とピーキング

前回大会(2019年9月のMGC)で代表の座をつかんだ前田穂南選手(天満屋)、鈴木亜由子選手(日本郵政グループ)、2020年3月の名古屋ウィメンズマラソンで、代表入りを果たした一山麻緒選手(資生堂)の3選手ですが、今大会もエントリーしてきましたね。

あくまでも個人的な考えですが、オリンピックサイクルを考えると、前回のオリンピック後に、しっかり休養が取れているかが、重要な要素ではないかと思っています。

オリンピックに向けての心身の疲労は、相当なもの。
心身のベストコンディションを3~4年維持するのは、余程のことがない限り、難しいと思っています。

恩師・小出先生や、市立船橋高校で、何人ものチャンピオンを育てた清水先生がよく仰っていましたが、「休ませることができない指導者はダメ」という言葉通り、指導者のさじ加減、マネジメントがカギを握ると思っています。

休養を取ることで、一時的に走力が落ちたとしても、しっかりゴール地点を見据えて、強化できていれば、問題ないと思いますね。

もう一つの視点は、ピーキングについてです。
ひと頃に比べると、だいぶ涼しくなってきましたが、冬のマラソンと比較すると、暑さへの対策もカギになってきます。

こちらも個人的な考えと、経験からくるものですが、夏に近い気象条件のレースを走る際は、しっかり疲労が取れているかどうかが重要と考えています。特に夏場に走り込んだ後の内臓疲労ですね。

二枚の五輪切符の行方は

ざっとコースを見渡してみましたが、前半・終盤にインパクトがあるコースと言えそうです。

まず、入りの5キロの走り方が、重要と考えています。今回は、おそらく飛び出す選手はいないように思うのですが、下りの走り方=走技術の差が、後半に、少なからず影響してくると思います。

折り返し地点が6カ所あることも、特徴的ですね。
大集団で進むと、アクシデントが起きかねないターニングポイントになるでしょうし、先程の走技術といった部分も少なからず、関係してくると思っています。

余裕がない選手は、ハーフポイントから25キロあたりで集団からこぼれ、30キロ以降は、5~6人の集団で、35キロ以降の坂に入るのかなと想像しています。

個人的な大本命は、鈴木亜由子選手(日本郵政グループ)です。
やはり勝負強いですし、監督の高橋昌彦さんは、マラソン、トラック共に、百戦錬磨。名将・小出義雄監督のノウハウを、現代風にアレンジされ、しっかり結果を残されています。

このコースは、しっかり練習ができていないと走れないコース。
おそらく長年のトレーニング拠点であるボルダーで、マグノリアのようなコースで、徹底的に脚を作ってきておられると思います。

手ごわいのは、前田穂南選手(天満屋)を筆頭とした天満屋勢。
年間を通してマラソンを走るベースができているチームですから、各選手の調子が良ければ、後半まで複数の選手が、優勝争いに絡んでくると思います。

何といってもこのコースは、山口衛里ヘッドコーチが五輪代表を決めた東京国際女子マラソンのコースを走る設定。

当時の山口選手は強かったですね。10キロ×3本を、全て32分台で走られていたとか。現在のスーパーシューズがあったら、あのコースで20分切りもあったかもしれませんね。

五輪に賭ける想いという点では、一山麻緒選手(資生堂)、安藤友香選手(ワコール)のお二人は、強い想いを持って、臨まれると思います。

別々のチームになりましたが、永山監督のマラソンメゾット、市川前ヘッドコーチの走技術の指導の礎は、お二人のベースになっているはずです。

最後の最後は、五輪への強い想いを持った選手が、切符を掴む、そう思っています。

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