スキトクNOTE 第1弾 探究グループリーダー齋藤錬先生
御殿場西高校では「好き/得意(ギフト)」を発掘し、発揮し、磨き続ける学びを教育活動の柱としていきます。その中で、最も重要な役割を担うものとして「My Quest(マイクエスト)」という探究学習があります。これは、生徒が自分の内面と向き合い、自分の好きなことや得意なことを1年間かけて大きくしたり、広げたり、学校の外側の方々へと繋がっていく活動になります。生徒の中には、ファッションに興味がある生徒がファッションショーを企画したり、音楽に興味がある生徒がYoutubeでボーカロイドを活用してチャンネルを開設したりといった活動に広がっていきます。生徒が800人いる学校で、800人のプロジェクトが自由に動き回るようになったら面白いことになりそうですよね!そんな探究学習を設計しているのが、探究グループリーダーの齋藤錬先生です。今回は「校長スキトクNote」への名称変更後の初回ということで、錬先生にインタビューしてみました。
今振り返ると、全然ダメだった
ーまだ3年目なんだよね。今振り返るとどんな感じ?
そう、まだ3年目なんですが、新任当初は全然ダメだったなと思います。ただ授業をやっているだけだったと思います。当時、「授業改革プロジェクト」というものに参加させてもらいましたが、そこから少しずつ改善はできたと思います。
ー当時に比べて自分の授業は変わった?
はい。ずっと一方通行で授業をしていたので、授業中に生徒たちがつまらなそうにしていたり、時には居眠りしたりということが多かったと思います。それが今では、生徒たちが楽しそうにしてくれています。グループでの学びの活動を楽しみながらできるようになってきたと思います。その活動の量も増えてきて、アウトプット的な場も増えてきたので、今野授業の方が絶対楽しいものだと思います!
ー最近やった授業で何が楽しかった?
古典の授業で、絵巻物語を活用して視覚から学んでいくというものをやってみました。教科書の内容をただ学ぶだけでは、古典と聞いただけでつまらないと感じる生徒もいます。視覚からの情報をもとに、その当時の人々の暮らし、関係性、物語の背景知識といったところを想像を膨らませつつ、実際の物語を読んでいくと、より学びに前のめりになっていく生徒たちがいます。
ー超面白そうじゃん。それを見ながらオリジナルの俳句とか短歌を作ってみるのも楽しそう!
そう。そんな活動もできそうですよね笑
なんか火がついてきてるなぁと感じる
ー探究学習のMy Questはどんな感じ?
生徒がいい感じです。中学校でただ先生の話を聞くだけの授業した受けたことがなかった、授業で楽しいと感じたことがなかったということを話す生徒も多くいます。そんな生徒たちが「こんんあ楽しい授業があったんだ!」と楽しんでくれている姿がとっても嬉しいです。火がついてきているのを感じます。
ーなるほど、いい感じだね。具体的な例とかある?
はい、この前ラジオでもお話しさせていただいたYouTubeで自分で作ったミュージックビデオを作成している子がいたり、ジンジャエールを素材から作って、クラフトジンジャーを商品化しようと考えている子がいたり、シャーペンが好きすぎてシャーペンを製造している企業に連絡して、これから一緒に商品開発を考えている子もいたり。面白いですよね。
ー本当にそれぞれって感じなんだよね。聞いているだけでワクワクしてきますね。
そうなんです。生徒たちが教室の枠から飛び出て、学校の外側で色んな人と繋がりながら、自分のギフトをさらに大きくキラキラしたものにしていくようになるんじゃないかと思います。
自分の意見を主張するのが苦手なので逆にそのかわり人の意見はめちゃくちゃ聞きます
ー錬先生って謙虚だよね。
うーん。どうなんでしょうね。社会人として働きだしてからそういうふうに言っていただくことは多くなったかもしれません。昔から自分の意見を主張するのが苦手なので、逆にその代わり人の意見はめちゃくちゃ聞くようにしています。
ーいいね、素敵だよ、謙虚な人って。
でも、大学時代には教授の先生に怒られたことがあります。自分の意見をもっと言わなくちゃダメだと、もっと反応しなくちゃダメなんだと。最後の最後4年生の最後で怒られました。
ーなるほど。錬先生は何に対しても学びの姿勢があって、いろんなことにチャレンジしようとしているじゃんね。それって素敵だと思うよ。なかなかできそうでできないことだと思うし。
うーん。そうなのかな。
ーところで錬先生のゴールって何?
ゴールか〜。あんまり考えたことなかったですね。ゴール・・・。うーん。この探究学習を盛り上げていく、そして日々の授業をさらに楽しいものにしていくことを一番に考えてはいます。
ーいつか本とか出したいね。錬先生の探究学習の本。
あー、なるほどー!こんな探究学習やってみましたというのを実践発表も含めて紹介して、それを日本中に届ける的な。いいですね!
ゴールができました、ありがとうございます!笑
My Questの向かう先にあるもの
ここからは校長の思いを少し。探究的な学びが目的化してはいけないと思いますが、これからの学校は、生徒たちの探究的な学びをいかに設計し、刺激し、この社会を変えていく、世の中を良くする、他者を幸せにするといった力を育んでいくかが求められています。世界を変える、社会を変えるというと壮大なように感じますが、その原動力は「好き/得意(ギフト)」であり、すべての人が生まれながらにして持っているものだと思っています。学校の学びはこのギフトをいかに磨いていくかだと思います。決して偏差値の高い大学に合格するためではなく、自分のギフトを活かして、社会を良くする、世の中に貢献する、誰かを幸せにするためなのです。この世に生まれた時にもらったギフトを、今度は社会に贈る側になっていこうというのが、御殿場西高校の学びの考え方です。新しい価値観やビジョンではなく、創立当初から続く、御殿場西高校の学びのあり方、学校の在り方です。これからさらに加速する御殿場西高校の学びを楽しみにしていてください。
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