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【意識って何、どこにあるの?】

【意識って何? どこにあるの?】

意識とは何でしょうか?

広辞苑にこう書かれています。

『① 認識し、思考する心の働き。

感覚的知覚に対して、

純粋に内面的な精神活動。

② 今していることが自分で分っている状態。

われわれの知識・感情・意志のあらゆる働きを含み、

それらの根底にあるもの。』

端的に言えば、

意識とは 

『知』・『情』・『意』

です。

『知』とは、

知識・知恵・知性(物事を考え、理解し、判断する能力)

です。

『情』とは、

感情・愛情・情操(美しいもの、純粋なもの、崇高なものを見たり聞いたりして素直に感動する、豊かな心―新明解国語辞典―)

です。

『意』とは、

意志・意思・意欲(学習意欲、向上心など)

です。

『意識の概念』は、

わかっていただけたと思いますが、

意識はどこにあるのでしょうか?

ほとんどの人は、

意識は脳にあると思っています。

本当にそうでしょうか?

脳科学は今、深刻な壁に直面しています。

テレビ番組や雑誌に多数出演し大活躍の人気脳科学者 茂木健一郎博士は、著書 

『意識とはなにか――〈私〉を生成する脳』 
(ちくま新書) 

の中で次のように述べています。 
(10頁~12頁)

「 脳科学が、実は深刻な方法論上の限界に直面していると聞いたら、驚くかもしれない。

しかし、脳を理解するという人類の試みは、

実際絶望的と言ってもよいほどの壁にぶつかっているのであり、

その壁が存在すること、

それを乗りこえることがきわめて困難であるという事実を、

世界中の心ある研究者は理解しているのである。

その壁とは、すなわち、

なぜ、脳の中の神経活動によって、

私たちの意識が生み出されるのかが、

皆目わからないということにある。

(中略)

脳の中の神経活動によって、

私たちの意識が一体なぜ生みだされるのかという謎を前にして、

現代の脳科学者たちは錬金術師たちと全く同じ立場に立たされているのだ。

というのも、

錬金術師たちが一体どのように金というものが生み出されるのか、

その根本原因を知らなかったように、

今日の私たちは、

脳の神経細胞の活動によって一体なぜ私たちの意識などというものが生み出されるのか、

その根本原因を知らないからである。

前頭葉に自我の中枢があるとか、

脳のさまざまな領域の神経細胞の活動が統合されて意識が生まれるとか、

いかにももっともらしい 

『説明』 

はある。

しかし、

そのような説明のどれもが、

錬金術師たちの、

『あれとこれを混ぜて化学反応を起こせば金ができるのではないか』 

という、確実な根拠のない希望的観測と同じレベルにある。

なぜならば、

そのような説明のどれも、

・そもそも物質である脳の活動に伴って、どのように意識が生まれるのか?

・なぜ、宇宙にあるすべての物質の中で、神経細胞の活動だけに伴って意識が生まれるのか?

あるいは、他の物質の活動に伴っても、意識は生まれるのか?

だとすれば、どのような条件が満たされた時に、意識は生まれるのか?

・そのような意識を持つ 〈私〉 という主体は、一体どのように成り立っているのか?

といった根本的な問いには、

答えることができないからだ。

今の脳科学者は、

一体なぜ物質である脳の活動に伴って私たちの意識が生まれるのか、

という究極の問いに対して、

そのもっとも肝心な答えを知らない、

錬金術師ならぬ 

『練心術』 

の時代にあると言わざるをえない現状である。」

脳科学は、

深刻な方法論上の限界に直面しています。

一方で、

『意識はどこにあるのか?』 

についての説得力ある有力な仮説があります。

『フィールド 響き合う生命・意識・宇宙』 
(著者 リン・マクタガート 訳者 野中 浩一 インターシフト 河出書房新社) 

の146頁から149頁にこう書かれています。

「 意識とはからだのあらゆる部分で生じる全体的現象であり、

たんに脳内だけで起きるものではない。

もっとも基本的な水準でみれば、

意識とはコヒーレントな光である、

というのがその考えだった。

(中略)

生き物の仕組みは一種の量子プロセスだった。

細胞間コミュニケーションなど、

体内のあらゆるプロセスは、

量子の変動によって引き金を引かれる。

高次の脳機能や意識といったものも、

量子レベルの機能のように思われた。

量子記憶に関するウォルター・シェンプの過激な発見は、

とりわけ常識外れの考えを導き出した。

短期記憶や長期記憶がそもそも私たちの脳内にはまったく存在しておらず、

ゼロ・ポイント・フィールドに保存されている、

というのだ。

プリブラムの発見以降、

システム理論学者アーヴィン・ラズローなど数多くの科学者たちが、

脳とは究極の保存媒体であるゼロ・ポイント・フィールドに対するたんなる検索、読み出し機構にすぎないとまで議論するようになっている。

プリブラムの日本の同僚たちは、

私たちが記憶と考えるものが、

ゼロ・ポイント・フィールドから放射されるコヒーレントな信号にすぎず、

長期記憶とは構造化してひとまとめにされたこうした波動情報だという仮説を提案している。

もしそれが本当なら、

なぜほんの小さなきっかけによって、

雪崩をうつように光景、音、匂いが呼び覚まされる事例がめずらしくないかも説明できるだろう。

さらに、

とくに長期記憶に関して、

思い出す作業が瞬時に行なわれ、

長年の記憶のなかからそれを走査して探す仕組みが不要なのかを説明できるかもしれない。

もし彼らが正しいのなら、

私たちの脳は保存媒体ではなく、

あらゆる感覚の受信機構であり、

記憶は通常の知覚からやや離れた従兄弟のようなものにすぎない。

(中略)

一部の科学者たちは、

私たちの高次の認知プロセスのすべてが、

このゼロ・ポイント・フィールドとの相互作用の結果生じたものだとまで示唆している。

この種の安定した相互作用が、

直観とか創造性といったもの

――さらには私たちにアイデアが浮かぶとき、

ときには断片的であるが、

しばしば奇跡的にまとまったひとつの全体として一気に見通しが得られる仕組み――

まで説明するかもしれないという。

直観的な飛躍という現象は、

もしかすると突然にゼロ・ポイント・フィールドとコヒーレンスが一致しただけなのかもしれない。

人体が量子変動をもつ変化しやすい場と情報を交換しているという考えは、

この世界に関する、

なにか深いものも示唆していた。

それは、

知識やコミュニケーションについて、

私たちが現在理解しているよりもずっと深くて広範囲の能力を人間がもっていることをほのめかしている。

(中略)

もし私たちとそれ以外の世界とがそれほど緊密に相互に結びついているのなら、

実際のところ、

『そこにある世界』 

などという表現はもはや意味をなさない。

これが暗示する問題はきわめて大きく、

無視することはできなかった。

エネルギーを交換しパターン化し、

ゼロ・ポイント・フィールドに記憶し、

呼び出すシステムという考えは、

人間がもつさまざまな可能性や、

世界との関係について多くのことを語っていた。」

意識は脳にはありません。

これについて、ディーパック・チョプラ博士は、著書 

『ゆだねるということ(上)』 (訳者 住友 進 サンマーク文庫) 

の中でこう述べています。 
(93頁~95頁)

「 昨晩、何を食べたか思い出せますか?

味はどうでしたか?

そのとき周囲でどんな会話が聞こえてきましたか?

今、このような質問をする前、

その情報はどこにありましたか?

たしかに夕食はとりました。

しかし食事についての情報は、

潜在的な情報としてしか存在していません。

外科医があなたの脳を調べたとしても、

夕食に関する情報の痕跡はまったく見つからないでしょう。

記憶を思い起こすまで、

その情報が存在していた場所が魂の領域なのです。

夕食を意識的に思い出そうとした瞬間、

電気的活動が起き、

化学物質が放出され、

脳が活動している合図が出てきます。

しかし、

思い出そうとする前、

記憶は脳のなかにはありません。

思い出そうとすることで初めて、

仮想領域にあった記憶が、

現実の記憶に転換されるのです。

想像についても同じことが言えます。

表に現れるまで、

思考は精神的・物質的な領域のいずれにも存在していません。

(中略)

意思、想像、洞察、直感、霊感、意味、目的、創造性、理解はすべて、

実は脳とは関係ないのです。

脳を通して活動は調整されますが、

意思や想像は時空間を超越した

『すべて』 

である領域の特質なのです。」

意識は、

『純粋意識の場』 

則ち、

ゼロ・ポイント・フィールド

にあります。

脳は単なる受信機(通信機器)のようなものです。

遺伝子工学で世界をリードしてきた元筑波大学名誉教授の村上和雄博士(1936~2021)は、

『スーパーブレイン ――脳に使われるな 脳を使いこなせ 最高の人生をあきらめない心のパワー』 (著者 ディーパック・チョプラ ルドルフ・E・タンジ 監訳=村上和雄 訳=大西英里子 保育社)

の中で訳者まえがきとして、

心と意識について次のように述べています。(3頁)

「 全身の細胞は脳からの指令を受けるため、

脳が身体を動かすリーダーのように見えていた。

しかし、決してそうではなかった。

脳を動かしているのは、

自分の心であり、意識である。

脳はいわば、

テレビやラジオの受信機のようなものであり、

心や意識が、

すべての現実を創りだす真の創造者であると本書は説いている。」

意識は脳にはありません。

既成概念・固定観念に囚われず、

思考を柔軟にして視野を広めましょう!

ということで、結論はこうなります。

(結論)
『意識とは、知・情・意である。意識は脳ではなくて、ゼロ・ポイント・フィールドにある』

『意識とはなにか――〈私〉を生成する脳』
(著者 茂木健一郎 ちくま新書)


『フィールド 響き合う生命・意識・宇宙』
(著者 リン・マクタガート 訳者 野中浩一 発行 インターシフト 発売 河出書房新社)


『ゆだねるということ(上)』
(著者 ディーパック・チョプラ 訳者 住友進 サンマーク文庫)


『スーパーブレイン―脳に使われるな 脳を使いこなせ 最高の人生をあきらめない心のパワー』
(著者 ディーパック・チョプラ ルドルフ・E・タンジ 監訳 村上和雄 訳者 大西英理子 保育社)


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