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リブランディングの意味をミスチルが教えてくれた。スタートアップがリブランディングに投資する意味と想い。

こんにちは。株式会社PETOKOTOの創業者兼代表取締役CEOの大久保泰介です。本日2022年3月23日で、PETOKOTO創業から7周年を迎え、PETOKOTOは7年間使い続けたCI・VIの全面リニューアルを行いました。

構想は一年前から、プロジェクトは半年間かけて戦略策定からデザインまでの全てプロセスをブランドクリエイティブチーム(デザインチーム)中心に行いました。インハウスのデザイナーがどのようにして事業会社のリブランディングを行ったのか、プロジェクトのプロセスや裏側のHOWの部分については、後日アートディレクターから記事をお届けします。

今回は、スタートアップの創業者兼代表としてリブランディングを実施した背景や想い、葛藤についてリアルな情報をお伝えしたいと思います。

この記事について
参考になりそうな人:スタートアップでこれからリブランディングをやろうとしている人たち。PETOKOTOの活動を知りたい方。
書いてあること:事業会社がリブランディング を行う背景や意味、PETOKOTOの想い。6000文字くらい。

1.リブランディングの背景

1-1.市場の変化
新型コロナの感染拡大に伴い、1年以内に犬・猫を新たに迎えた人の数は、感染拡大前の2019年に比べ2020年、2021年ともに増加しました。(※ 一般社団法人ペットフード協会「2021年(令和3年)全国犬猫飼育実態調査 結果」)。在宅時間の増加や、遠出する機会の減少によってペットを迎えやすい環境が生まれているものと思われます。

弊社が提供するサービスの「OMUSUBI」でも、月間応募数が2倍以上となり譲渡決定数は1,500件を超えました(2022年3月23日時点)。

また、欧米や日本含む先進国では、ペットが家族同然の存在として育てられる「ペットの家族化」が進んでいます。コロナで在宅時間が増えたことにより、犬や猫と暮らす時間が増え、さらに家族化は進んでおり、市場規模ドライバの1つである年間支出額の増加に寄与しています。

しかしその影では年間2.7万匹が殺処分されており、コロナ禍で飼いきれなくなった家庭からの飼育放棄も指摘されています。グラフを見ると減少傾向に見えますが、保護犬猫の数自体はまだまだ多いのが現状です。

このように、ペットの家族化によって各種サービスにも人間と同レベルの質が求められてきている中、一方では命を「モノ」として扱う、極端なギャップが生じている事実があると考えています。今後より一層多くの人々やペットの人生をより楽しく、豊かにする企業活動を続けていくための指針として、新しいコーポレートブランドを掲げることとしました。

1-2.事業・組織フェーズの変化
PETOKOTO(旧シロップ)は、本日からちょうど7年前の2015年3月23日に創業しました。「ペットがモノとして捉えられている産業や社会の負を解決したい」という想いのもと、以下の3つのサービスを提供しています。

出逢いの家族クオリティ化として、保護犬猫マッチングサービス「OMUSUBI」、情報の家族クオリティ化として、ペットライフメディア「PETOKOTO MEDIA」、食事の家族クオリティ化として、フレッシュペットフード「PETOKOTO FOODS」です。

不器用ながらも地道に努力を重ね、それぞれのサービスカテゴリで日本最大規模となってきた中、僕たちは点と点としてではなく、それらを線で結び、ペットの一生に寄り添うペットウェルネスブランドとして、ワンサービスで展開していきます。属性/行動/バイタルとあらゆるデータを介して、一つ一つのペットライフに最適な暮らしを提供する壮大な世界を目指しています。

その中で、サービスそれぞれでロゴやトンマナが異なり、お客様からも『PETOKOTO FOODSは知っているけど、PETOKOTO MEDIAは知らなかった』だったり、『OMUSUBIをPETOKOTOが運営していると知らなかった』という声などをいただいていました。

僕たちの事業は、D2Cとしてお客さまとの距離を大切にするビジネスモデルだからこそ、WHY-WHAT-HOWを一枚岩で表現し伝達する必要があると感じてきました。お客さまは「ペットの飼い主仲間」という存在だと社内では話しています。

また、組織フェーズも重要な要素でした。現在、従業員数は約20名ほどですが、コロナになってから採用はせず、すでにWHYを理解してくれているメンバーが揃っていました。しかし、2021年末にシリーズAの資金調達を実施し、採用を本格化し、オンボーディングを強化していく中で、社外以上に社内に対してWHYを再定義しておく必要があると感じてきました。またリモートとオフィスを併用するハイブリッド型のワークスタイルを追求する上でも、物理的に離れていても共通言語となる指針の整理が必要でした。

この2つの課題からリブランディングを行うことを決めました。
当初は完全インハウスでとも考えていましたが、僕たちの事業やミッションはある意味でクローズドでマイノリティな世界観になってしまうため、マジョリティである社会を変える存在となるためにも、外部の客観的な視点が必要だと感じ、いつも株主としても支援いただく、三浦さん率いるThe Breakthrough Company GOとタッグを組み、協働することにしました。

結果的に、GOを入れて本当に良かったと感じます。以下が理由です。

1.客観的な視点で「当たり前の思想」が拡大する
2.スペシャリストが伴走してくれることで担当メンバーの成長につながる

2.PETOKOTOの想い

2-1.道に迷った時に立ち戻れる場所であり、家。

僕の愛犬であるコルクは「足が内股」という理由だけでペットショップの流通で捨てられ0円の価値になっていました。一方でコルクのお兄ちゃんは30万円で販売。このように命の価値が人間都合で決められている現状があります。

「足が内股」という理由だけで価値がないと判断される社会

今では6歳になり元気に、やんちゃに平成生まれのゆとりボーイとして暮らしています。彼が一生を謳歌できることが自然とサービスの充実につながると思っています。

トイプードルには嫌われがち。

昨今、フードロスなど、さまざまな「ロス問題」が問題視される中で、最も人間が倫理的に解決しないといけないのは、ペットを「モノ」として扱い消費していくライフロス=命のロスだと考えています。殺処分問題を始めとした社会・業界課題を解決すべく、僕たちは「ペットを家族として愛せる世界」を目指すことでより良い社会の実現に向けて事業を展開していきます。

そして何より、僕は起業する3年前まで、犬や猫を触ることすら苦手な立場でした。しかし、とあるきっかけで一緒に暮らすこととなり、触らず嫌いだと分かり、大好きになり、トリマーとまで結婚してしまう、人生は面白いものです。

家族という尺度には、夫婦、LGBTQ、そしてペットと、さまざまな在り方があります。当初の僕がそうであったように、その在り方を受け入れられない人もいるでしょう。しかし、それぞれの命を尊重し、許容することが理想の社会だと考えています。僕自身がどちらの立場も理解できるからこそ、今回のステートメントの「誰もが受け入れられる社会」が実現できると信じています。

道に迷ったときも常に僕たちが持つミッションに立ち帰ることができるよう、PETOKOTO BRAND HOMEがメンバーにとっての信念の家となり、社会との協働を生む存在にしていけたらと考えています。さまざまな価値観や多様性が存在する時代の中で、全ての命を尊重し、人だけでなく、動物も含め、共生できる社会の実現を目指します。

PETOKOTO BRAND HOME=立ち戻れる場所。

当初、存在意義を表す=ミッション、事業軸を表す=ストラテジー、強みを表すストレングス、価値観や行動指針を表すルールのみ再整理する予定でした。しかし、創業から7年間、愛を込めて使ってきた「人が動物と共に生きる社会をつくる」言葉の壮大さ、そして社内のメンバー全員が大好きな言葉だったことから、なくすのはもったいないと意見があり、PETOKOTOのすべてのボトムラインであるBELIEF=信念をつくることとし、言葉をアップデートしました。

今回は事業が進む方向性に関して詳しく触れませんでしたが、PETOKOTOが目指す具体的な中長期の事業計画はぜひこちらをご覧ください。

3.リブランディングの意味は、ミスチルが教えてくれる。

3-1.リブランディングは、本当のサービスをお届けするための手段。

僕が好きな歌手にミスチル=Mr.Childrenがいます。
彼らは、人生の重要なタイミングで常に刺激をくれます。

彼らの好きな楽曲の一つに、「足音」という曲があります。

曲自体も素晴らしいのですが、何よりも共感できることが曲の背景です。

Mr.Childrenは長らく小林武史さんとタッグを組んで、成長してきました。
しかし、バンド結成から20年が経ち、順風満帆な中、メンバーには「この環境に甘んじていて良いのか」という疑問が芽生えていきます。

『Mr.Childrenがどんな音を鳴らすのが楽しみかと考えたときに、4人ひとりひとりの音楽が聴こえてくるもの、それは音楽的なものだけではなく、チーム、連帯感を強めたかった。』と櫻井さんは言います。

そこで、小林武史さんとのタッグを一旦解消し(BANK BANDなど関係性は良好)、独り立ちをすることを決意します。

その歩み出しの第一歩で生まれたのが「足音」です。
新たな旅への覚悟と希望を歌った歌詞が刺さります。

新しい靴を履いた日は それだけで世界が違って見えた
昨日までと違った自分の足音が どこか嬉しくて
当てもなく隣の町まで 何も考えずしばらく歩いて
「こんなことも最近はしてなかったな...」って ぼんやり思った

舗装された道を選んで歩いていくだけ
そんな日々
だけど もうやめたいんだ
今日はそんな気がしてる

夢見てた未来は
それほど離れちゃいない
また一歩 次の一歩 足音を踏み鳴らせ!
時には灯りのない
さびしい夜が来たって
この足音を聞いてる 誰かがきっといる

https://j-lyric.net/artist/a001c7a/l033b6e.html

曲=モノももちろん素晴らしいですが、曲が生まれる背景=コトに強く共感できたからこそ、自分にとっても、ファンにとっても大切な曲となりました。

PETOKOTOも3つのサービスを200万人以上の方へお届けしています。しかし、それぞれのサービスを届けることの想いがお客さまと共感できてこそ、本当の意味でサービスをご利用いただけると信じています。

だからこそ、今回アップデートした、北極星となるミッションを、何度でも、何度でも、伝え続け、少しでも多くの方と歩いていければと思っています。

3-2.リブランディングは、サービスと組織を強くする。

もう一つ「Starting Over」という、大好きな曲を紹介させてください。

この歌は当初、小栗旬さんが主演の「信長協奏曲」の主題歌として作られた歌でした。元々は「ノブナガ」という仮タイトルがついていました。ですが、結果的に本作の主題歌は前述の「足音」になります。

櫻井さん自身は自信があったものの、メンバーやスタッフからの評判はあまり良い印象ではなかったためでした。そして、お蔵入りすることとなり、その次の日に生まれたのが「足音」でした。

その後「足音」が完成し、次の楽曲に入るタイミングで、櫻井さんは「足音」ができる過程でお蔵入りした「ノブナガ」を聴いてみることにします。

それから、何十回、何百回と歌詞を変え、歌い方を変え、改善を重ね、ついに「Starting Over」として完成します。

『Mr.Childrenという新しいプロジェクトを始める中で、ひるんでいたり、プレッシャーを感じている部分があり、そんなものをモンスターに例えて、最後に吐き出せた、そんな曲だと思います。』

肥大したモンスターの頭を
隠し持った散弾銃で仕留める
今度こそ 躊躇などせずに
その引き金を引きたい
あいつの正体は虚栄心?
失敗を恐れる恐怖心?
持ち上げられ 浮き足立って
膨れ上がった自尊心?
さぁ 乱れた呼吸を整え
指先に意識を集めていく
僕だけが行ける世界で銃声が轟く
眩い 儚い 閃光が駆けていった
「何かが終わり また何かが始まるんだ」
そう きっとその光は僕にそう叫んでる

https://j-lyric.net/artist/a001c7a/l046b12.html

何十回、何百回と改善した上で完成した際に櫻井さんが言ったことがあります。

『完成してもまた気になることが出てくる。常に改善の繰り返し。』

サービスも組織も正解はなく、常に改善の繰り返しです。
完成したということは、それ以上の成長がないからです。

これからPETOKOTOが何度もトライアンドエラーを重ね、改善を繰り返す中で、常に立ち戻れる場所が、リブランディングによってできました。

本日から、第二章が始まります。
リブランディング はリセットやリスタートではなく、アクセラレーション。

3-3.一緒に未来を作りましょう。

獣医師である佐藤との取締役体制

PETOKOTOは、メンバー全員が犬猫の飼育経験者であり、獣医師からIT企業出身者まで幅広いバックグラウンドが集まる、愛に溢れた組織です。

PETOKOTOはOMUSUBIで命と出逢い、PETOKOTO FOODSで最後の一食まで寄り添います。まさに一生に寄り添います。だからこそ、喜びや悲しみなどの声をお客様からいただき、自然と涙が流れるシーンが多々あります。

僕はスポーツが大好きで、スポーツを通して人の行動で感動し涙を流すように、僕たちの仕事ではそういったことが多々起きます。
こんなにも愛で溢れ、涙を流せる仕事はなかなかないのではと思います。

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お話できる情報(基本なんでも可能です)
・コロナでの変化をきっかけに犬や猫を迎えた譲渡者の話(紹介も可能)
・コロナで迎える数は増えた一方で捨てる人も増え、頑張って運営している保護団体の話(紹介も可能)
・コロナで犬と出かける回数が減り、肥満になりやすい犬が多い現状を解決する獣医師やトレーナーなど専門家の話(紹介も可能)
・コロナで料理需要が増え、人間同様の食事を犬や猫にあげたい飼い主の話(紹介も可能)
・PETOKOTO FOODSをきっかけに肥満など健康面の課題が解決した話、老衰でご飯を食べなかったのに亡くなる前日まで食べてくれた話
・海外・日本含めたペット市場の最新トレンド


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