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PET TECHがペットライフを変える。成長するペットテック市場を牽引するアメリカや日本の企業を紹介

こんにちは。ペットテックスタートアップ シロップ代表の大久保です。元保護犬でコーギーのコルクと暮らしています。「人が動物と共に生きる社会をつくる」をミッションに掲げ、動物が好きな人も苦手な人も、動物自身も命を尊重し許容される社会をつくりたいと考えています。
そのために、信頼ある情報やモノを提供し、データを通してパーソナライズに提案するプラットフォームを展開しています。保護犬猫のマッチングサイト「OMUSUBI」、ペットライフメディア「ペトこと(PETOKOTO)」、フレッシュカスタムドッグフード「PETOKOTO FOODS」を運営しています。

全世界で1,250億ドル(13兆円ほど)の規模と安定的に成長を続けているペット市場(ペット市場全体の記事は以下記事をご覧ください)。その中でも、成長分野なのがテクノロジーを使い既存のペットサービスを変革するペットテック。アメリカや日本でペットテック企業やサービスが増加しています。今回は、アフターコロナ(withコロナ)時代も考慮しながら最新のレポートを元にペットテックのトレンドを解説します。

【ペット市場2020】ペットの家族化で拡大する世界・日本のペット市場はこれからどうなる?

1. ペットテックの定義

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一般的にIoTデバイスを活用したサービスをペットテックと呼んでいる記事が多いですが、シロップでは、「ペット×テクノロジーの略」であり、テクノロジーの力によって、ペットに関わる業界課題や従来の商習慣を変えようとする価値や仕組みを指したいと思います。

ペット市場全体としてはペットの家族化で犬や猫に人間同様のサービスが拡大する中、ITリテラシーが高いミレニアル世代が犬や猫を育てるようになり、ペットテックサービスの需要が高まってきています。サービスを通してデータが蓄積されることで、言葉を話すことができない犬や猫の健康データを可視化し、最適なサービスを提供することができます。

ECで言えば、Amazon一強時代の中、ペットECのChewyがIPOを果たしました。犬種や猫種は100種類以上おり、ペットライフがそれぞれ異なるため、最適化がキーになることが分かります。(売上48億ドルまで成長しているものMorgan Stanleyは上場高値を不安視しています)

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2. アメリカのペットテック市場

Global Market Insights, Inc.のレポートによると、アメリカのペットテック市場規模は、2018年45億ドル(約4,500億円)で2025年には200億ドル(約2兆円)まで成長すると言われています。IoTやAIを活用したサービスがウェアラブルや見守りカメラだけでなく獣医療分野まで拡大しています。

■ウェアラブル
ペットテックのカテゴリの主役が首輪です。機能としては、GPSトラッキング、Wi-Fiコネクト、アクティビティトラッキング&管理が一般的です。

Whistle

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スマートカラーのフロントランナーはWhistle。「犬向けのFitbit」として成長し、2016年にはM&Mやスニッカーズなどのお菓子でも有名なMarsのペットケア部門に1.17億ドルで買収されました。Mars Petcareはロイヤルカナンなどのペットフード企業も傘下に持っています。2018年にはMarsがトラッキングデータと動物病院を掛け合わせてデータから体調管理を促すペットインサイトプロジェクトを発表しています。

その他にも、Fitbarktaggなど多くのプロダクトが生まれています。

■見守りカメラ
続いて人気なカテゴリが見守りカメラです。最近ではAIを搭載した顔認証や異変検知まで機能改善が進んでいます。

Furbo

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日本でもトップセラーの犬用見守りカメラ。香港発のサービスですがここではアメリカのペットテックサービスで紹介します。どんなインテリアにも馴染むシンプルなデザインとアプリを活用して、遠隔での見守りや、おやつを出せる機能が人気です。

PetCube

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スタイリッシュなデザインが人気で、Furboと違い、犬用も猫用もある見守りカメラ。日本でもソフトバンクが販売代理店となり購入ができます。

DOG SPOT

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家庭用見守りカメラとは異なるのが、DOG SPOT。犬とお出かけ中に買い物をしたい際、店舗に入れないことは多々あります。木などにリードを繋いでいるのが不安だったり、最悪泥棒されることも。DOG SPOTは、そんな悩みを解消し、買い物中に犬をケージに入れておくことができ、遠隔モニターや空調を管理することができます。

■自動給餌器(スマートフィーダー)
決まった時間に決まった量だけご飯をあげたい、そんな想いに応えてくれるのが自動給餌器。スタートアップから大手まで幅広い製品が出ている飽和市場です。

Petsafe

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幅広いIoTデバイスを販売しているPetSafeの自動給餌器は、Amazon Dashにも対応しており、人気の製品です。

■シッター代行
散歩に行きたいけど時間がない・・預けたいけど預かる場所がない・・そんなニーズに応えるのがシッター代行サービスです。CtoCモデルで、散歩代行、預かり代行など幅広いサービスが展開されています。

Rover

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シッター代行の世界最大手はRover。2011年に開始したサービスで、その当時ライバルだったDog Vacayを2017年に、Dog Buddyを2018年に買収しています。現在は、預かり代行だけでなく、散歩代行、トリミング代行まで幅を広げています。

Wag

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Roverのライバルとして現れたのがWagです。「ペット版のAirbnb」として散歩代行サービスを展開しています。2018年にはソフトバンク・ビジョン・ファンドが3億ドルの出資を行ったことでも有名になりました。しかし、Roverとの競争に勝てず、2019年にはビジョン・ファンドからWagの株式を買い戻すこととなりました。

その他にも、近所同士でつながるコミュニティ代行サービス「BORROW MY DOGGY」があります。

■おもちゃ(スマートトイ)
おもちゃもテクノロジーで進化しています。1つがおもちゃ自体のIoT化、もう1つがサブスクリプションです。

Wicketbone

前者のIoT化の例がWicketbone。スマートフォンから遠隔で動かすことができるので、犬が飽きることなくおもちゃと遊べます(※個犬差によります。愛犬のコルクは反応しません笑)

Bark Box

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サブスクおもちゃのフロントランナーがBarkBoxです。2011年創業で、定期配送のおもちゃボックスサービスを始め急成長しました。大型犬が多いアメリカ市場においておもちゃは消耗品とされるため、犬の嗜好に合ったおもちゃが毎月届きます。当初はオンラインでの販売のみでしたが、2017年にリテール大手のTargetと提携しオフラインでも販売を開始しました。現在ではデンタルケア商品など幅広く展開しています。
Barkは何と言ってもオンラインの販売戦略が優れています。おもちゃがすぐに壊れてしまうという課題がありましたが、おもちゃを壊した写真をユーザーが投稿しランキングで表彰する企画を展開することで、ソーシャルでの顧客獲得と並行してゲーミフィケーションで継続率を上げました。

■ペットフード
ペット市場の中で最も大きいカテゴリがペットフードですが、テクノロジーによりディスラプトが生まれています。従来のカリカリのドライフードから、人間も食べられる冷凍フードや代替肉のフードが登場しています。データを通したカロリーコントロールや健康管理が主軸で、サブスクリプションモデルが一般的です。

Farmer's Dog

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サブスクリプションモデルのペットフードサービス一番手がFarmer's Dog。新鮮な食材を加熱調理し冷凍で定期的にお届けし、今までブラックボックスだった製造過程などを透明化しオンラインを軸に認知を広げています。2019年には3,900万ドル(約40億円)の資金調達も発表しており、アメリカだけでなくカナダでも展開しています。

その他にもOllienomnomnowPET PLATESMALLSSPOT&TANGOなど多くのサービスが出ています。全てスタートアップでオンラインでのマーケットチェンジです。

Just Food For Dogs

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もう一つ紹介するのがJust Food For Dogs。Farmer's Dogなどが展開するオンラインに加えて、オフラインでの店舗販売に注力しています。2018年には、アメリカ最大手のペットショップ「PETCO」と協業し、店舗を展開しています。

その他にも、Paypalの創業者であるピーターティールが出資したことで話題となったWild Earthは麹を使用したビーガンペットフードサービスです。代替肉などサステナブルも今後のトレンドとなっていきます。

■メディカル
獣医療や保険などメディカル分野でもペットテックは広がっています。

Modern Animal

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動物病院の変革として期待されるのがModern Animalです。ペットのためのOne Medicalのようなサービスと考えられています。創業者のSteven EidelmanはWhistleを創業した人物で、ペットショップ大手のPetcoの獣医学部長だったChristie LongがModern Animalを管理するため、非常に注目されています。年額100ドルの会費制で、すべての検査が無料、ネット利用も含め1日24時間週7日のケア、アプリからの処方リクエストとデリバリーなどのサービスを提供しています。

First Vet

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アメリカではまだ展開していませんが、イギリスやスウェーデンなどで展開するFirst Vetは、オンラインでのペット診断サービスです。

3. 日本のペットテック市場

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矢野経済研究所のレポートによると、2018年で約740億円の規模があり、2023年には579%増の5,030億円まで成長すると予測されています。

■ウェアラブル
アメリカと同じく、日本でもウェアラブルのサービスが増加しています。

Catlog

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猫用のトラッキングデバイスであるCatlog。水中で目視できない海洋生物に加速度ロガーなど小型のセンサーを装着し、生態行動を調査する研究手法であるバイオロギングを採用し、バイオロギングの技術によって収集された複雑なログデータを、機械学習を用いた処理により実際の行動に分類しています。世界的にも猫のウェアラブルは珍しく、海外への展開も期待されます。

INUPATHY

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イヌパシーは世界で初めて心拍の情報から、犬の状態を可視化する技術が搭載されたデバイス。現在はアメリカでも展開を広げています。

■自動給餌器(スマートフィーダー)
日本でもスタートアップ、大手で自動給餌器が販売されています。

PETLY

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猫用自動給餌器のフロントランナーがPETLY。シンプルでモダンなデザインが猫の飼い主に評判です。

■シッター代行
日本でもDog huggyぱうわんといったサービスがあります。ただし、アメリカと違い小型犬が多くを占める日本の市場で「預かって欲しい」というニーズが少ない現状もあるため、同様の市場成長はしていない印象です。
一方で、シニア犬が増える高齢化に伴い、往診やトリミング出張などの需要が今後増加してくると考えられます。

■おもちゃ(スマートトイ)
日本ではサブスクリプションモデルの定期配送サービスが増加しています。DoggyBoxPECOBOXなどBarkBoxと同様のサービスが生まれています。

■スマートトイレ
日本ではIoTトイレが増加しています。シャープなど大手やスタートアップが展開しています。

ハチたま

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■ペットフード日本では、私たちシロップが展開するPETOKOTO FOODSや、CoCoGourmet(ココグルメ)がペットフードのサブスクリプションモデルとして増加しています。

PETOKOTO FOODS:人間も食べられる犬のご飯

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私たちが展開するPETOKOTO FOODSは「愛犬に毎日新鮮な手作りご飯」をコンセプトに掲げた人間も食べられる冷凍タイプのカスタムフレッシュドッグフードです。鹿児島県産和牛や桜島どりなど国産食材をふんだんに使用し、鹿児島県にある工場で一つ一つ丁寧に人の手で手作りしています。最低限の加熱調理後、瞬間冷凍で定期配送するため、今までのフードと違い、食材そのままの味や香りが楽しめます。レシピはニュージーランドの世界に95名しかいない米国動物栄養学専門医が監修しています。

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そして、テクノロジーを使い、ワンちゃんの体重や年齢など複数データを入力すると、独自のアルゴリズムで最適なカロリー量とレシピを提案します。

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購入後も年齢や体重の変化をログで取りながら獣医師にLINEで相談ができるので、一生涯最適な栄養素とカロリーを飼い主が選択する手間なくお届けすることができます

今まではIoT関連のサービスがペットテックとされてきましたが、こうしてデータを活用しD2Cでのサービスを提供するサービスもペットテックで増えています。

4. まとめ:今後の展望

withコロナ時代により、大きく暮らしの在り方が変わろうとしています。ペットライフにおいても、よりデータを通して最適なソリューションが必要となってきます。今までのペット市場はマスでしたが、1to1のコミュニケーションをするパーソナライズにペットテックを通してシフトしてくるでしょう。

人間と同じく、遠隔診断や医薬品配送の成長は見込め、オンラインでのパーソナライズな購買体験も加速していくと思われます。IoTなどのデバイスだけでなく、サービスを含めたペットテックサービスが今後も増加します。

これからもペットテックの動向をお伝えしていきたいと思います。

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ペットテックスタートアップのシロップ代表。人が動物と共に生きる社会を作る。D2Cカスタムフレッシュドッグフード「PETOKOTO FOODS」、ペットライフメディア「ペトこと」、保護犬猫マッチングサイト「OMUSUBI」を運営。https://foods.petokoto.com

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株)シロップ CEO-Taisuke Okubo:動物を愛し、豊かなペットライフの創造と「人が動物と共に生きる社会」をCoolに実現する男の熱い想いや、ペット市場についてわかりやすく綴っています!

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