人間関係が豊かになる「最高の卒業」とは〜「相棒」の反町隆史“冠城亘”さんに学ぶ〜
年末は終わりのお知らせが多くて、なんだかさみしい気持ちが募ります。テレビドラマ「相棒」の反町隆史“冠城亘”さんが卒業決定です。
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冠城亘(反町隆史)さんと杉下右京(水谷豊)さんのやりとりからは、「最高の卒業」の仕方が学べます。職場や学校など、別れの季節が近づいています。そんなときに二人の言葉からは「どんな別れ方が最高なのか」を考えるきっかけをもらえます。
特に「最高の会社の辞め方」の教科書になります。3月や4月の入社に向けて、転職活動に入る方も多いこの頃。今の会社とこれからの会社は地続きなので、退職の仕方も今から計画しておくことをおすすめします。今の会社の人間関係は、未来の転職先ですしね。
卒業の言葉は「自分の気持ち」を書くのではない
まずは冠城亘(反町隆史)さんの言葉です。自分の心情だけでなく、杉下右京(水谷豊)さんの気持ちを想像しています。
卒業について直接話した時、水谷さんが仰ったのは、「分かった」の一言でした。
今年で48歳になるのですが、「50代を迎えるにあたって、新しい出発を切ろうとしている気持ちは、よく分かる」と。実際、そんな話はしていないのですが(笑)、これだけ長く一緒にいますから、僕には分かるんです。
コメントを見ていただくとわかるように、杉下右京(水谷豊)さんも冠城亘(反町隆史)さんの気持ちを想像しています。
そのソリが相棒を離れる事になりましたが、2人では多くを語っていません。話さなくても思いは充分分かり合っていると思うからです。この先、冠城亘ではない役者ソリを見られることもとても楽しみです。
卒業はさみしいですが、お二人のコメントを見ていると「きっとまたどこかで共演されるのでは」と思いますし、舞台を降りても人間関係が続くのでは思えます。
卒業までに、「もう語り尽くしておく」
でも、そんな「別れても続く関係」はどうやったらつくれるのでしょうか?お互いに多くを語らず、お互いを思いやれる人間関係はどうしたらできるのでしょうか?
推測にはなりますが、お二人は卒業までに充分語り合ってきたのではと思います。それは言葉を交わすという意味だけでなく、演技を通じてもそうです。杉下右京(水谷豊)さんが冠城亘(反町隆史)さんを見て「既に出来上がっているチームに入る事がどれほど大変な事か」と想像したように、無言の会話も含まれます。
卒業までに多くを語ってきた。だから卒業に際して、「2人では多くを語っていません。話さなくても思いは充分分かり合っていると思うからです。」と言えるのでしょう。卒業が決まる前から言葉を、思いを交換し合っていたのでしょう。
どうしても学校を卒業する、職場を退職するときは「その日が決まってから準備する」と思いがちです。退職の場面なんて、「びっくり退職」なんて言葉もあるように「いきなり別れの日が決まる」ことも珍しくありません。
卒業も退職も絶対に訪れる未来です。卒業が決まってから、退職が決まってから言葉を尽くす以上に、その前から言葉を尽くす。その積み重ねが、最高の卒業をつくり上げるのだと思います。
「もう語り尽くしておく」とまた出会える
卒業までに、「もう語り尽くしておく」ともう一ついいことがあります。それは「永遠の別れ」にならないことです。
一度は別れても、また出会える。新しい関係を築ける。卒業が終わりではなくはじまりにできる。
卒業までに語り尽くしているから「どうして辞めるんだ」「もう少しいてくれ」なんていう引き留めや詰問に時間を咲かなくてよくなります。それよりも「これから何をするんだ」や「また会おう」という未来の話をできるようになります。
どんな美しい人間関係も、未来がなければ途切れてしまいます。過去にお世話になったひとより、未来に会う予定があるひとと、人間関係は続きます。「最高の卒業」は「また出会える卒業」ですね。
冠城亘(反町隆史)さんと杉下右京(水谷豊)さんのやりとりからは、最高の卒業を超えて退職や別れ方も学ばせていただきました。
またの共演を楽しみにしております。
「退職学™️」・佐野創太
〜CM入りますよ〜
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2021年1月に出版を予定しています。テーマは【「会社辞めたい」のループを抜け出して、仕事も生活も楽しくなる技術】です。またお知らせします。
●jin-jour(ジンジュール)に寄稿しました
※jin-jour(ジンジュール):人事・労務の専門情報誌『労政時報』(東証1部上場企業の大半が購読)を編集する労務行政研究所が運営する「ヒト×カイシャ=元気」を育てるWebマガジン
>「会社辞めたい」社員の本音とは何か? ケアできている企業は「従業員ジャーニー」をつくっている
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